92話ワタル、嫉妬に服をプレゼントする
大分間が空いたようで、すみません。
最近、中々執筆が進まずにこれからも更新が遅くなるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
「わ、私の名前ですか?わ、私の名前は嫉妬のレヴィアタン、レヴィとお呼びくだされば………あっ、わ、私ごときが愛称で呼んで欲しいなどと烏滸がましいですよね。失礼しました」
何かネガティブな人━━━いや、魔族だな。それにしてもレヴィか、可愛い名前で別に変身しなくても良いのにな。
問題は変身しないと魔力が漏れるって話だけど、何か変身以外でレヴィの魔力を漏らさない様に出来ないだろうか?
「いや、レヴィ………可愛いくて素敵な名前じゃないか。そんな悲観的に考える事はないと思うな」
「にゃ、にゃにゃにゃにゃ!可愛い?!ウソです、私が可愛いなんてあり得ないです。えぇ、あり得ないです。さぁ、出て行ってください」
ブンブンとレヴィは首が取れると思える位横に振る。これでもかって振る。
あれ?俺、何か変な事言ったかな?単純に素直な意見を言ったと思っただけど、予想以上にレヴィが動揺して逆に俺の方が恥ずかしいと思ってしまう。
「そんなに自分の事を悲観に見なくても良いんじゃないかな?それよりも、この服なんか似合うんじゃないかな?」
ワタルが宝部屋から取り出したのは、ヒラヒラスカートのゴスロリ風なメイド服であった。
白猫率いるメイド隊と比べると雲泥の差でワタルが手に持ってるメイド服の方が可愛い過ぎる。それをヒラヒラとレヴィに見せつける。
「ヒャッファー!な、何なんですか!そ、そんなに可愛い服見た事ないです!」
よし、食いついた。この部屋を見渡したところ、レヴィは可愛い物好きでベッドや机の至るところにテディベアやフランス人形に加え、日本アニメに出てくるヒロインのフィギュアが置いてある。
それに、チラッと見えた。クローゼットの扉が半分開いてあり服が見えてしまった。これでもかってくらい″ゴスロリ″がズラッと掛けてある。
「うふふふっ、これを欲しいかな?」
「ほ、欲しいです。欲しいですが………人間が何の見返りも無く物を与えるとは思えないです。ワ、ワタル様はそんな事しないと思えたいです。だけど、人間は信用出来ないです」
コミュ症よりも悪い人間不信だったか。フランの部下だからか俺の事はどうにか多少なり信用してもらえたようだ。
「俺は、こんな可愛い子からお金なんか取ったりしないよ。ほれ、無料だから遠慮無く着ろよ」
ワタルは無料という箇所を強調しレヴィにゴスロリ風メイド服をポイっと放り投げ、バサッと受け取る。
「ほ、本当に……本当に着てもよろしんです?(こ、こんな可愛い服着てみたい)」
「あぁ、それは君にプレゼントだ」
レヴィは早速着替えるためにそそくさと奥に引っ込んだ。
レヴィが着替えてる間にワタルはレヴィの魔力の威圧をどうにか出来ないか思案する。ワタルは変身前のレヴィの方が可愛いく好感が持てると感じだからどうにかしたいと思っている。
「う~ん、こんな感じかな」
自分の魔法練習も兼ねて宝部屋から何の変哲もないシルバーの指輪に闇反魔法の一つである魔法無効果を弱めた魔法を付与する。
一応付与は成功したようだ。シルバーの指輪を鑑定すると次の様に鑑定結果が出た。
【レヴィ専用シルバーリング】
嫉妬の魔族レヴィアタンしか装備出来ず、それ以外の者が装備しようとすれば弾かれる。
破壊不能装備。
レヴィアタンから漏れ出る魔力の威圧を軽減する。軽減率は漏れ出る魔力量により変化する。
※防御力や魔攻魔防は上昇しないので悪しからず。
以上、ワタルが付与した結果内容だ。ていうか、最後の注意書きが超気になるが、けどまぁ上手く作れて良かった。後はこれをレヴィに装備してもらえば、魔力問題は万事解決になる。
「お、お待たせしました。どうですか?似合いますか?似合いませんよね。最初から私なんかに似合うはずありません。
すみませんでした。こんな茶番劇に付き合わせてしまいまして、このお詫びは後日改めて致します。これはレヴィ特性のクッキーでして、お詫びとは別なので、どうぞ食べてください。」
着替え終わり出て来たのは良いけど、俺が感想言う前から凄くネガティブ発言連発だ。
モグモグとレヴィのクッキーを食べる。うん、性格はネガティブなのにクッキーは凄くポジティブなりそうな程美味しい。
もしかしたら、お菓子作りが得意なのか?これを切っ掛けにネガティブの性格を治せないか思案する。漏れ出る魔力問題が解決しても性格がネガティブではあんまり変化しないと感じたからだ。




