62ワタルVS雷姫改めララ・決着
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「ハァハァ、しつこいな。いい加減にしろよ」
「ハァハァ、それはこっちのセリフよ」
ララの魔力は、全魔力の内二割程しか残ってない。生命を保つのに必要な魔力は一割だと言われている。ので、後一割も使えない。
一方、ワタルは魔力に関しては魔王フランと引けを取らない程余裕である。
余談だが、魔力が一番あるのは魔王ではない。とある国のトップである。この話はいずれ話す事もあるだろう。
「しょうがない、奥の手を出すか」
「奥の手ですって!そんな事させるものですか」
ララが雷鳴剣タケノミカヅチを構えたのを見るや否やワタルは背中を向け逃げた。
「ま、待ちなさい。この逃げるな」
「待てって待つバカは何処にいるんだ?」
ララと鬼ごっこを勃発した最中、こっそりとワタルは魔力を高め呪文を唱える。
「闇の死神よ、俺の魔力を喰らい全生物の意識を刈り取るがいい━━━闇反魔法"意識を刈り取る死神"」
呪文を唱え終えたワタルの右手にはこの世とは思えない程に黒い野球ボール程の丸い物体があった。
「本当はこんな決着は俺も望んでないが…………余裕がないから仕方ないよな」
「今の呪文は何?」
「そう聞かれて、はいそうですかって言うと思うか。だが、悪いな」
と、ワタルが謝った瞬間、右手の黒い球体がパリンと割れ時間的には一瞬の出来事だ。この世界から色が失い黒と白だけの世界になり数秒後、色は元に戻った。
白黒の世界から色がある世界に戻った時、人間側の兵士のみバッタバッタと倒れていった。
だが、例外はいた。それは………ワタルの目の前にいるララである。
それでも、ギリギリで意識を保っているようで、ある種の執念を感じさてくれる。
「ほぉ、この魔法で意識を保てるとは………まぁ仲間も気絶させないために手加減したからな」
それだけ、戦闘力がずば抜けてるのであろう。
「くっ………ハァハァ、な………なめる………な」
地上なら「歩くどころか立ってる事もやっと」と言ったりするが、空中の場合は………飛ぶどころか浮いてる事もやっとか?
ララは飛ぶどころか浮いてる事もやっとな状態でワタルの事を睨み付けている。ただ、睨むだけで直ぐにでも落下しそうな程、ララの体がガクガク震えている。
「…………なぁ、無理はするな。休んでいいんだぞ?」
「う………るさ………い………こんな………ところ………で…………やられ……て………たま………る………か」
意識が朦朧な状態で話す事も辛そうな感じだ。ワタルの魔法で、もう戦争はオウガの勝利がほぼ確定している。もう楽にしてやろうとララの背後に回り首筋に手刀をトンっとあたえた。
「うっ………まけ………わけ………には………」
「おっと」
ララが意識を手放し落下しようとしたところをワタルはキャッチし、念のために魔封じの縄で手足を縛りオウガ側の陣地の丘へと戻るのであった。