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結構書いたつもりになっても、文字数はどうしようもない現実を突き付けてくる。ほら、スクロールすると一瞬で一番下だ。

 学園に到着、の前に?

 現在地は学園の敷地内である森林地帯。

 世界中の優秀な若者を預かるだけに、外的対策はしているらしく、この森林もその一環だとか。

 なんでも、既にここは異空間らしい。

 発掘された古代装置を幾つか使用し、何処の国の物でもない領域を生成し、丸々学園都市として開発しているとか。


 古代装置、異空間。うむ、なんとも聞き覚えのある単語よな!


「魔王、知ってるの?」


 身に覚えがある。


「……あの、なんかもう嫌な予感しかしないんだけど」


 勘が良いな片割れ娘よ。

 旧時代の頃、大暴れした我を滅するには生半可な魔術では力不足でな。かといって下手に威力を増してしまえばこの星が衝撃に耐えきれず崩壊してしまう。

 自分達ごと消滅する訳には行かず、人類は大いに頭を悩ませた結果、一つの結論を得た。


――異空間に放り込めば良いんじゃね? と。


 いやー、はっはっはっ! あれはキツかったな!


「ねぇ、魔王」


 どうした? 元気娘よ。


「今って弱体化してるんだよね?」


 うむ。


「んで、当時ですらキツかったんだよね?」


 であるな。


「……具体的には?」


 この異界を護るガーディアンがそれはもう強くてな。


「全速前進だ!!」


「やだぁ。対魔王用に作られた物なら絶対出てくるよぉ。いやぁ」


 その通り! この異界に入った時点から既に、我等は捕捉されている!


 力強く宣言したすぐ後に、森の木々を激しく揺らして飛び出して来る物体が多数。

 全身鎧に一対の翼を足した空飛ぶ人形は、手にした剣の先端に魔力を集束させていく。


 揺れるぞ小娘共! 舌を噛まないよう注意せよ!


 剣の先端が我等の乗る馬車を捉え、発射されるエネルギー弾。一発一発が馬車を破壊するのに十分な火力を宿している。直撃は当然ながら、掠める事すら許されない。

 速度に緩急を付け、左右の車輪を操り馬車を激しく回転させる。

 時にはバック走行で。

 時には慣性を利用したドリフトでエネルギー弾を確実に回避していく。

 馬車の中から悲鳴と呻きが聞こえてくる。吐きそうになっている娘が一人居るな。


 エネルギー弾だけか。ここの装置も激しく劣化しているようだ。


「ラッキーじゃん!」


 ラッキーではない! この異界は我を取り込み、ガーディアンに襲わせ、その間に崩壊するまでが役目である!

 装置自体に魔力を貯蓄する術式が有るとはいえ、教育機関として利用しているならば何時かは尽きる。

 劣化している以上、貯蓄されている魔力の幾らかは無駄に漏れ出ていると見た方が良い。

 旧時代の人間ならまだしも、新時代の人間では魔力の補給もままならん筈である!

 つまり! このまま放置すれば、近い将来には魔力が尽き、中の人間ごと異界が崩壊を始め消滅するぞ!


 中に居る小娘共が言葉を詰まらせるのと同時に、人形共は二手に分かれ前方と後方で挟み撃ちを仕掛けてきた。

 【回転】で馬よりも速く走る馬車であるが、旧時代の人形の方が性能は上である。当然ながら、速度差は歴然だった。

 前後から放たれるエネルギー弾。隙間を埋めるような射撃に忌々しく思いながらも舌を巻く。

 回避は不可能。であるならば!


 頂くぞ、その魔力!


 左手を真上へ掲げ、異能を発動させる。

 瞬間、放たれたエネルギー弾が進路を変え、我が手に導かれるようにして納まる。

 血管に幾つもの小石が入ったかのような激痛に奥歯を噛み締めて耐え抜き、右手を前へと突き出した。


 返礼だ、受け取れぃ!


 吸い込んで、吐き出す。ただそれだけである。

 我が右手から放たれるは数多のエネルギー弾を更に集束させたものである。その威力は人形共の放つエネルギー弾をも飲み込み、前方の人形全てを消滅させた。

 しかし、この異界の恐ろしさは人形単体ではなく、その物量にある。

 倒しても倒してもわらわらと湧いてくる人形には当時の我も嫌気が差していた。

 嫌気が差した結果、付き合ってられるかと普通に脱出した。故に、この装置は御蔵入りしたのだろう。その後の戦争では一度も使用されなかった。


「魔王様ー、敵ー?」


 む? 起きたかナージャよ。


「やっつけるー?」


 よせ。貴様がやるとこの異界が無くなるだろう。


「加減するー」


 ならば良し!


 許可を出すと、ナージャは馬車から勢い良く飛び出し、魔力で作った光翼を羽ばたかせる。そして、人形共よりも上空まで高度を取ると、寝ぼけ眼をカッ! と見開いた。


「魔王様に仇なす者は、一人残らず始末する」


 眠山羊族の特性は、睡眠時に周囲からエネルギーを取り込むというもの。

 しかし、訓練次第では催眠時という枷を外す事が出来る種族である。

 先程、我が使った異能の完全上位互換でもあった。


「人形ごときが。身の程を知るがいいッ!」


 人形の動力源は魔力である。

 長時間活動する為に自力で魔力を生成する機関を設けられているが、当然ながら魔力が使われている。

 本来なら一の魔力を使って十を作る機関も、劣化した今では二か三しか作れていないようだ。

 だからこそ、生産と飛翔、そしてエネルギー弾しか使えなかったのだ。

 魔力を使って魔力を作るなら、魔力を根こそぎ奪ってしまえば、人形共は活動を停止する。

 旧時代の人形は、魔力が無ければどうしようもなく無力だった。

 ギシリとその身を硬直させ、糸が切れた様に地へと落ちる全身鎧の人形共。

 かなり広範囲から吸い取ったのか、追加が現れる事はなかった。


「御馳走様ー、ゲボマズー」


 仕事を終えて戻ってきたナージャはこれ見よがしにおえーっとしていた。

 恐らく万か億単位の年季もの故に、とんでもなく熟成されていたのだろう。


「なんか、ナージャの方が魔王っぽいや」


「……うぷっ! ……吐いて来ていい?」


 片割れ娘はその辺りの草むらでゲロゲロした。

 友人から「物語ってどう作ってるの?」と聞かれたので軽く載せようかと。恐らく価値は無い。


 ①取り敢えずラストを考える。これがないと始まらない。

 ②ラストに向かって必要な要素を考える。無くても良いけど打ち切りエンドっぽくなる。

 ③主な登場人物を考える。設定が難しい場合は取り敢えず根本、ぶれさせちゃ行けない部分だけで良し。

 ④人物間の関係性。軽い図でも良し。後々登場するなら場面も考えとく。

 ⑤方向性。目標や行動原理でも可。旧時代の魔王様には、種の存続と繁栄という目的があった。無くても良いけどイエスマンまみれになる。

 物語の展開は知らん。今回だって元々戦闘回じゃなかった。何もなく到着させるのはつまらないなー、と思ったからこうなっただけなので。

 書いてる時点から、少し先を考えて唸るタイプなんです。

 時代背景やら設定やらは小まめにメモると矛盾が少なく済んだりする。どうだったっけ? まぁいいやのコンボで矛盾が発生しちゃう。


 人物設定で個人的に嫌なのが、何故にそういう思考出来るのにその考えに行き着かないのか、等々。楽観主義なら分かるけど、散々論理的思考展開した後でそれはないわー、って白ける。

 でもたまに自分でもやらかしちゃう。気を付けます。


 まぁ、ここまで書いといてなんですけど、ラストまで行かなきゃ意味無いよねっていう、ね。

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