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87話魔族幹部とワタル達とで食事会

遅れてすみません。

仕事と他の作品の執筆でこれからも遅くなるかもしれませんが、よろしくお願いします。


 適当な言い訳が何も思いつかず、目的地に着いてしまった。そこは中世に良くありそうなダンスホール風の部屋に着き、その中央にポツンと長テーブルが置いてある。

 そこにフランを含めワタルメンバーと、その向かい側に見慣れない者が六人が座っており、残った席が一つある。おそらく、サラを含めた幹部達であろう。


「フランシスカ様、ワタル様をお連れしました」


「ごくろうであった。さぁ、ワタルよこちらに座るのじゃ」


 ワタルの席はフランの隣で、恐らく最も注目を集まる席かもしれない。

 案の定、ワタルが席に座ると幹部達の視線がワタルに集まる。興味津々の者や嫉妬に憤怒等々様々な視線が集中放火されている。


「あれが魔王様のお気に入りである人間か。よくもまぁ、魔王は何故あんな下等種族にご執心なのだろうか?」


「………そんな事言ってると足元掬われるぞ。もう、油断したヤツ一名いるがな。ふん」


 幹部の常に怒り顔の男がサラをチラ見するとそう呟く。そのサラはというと、ワタルを一線に見つめウットリと惚けている。


「それは私の事かの?私は心変わりしたのよ。ワタル様の素晴らしさに気付いたの」


「早くしてくれぬか。僕はお腹がペコペコだよ」


「…………コクン」


 これで全員集まり料理が次から次へと運ばれて来る。親睦と紹介を含めた食事会が始まる。


「料理が来た訳じゃが、何か文句あるようなら聞くぞ?」


 フランから殺気やら威圧感が漏れ、周囲の壁や床がミシミシと悲鳴をあげている。その様子に幹部達の動きがピタッと止まり静かになる。隣にいるワタルも自分に言われてる訳ではないが震えが止まらない。これが本来の魔王の威厳というものだとワタルは思い知る。


「いえいえ、滅相もありません。なぁ憤怒の、お前もそう思うだろ?」


「あぁ、傲慢の我らが魔王様の客人を悪く言う訳ない」


 憤怒と傲慢と呼び会う男の魔族二人は仲が良いのか悪いのか、フランの機嫌を取ろうとする。普段一緒にすごしてると、つい忘れてしまうがフランを改めて魔族の王━━━魔王なんて認識する。


「そうか、それなら良かったのじゃ」


 鋭い眼光が若干緩やかになり、場の空気がいくらか軽くなったと感じる。幹部達は顔に出してないが安堵したと俺には分かる。だって、俺も震えていたし、チラッと夏希と遥を見たら顔面蒼白になっており息をしてるのか疑いたくなる程微動だしない。

 空気が軽くなった後は息をする事を思い出したかの様に二人の顔に生気が戻ってきた。


「さてと食事をする前に………紹介しておこう。何故この場に人間がおるのか疑問に思ってる者もおろう。妾の隣に座っておるのが………わ、妾の夫のワタルじゃ(ついに言ってしもうた)」


 幹部達にバレないようテーブルの下でモジモジと指を弄ってる。一方、幹部達はというと恥ずかしそうに告げるフランを見てサラ以外ポカーンと呆けてる。


「それに、そちらの人間二人はワタルの親戚に当たる者じゃ。妾のお客人として失礼のないようにのぉ」


 ここに座ってる以上、もし手を出したら数時間後にはこの世にはいないと宣言してると同じだ。それだけ、幹部達とフランのステータス値の差は天と地の差がある。


「次にそちらを紹介するかのぉ」


 左から憤怒のサタン、傲慢のルシファー、嫉妬のレヴィアタン、怠惰のベルフェゴール、強欲のマモン、暴食のベルゼブブ、色欲のアスモデウスのサラという順番に座っている。

 どんな魔族かは自ずと分かっていくだろうとここでは名前以外敢えて省略する。


「食事を開始するかのぉ。出来たところから持ってきておくれ」


 パンパンと両手を叩くと、メイド隊の隊員が次から次へと運んで来る。最初に出されてた料理は冷めてしまい、交換された。冷めても美味しそうに見えただけに勿体無いと感じてしまう。

 目の前に置かれたのは、ローストビーフだろうか?何の肉かは不明だが薄く切られ高級レストラン並みな盛り付け方だ。見てるだけで美味しいと分かってしまう。


「これは!!絶妙な火加減で柔らかくて口の中で蕩けてしまう。ちゃんと火入れの計算をしないと、ここまで柔らかく出来ないはずだ」


 ミレイヌの食べ物事情で、まさかここまでものを食せるとは思いしなかったワタルは素直に驚く。正直のところ、ワタルはこれを作れない。

 いや、今現在はと言い直した方が良いだろうか。似たような物は出来るが遠く及ばない。しかし、数年後には届く━━━追い越すだろう。

 ワタルの食レポにピクッと反応した者が一名いた。


「ほぉ、この美味しさが分かるのか。魔王様、お願いがございます」


 強欲を冠する魔族・マモンがワタルに興味を抱いたようでフランにお願いを申した。


「申せ」


 少し空気が緊張張るが、先程の威圧的な感じはしない。それでも、一般的な人間や獣人とかなら息苦しいと感じるやもしれない。


「はっ、ワタル殿を後程貸して頂けませんか。ワタクシのラボで少々見せたいものがございます」


「ふむ………良かろう。ただし、失礼のないようにな」


「はっ、ありがとうございます」


 俺の意思ってないのか。まぁ期待はしてなかったけどね。




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