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81話白猫登場

「ワタル達が言った言葉は何の事か分からないが。白猫、出迎えご苦労様なのじゃ」


「私ごときに勿体無いお言葉、ありがとうございますにゃ。フランシスカ様、もしや後ろにいる方々は……」


 白猫はフランの後ろに待ってるワタル達を一人一人見て再びフランに視線を戻す。

 ワタル達は白猫に見られてる間、ワタルは何とも言えぬ圧迫感を感じたが直ぐ何ともなく過ぎ去りホッと安心する。

 白猫が怒る心当たりは………まぁうん、高い確率でフランの事だろう。もし、二人きりで話す機会があれば謝ってしまおう。こういうのは後になればなる程悪くなってしまうもんだから。


「そうじゃ、こやつらは━━━━」


「フランシスカ様、ご存知でございます。ワタル様、夏希様、遥様にゃ。そして、ワタル様の腰に装備してらっしゃるのは、桜花ロウカ様ですにゃ」


 白猫は桜花ロウカの事まで言い当てた途端、桜花ロウカは人間形態へと変身する。そういえば、久々に見るかもしれない。


「良く分かったもんだな」


「メイドですので、何でも出来ないと勤まりませんにゃ」


 えっ!メイドってそんなもんだっけ?絶対俺が知ってるメイドと何か違う気がするのは俺だけか。


「………あの~、今から師匠とお呼びしてもかまいませんか?」


 あっちょっと桜花ロウカさん、何を考えてるの?初対面でいきなり師匠って失礼じゃないかな。というか何故に師匠?まぁ白猫が受ける訳がないか、いきなり言われて受ける人なんて━━━


「はい、良いですにゃ。メイドの道は厳しいにゃよ」


「はい、ついていきます」


 受け入れるのか~い。そうだ、相手は人じゃなく魔族だったんだ。人間の常識なんて通用しないんだ。


「それにしても懐かしいにゃ。異世界人とは何百年ぶりかにゃ。私が異世界へと小旅行に出掛けた時以来だにゃ」


 へぇ~、白猫は地球に行った事あるのか。なら、白猫に頼めば何時でも帰れるって事だよな。でも、今は大切な人が出来たししばらくは良いかな。


「それにメイド文化を広められて満足だにゃ」


 お前だったのか!じゃぁ何か、逆輸入的な事であっちで広めたという事なのか!過去の転生者(又は転移者)がこっちに広めた訳じゃないのか。

 ワタルも含め夏希と遥も予想斜め上な事実にポカ~ンと口を開け白猫を見てる。


「メイドですので(ニッコリ)。ついでに言いますとにゃ、あちらの世界を参考に魔王城を設計したのも私にゃ」


 えっ!逆輸入からちゃっかり輸入してるよ、この人………じゃなかった、この猫又メイドは。マジぱねぇ~なメイドって白猫を見て思うが俺の中に存在するメイド像が崩壊していってるそんな気分だ。


「それはさておき━━━」


 俺は聞きたい事があるんだがと思った瞬間、白猫と目が合い視線で「後で」と言われた聞がした。


「ルリ様、ご無沙汰してますにゃ。お変わりないようで綺麗ですにゃ」


「白猫様もお変わりないようで、我は安心なのよ。もう数十年………いえ、何でもない」


 ルリの顔が青ざめてガクガクブルブルと震えてる。何かいけない物でも見たかのように………大丈夫であろうか?


「ルリ大丈夫か?具合でも悪かったら━━━」


「大丈夫よ、えぇ何でもないわ」


 それなら良いんだが………白猫って一体何者なんだ。絶対ただのメイドじゃないだろ。


「にゃふふふふ、姉様何処に行くのですにゃ」


 ギクッ

「にゃははははは、ちょっとお花を積みに」


 えっ!白猫って黒猫の妹なのか!まぁ名前が似てるし同じ猫又だから何か親族だろうとふんでいたが、まさかの姉妹だったとはな。性格が正反対の気がするけど、そこは置いとくか。


「はぁ~全く勝手にいにゃくなって、心配したんですにゃ」


 やっぱり、姉妹だから絆があるんだな。姉妹(兄弟)の絆って素晴らしいものだ。黒猫もあんな出来る妹がいるんだから、もっとこういい加減な性格をどうにか出来ないものか。


「心配させてすまなかったにゃ。にゃからその手を離して欲しいにゃ」


「何故ですにゃ?これは姉様を逃がさないためにゃ。にゃから離す必要はないにゃ」


 あぁ~、これは白猫さん怒ってらっしゃるな。黒猫がこちらを見て「た、助けて」と言ってる風に感じるが、まぁ勘違いという事にしてやろう。

 黒猫よ、悪く思うなよ。どちらかと言えば自業自得だし、何故だか分からないが、白猫は逆らったらいけないようなヤツだ。俺はまだ死にたくないし、ここは黒猫に生け贄になってもらうしかないんだ。


「姉様、何か言う事は?(ニコリ)」


 うわぁ、俺でも分かる。超怖ぇぇぇぇぇ。ガクブルと俺が怒られてる訳ではないのに震えが止まらないんだけど。

 それに、どっちが姉か分からない。むしろ、白猫の方が姉と言ってもらった方がまだ納得出来る。


 ガクガクブルブル

「ご、ごめんにゃ」


「聞こえないにゃ」

 バシュっ


「ニャブヘぼ#*♭※*@&$%」


「「「「「へっ?」」」」」

 一体何が起こったのか、ほぼここにいる全員が分からなかった。気づいたら黒猫がぶっ飛び壁に頭から突き刺さっていたのだ。

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