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女魔王様による娯楽と冒険日記  作者: 鏡石 錬
2章ムライア王国と獣王国の戦争
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75話正式に仲間入り(夏希と遥)

 遥の成敗は済み話を戻す事にしよう。

 えーと何の話してたかな?あっ、そうそう夏希と遥を仲間にするかしないかの話だった。遥のせいで忘れるところだったが、フランが見せた威厳のお陰様で誰も反対の者はいないのが有難い。


「改めてこの二人を仲間に入れる事に異論はないな」


「私はフラン様の指示に従うまでです」


「にゃたしは面白い方に一票にゃ」


「フランに逆らえる者なんて、この世に存在するのか。我は賛成じゃ」


「はぁ、貴様らが良いのであれば我輩は止めないがな」


 微妙な意見が混ざってはいるが、これで全員賛成で夏希と遥が新たに仲間入りを果たした。


「ちょっと質問いいですか?」


「うん?何じゃ?」


「フランさんってアユム兄の何なんですか?さっき聞き間違えじゃなかったらお嫁さんて聞こえたような気がしまして………あっははは、そんな事ありませんよね。フラン━━━魔王様がアユム兄のお嫁さんなんて事は━━━」


「間違ってはおらんよ。それに加え━━━この三人もワタルの嫁じゃな」


「なっ!」


「ほぉー、あのアユムちゃんがまさかハーレムを作ってるとは驚きですな」


 何かイラッと来るようなしゃべり方でワタルを煽る遥。いつの間にか立ち直り話に混ざっている。そういえば昔からこんなヤツだった。だけど、イラッと来るけど何処か憎めないんだよな。

 他人のゴシップが大好物で、何処から仕入れて来るのか良く先生のスキャンダルを片手に成績の交渉をしてる場面を何度か見た記憶がある。


「うん?俺が何だって?」


 ワタルは片手に鉄製ハリセンをちらっと見せると、遥はスゴい変わり身で土下座をしていた。


「ご、ごごごごごごめんなさい。もう、しませので許しして下さい」


 どうやら、トラウマになったようだ。これは使えるとボソッと小声で言う。他の者には聞こえてはいないようだが、流石ゴシップが大好きなだけはある。

 遥の地獄耳には聞こえていたようで土下座しながら冷や汗を流していた。


「………ねぇ、そのハーレムに私も入れるかな?」


「夏希?!」


「妾は大歓迎じゃぞ」


「にゃはははは、もっと面白くなりそうにゃ」


「昔のワタルの話でも聞きたいですし、良いですよ」


「マスターの指示に従うまでです」


「そうじゃ、妾に良い考えが浮かんだのじゃ。ワタルハーレムというギルドでも作ったらどうかの?」


 何その異世界ハーレム物みたいなギルド名は………俺の嫁であるフランの願いでも絶対に拒否する。というか今思ったたがフランのネームセンスってないのか?


「そんな名前はないです」

「流石にないにゃ」

「ぷっくくく、ないわね」

「魔王と聞いて最初はビビりましたけど………もしかしてポンコツですか?」

「夏希………そんな素直に言っちゃダメだよ。もっとこうオブラートに包まないと。そうヘッポコ魔王だと」


 おい、何処がオブラートに包まれとんねん。なに悪化しといねん。遥のせいで変な関西弁でツッコんでしまったかいな。


「………そんなにダメかの。ワタル」


 そんなウルウルとした顔でどうして俺に振るんだ。まぁ意見言ってないの俺だけたし、しょうがないが何て言えばいいんだ?内心ではフランを庇いたくなる衝動が生じるが、頭ではみんなの意見と同じく「それはないわぁ」と思ってる。なので折衷案として━━━━


「ギルドを作るのは賛成だが、その名前だけは勘弁してくれ」


 ガーン(悲)

「そ、そんなに妾の付けた名が………ダメかの」


 うっ………そんな瞳で見詰めないで!俺………弱いんだよな。だが、ここは心を鬼にして断る。だって、そんな名前にしたらクエストを斡旋してもらえなくなるし、来なくなるからな。

 この際、保留という事で良いか。別に今直ぐにでもギルドを建てなくてはいけないという事ではないしな。


「あー、言いにくいのだが………流石にその名前は恥ずかしいよ」


 ガーン+ショック

「シクシク………妾なんて妾なんて」


「そうだ、親睦深めるためにみんなでお風呂入るのはどうかな?」


 良い考えだとセツナが提案する。それを聞いたフランは早くも立ち直りワタルの肩をガシっと掴んでいる。セツナの計画通りである。

 久し振りにワタルと入れるとなれば、直ぐさま立ち直るのふんだのだ。まぁセツナ自身も入りたかったのもあるが。


「えっ、何で掴んでるのかな?」


「それは………逃がさないためなのじゃ」


 これで逃げ道を完全に塞がれたワタル。まだ、桜花を抜いた状態なら良い勝負になったかもしれないがゼロ距離で、フランが相手ではそれを許さないだろう。

 よって、ワタルの入浴━━━混浴はこの時点で決定事項となってしまったのである。


「あのー、私達二人も?」


「当たり前じゃろ?」


「ちょっと待って。夏希はともかくとして、私はハーレムに入っていないから良いよね」


「は、遥だけズルい」


「セツナ」


「はっ、ただいま」


 フランがパチンと指を鳴らすと、セツナは遥の背後に回りショイっと片腕だけで担ぎ、そのまま風呂場へと直行するのである。ワタルはフランに引きずられ他のメンバーもフランの後に続き風呂場へと向かった。

 この後、ワタルの悲鳴が城中に響き渡ったのは後の話である。


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