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女魔王様による娯楽と冒険日記  作者: 鏡石 錬
2章ムライア王国と獣王国の戦争
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66話闇のゲーム"オセロ編"その1

更新遅れてすみません。


 ムロイア王(豚王)「セツナ、もう牢屋から出して構わない」

「ワタル、魔法解除したよ」

 セツナが魔法を解くと氷の牢屋が溶けるように、消滅した。

「…………おい、あいつを殺せ」

「「はっ!」」

「焼き尽くせ"ファイヤーストーム"」

「四肢を貫け"アイスジャベリン"」

 ムロイア王(豚王)の側近である魔法使い二人がワタルに向かって属性中級魔法を放った。人間がどんなに努力しようとも一人で撃てるのは中級までが限界だ。例外はいるがな。

 そんな魔法を放たれワタルは一歩も動かず、絶対に命中したはずだ。だが、白煙で死んだのか確認出来ない。


「プッククククあはははははは」

 フランが突然と天高く笑いだした。

「な、何が可笑しい」

「ワタルがあんな程度で殺られるはずはないのじゃ」

 フランが舞う白煙の一部を指差した所に人影があった。その人影はゆっくりとこちらに向かって来る。

「ふぅ、効かないと頭で分かっていても何か頭にくるね」

「なっ!何故じゃ!何故ヤツは死んでない。普通の人間なら死んでもおかしくない攻撃じゃったぞ」

 確かに普通の人間なら死んでもおかしくない威力の魔法だったが、今のワタルは普通ではないし、それに娯楽魔法で作った空間で二重の意味で守られている。


「お前は話を聞いてなかったのか?俺は言ったぞ。この空間内ではあらゆる攻撃は無駄だとな」

「お前だと!儂を誰じゃと━━━」

「だから、それは何度も聞いた。さっさと座れ。座らないと俺の不戦勝になるぞ」

 ワタル自身、ムロイア王の態度に我慢の限界が吹っ切れそうでイライラしながら怒気を飛ばし、いつの間にか用意されてた椅子に座りテーブルの上にはオセロ盤と表裏が白黒に色分けされた石を置いた。

 ムロイア王はワタルの怒気にビビり仕方なく正面の椅子に座り、その際、側近の魔法使いに『この魔法を解析しろ』と視線で合図を送った。

 その合図にはワタルとフランは気づいてるが、どうせ無理と分かってるため敢えてスルーした。

 その方が分かった途端、絶望になり命乞いや交渉事をしてくるだろうが、敢えて最初は聞いて許す素振りを見せてから断る方が豚王の地獄に落ちたような顔が拝見出来るかもしれないからだ。


「これは知ってるな」

「バカにするでない。オセロであろう」

 オセロという遊戯ゲームは、知らない人の方が少ないだろうが一応ルール説明しよう。

 中央の四マスに白黒の石を二個ずつの四個を交互に置いて準備完了だ。

 先方は黒からで石を黒白交互に挟むように打ってひっくり返し、最後に石が多い方が勝ちになる。

 余談になるが、オセロと似た遊戯ゲームとして知られるのがリバーシがある。リバーシはルールはオセロと同じで違う箇所は最初の石の配置だけである。


「そうだ、オセロだ。まぁ多少は物知りのようで」

「バカにするでない。それくらい知っておるわい。流行とかチェックしておるしの」

 王族や貴族は流行に敏感と聞くが、何処の世界でも同じようだな。まぁこのオセロに限らず最近の流行は俺が流行らせたんだから知って貰わなくては困る。この時の布石だったんだからな。

「それじゃぁ、ルール説明は不要だな」

「当たり前だ。この小僧がなめるではないわい」

 ルールは説明は省き、ワタルは懐から金貨を一枚取り出しムロイア王に見せた。

「コイントスで先方後攻を決めよう。ムロイア王(豚王)よ、表か裏を決めよ」

「…………表だ」

 金貨をワタルは親指で空中高く弾き飛ばした。そして、重力により次第にスピードは落ち空中で一瞬止まり落下してくる。

 落下してきた金貨は床に落ち何度かバウンドすると、表に決まった。よって先方はムロイア王、つまり石の色は黒だ。

「…………どうやら、ムロイア王(豚王)が先方のようだ」

「ふむ、当たり前だな。ワッハハハハハ」

 何かもう勝った気でいるみたいだ。ただ、先方後攻を決めただけなのに。

「それ行くぞ」

 ムロイア王は黒石を起き白石一つが黒に裏返った。これで黒が三個、白が一個になった。

「ふっははははは、それ後一つだぞ」

 バカじゃないのか。何をそんなに浮かれてやがるのか。オセロは最後には多い方が勝つが、多い方が有利ではない。自色が少なかろうと石を置く選択肢が多い方が有利なのだ。

 終盤になってくる程、相手の置く場所が無くなりパスをさせるのがオセロを勝つ条件になってくる。いくら多く取ろうとパスを続けていれば負けるのは必至だ。


「それそれどんどん行くぞ」

「……………」

 やはり権力者だからだろうか、多く取って行けば勝てるって性格に出てる。自ら不利に進んでいるとは最後まで気づかない。

「くっ、角を取られたか。だが、まだまだ我の方が多いのだ。角位くれてやるわい」

「…………ありがとうございます」

 自分が有利だと思わせるために、ワタルはわざとお礼を言う。が、口角が上がりそうになるが我慢する。ここで笑ったらバレてしまうからな。

 こうして、ムロイア王が自ら不利だと気づかないまま中盤らへんになった。


次回更新は8月8日~13日を予定

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