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女魔王様による娯楽と冒険日記  作者: 鏡石 錬
2章ムライア王国と獣王国の戦争
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63天啓の判定

「よっと、ただいま」

「お帰りなのじゃ。ワタル」

 オウガ陣地である丘へとワタルは到着し、気絶してるララ━━いや、今は雷姫リリーか。を黒猫が倒した風姫ルーの横に寝かせた。

「はああぁあぁぁぁ、めっちゃ疲れた。ヤバい、死にそう」

 雷姫リリーを横にさせた途端に自分自身も大の字に横たわり、今まで息を止めてたかのように胸を上下させる。

「ワタル大丈夫なのかや?」

 フランがワタルの頭を自分の太腿に乗せ膝枕をしてあげると頭を優しく撫でた。

 ワタルはフランの柔らかい太腿を堪能しつつ、戦争終了を知らせる天啓がくるまで待機する事になった。そんな中━━━


 さわさわさわさわとワタルがフランのお尻や太腿を触る。


「ちょっ!わ、ワタル皆が見てるのじゃ。やめっあっんっん━━止めろって言ってるじゃろうが!ふんが」


 ドカアァァンっと爆弾が爆発したと錯覚してしまうような音をたてワタルの顔が地面にめり込み、地面から体が生えてるみたいだ。何が起こったというと、ただフランの拳骨をくらっただけなのだ。まるで池ではないけれど、犬神家の一族を思わせる。


「わ、ワタル殿大丈夫か?」

 テンガが心配するが、ワタルの両手が動き逆立ちするように地面から顔を抜きに掛かる。

「んううぅぅぅぅ、ゲホゲホ………大丈夫大丈夫(あぁ、痛かったな。今度は二人きりの時にやろう)」

 と、誓うワタルである。しかし、何時かまたやってしまうのがワタルという人物なのだ。


「よっと、それよりも戦争の審判する天啓とやらはまだか?もう、決着ついたも同然じゃないか?」

「そうかもしれないが、時間がまだ━━━」


 キンコンカァンコンキンコンカァンコン━━━『えぇ、ごほん。聞こえるか?下々の民達よ、我は戦神セクメトである』


 何か俺の世界にある学校のチャイムみたいな音が鳴った後に、声が聞こえてきた。おそらくこれが天啓とやらだろう。何故学校のチャイムなのかは、ツッコんだらいけない気がして敢えてスルーする。


『えぇー、もう決着が着いたとみなして早目に結果を発表したと思います』

 騒いでいたヤツらも天啓が聞こえた途端に静かになり空に顔を上げて、戦争の結果を見逃さないように聞いていた。

 ワタルに関しては、天啓は初めてのはずなのだが、この声以前何処かで聞いた覚えがある気がし首を傾ける。しかし、思い出せなかった。


『この度の結果は………獣人王国オウガの勝ちとする』


 戦神セクメトの宣言によりオウガ側の兵士達が兜を脱ぎ上へと放り投げ喜びを露になり、歓声が其処ら中に響き渡った。


『勝利側には━━━』

「「「「「うおおおぉぉぉぉぉ」」」」」

『………勝利側━━━』

「「「「「うおおおぉぉぉぉぉ」」」」」

『……………………』

「「「「「うおおおぉぉぉぉぉ」」」」」

『フンガアァ、静かにせんか!』

 ゴロゴロゴロゥゴロゴロゴロゥ

 戦神セクメトの怒号と共鳴するかのように、ピカァッと雷が数秒間降り注いだ。それを見た兵士達は静かになり土下座を一斉にした。

 もちろん、騒いでないワタルやフランに加え、獣王テンガに気紛れな黒猫も土下座したのだ。ただ、何でも例外はあるものだ。そうとある二人だけ戦神セクメトに向けて土下座していない。


『ワタル聞こえるか?』

「あぁバッチリ聞こえるぞ。そっちも天啓は聞こえたか?」

『聞こえたが………バカな事をやってる者がおるよ』

 セツナの無線報告によると、ムライア国国王とその王妃が天啓の声に何か喚いているそうだ。

 こっちには豚王と王妃の声は聞こえないが、天啓はこちらにも聞こえる。

 例えるなら町内放送みたいな感じか。おそらく、豚王が神様の怒りに触れた事をやったんだろう。


 ━━━ムライア王国side━━━


『フンガアァ、静かにせんか!』

 ゴロゴロゴロゥゴロゴロゴロゥ

「おぉ、神よ。我々を助けたまえ」

「そうよ、助けなさいよ」

『あぁん、お主ら誰じゃあぁぁ』

 ゴロゴロゴロゥゴロゴロゴロゥ

「「ヒイイィィイィ!」」

 ムライア国王と王妃の目の前に雷が落ち、国王王妃共々腰が抜けたようだ。さすがにどんなに鈍くても目の前に雷が落ちれば腰を抜かすわな。

「お、お許し下さい。わ、私はムライア国王レイ・ムライアでございます」

『あぁん、その人間の王が我に何用だ。今は戦争の結果発表の最中であるぞ。そんな神聖な儀式に口を挟むては言語道断だ!』

「実はお願いがありまして…………」

『知らぬ、我は戦の神にして争い事の審判役でもある。貴様がどんな願いを言っても無意味じゃろうて』

 ムライア国王が言い終わる前に一蹴した。ワタル達側から見たら、自業自得じゃねと言いたい。


「し、しかし、神様なら弱い者の願いを聞くものではありませんか!」

『確かにのぅ、それも一理あるやもしれぬ』

「じ、じゃぁ」

『だが断る!』

「えっ!」

『我は戦の神であるぞ。勝利者に褒美を敗者に罰を当たえなければならぬ存在だ。故に断る。貴様の国は負けたのだ。敗者なら敗者らしく受け止めよ。それがお主らが望んだ結果だ』

 戦神セクメトに断れ、ムライア国王はショックを受け顔面は蒼白になり地面に両手をついていた。


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