表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女魔王様による娯楽と冒険日記  作者: 鏡石 錬
2章ムライア王国と獣王国の戦争
64/99

58話ワタルVS雷姫・後編

「それにしても………これは絶景……絶景かな」

 ワタルの視線の先には雷姫リリーがおり、もっと細かく言えば雷姫リリーの胸元を見ていた。

 先程の光エネルギーを諸に喰らい黄金に輝いた鎧の上半身部分が消し飛んだらしい。

 そして、雷姫リリーの上半身が露になり下着のみになったが、その下着姿にワタルを驚愕を隠せないでいた。

 ワタルは元の世界で雷姫リリーの下着に見覚えがあり、情熱を思わせる真っ赤なブラジャーで繊細なデザインが施されていた。この世界には絶対に存在しない物であり、作製するには材料と技術が存在しない。

 雷姫リリーの下着を見てから、ワタルの頭にはとある可能性が過っていた。そのとある可能性とは━━━


「えっ!きゃぁぁぁぁぁぁ、ちょっ、ちょっと何見てるのよ」

 自分の姿を見て胸元を両腕で隠す。だが、豊満な胸は隠しきれてない。

「いや、何かすまん」

「謝れても許さない。これでも喰らって死んで下さい」

「あっ、ちょっと待って。聞きたい事があるが良いか?」

「なによ!どうでも良い事だったら殺すから。ふん」

 よし、話は聞いてくれた。だが、下着姿見られて、とても嫌われたようだな。言葉には気をつけないとな。

「姫様、もしかして………白崎夏希じゃないのか?」

 そう、雷姫リリーは髪や瞳の色は違うが俺の従兄妹である白崎夏希に瓜二つなのだ。二年前に行方不明になり今現在も見つかってない。そりゃそうだ、異世界に来ていたのなら発見出来ないのは当たり前である。

「白崎………夏希……そんなヤツ知らない。白崎………夏希なんて知らない」

「そんなハズはない。その身につけているブラは夏希のお気に入りのヤツだ」

 元の世界でワタルは白崎夏希という女性の着替えを偶然に何度も見てしまった。ラッキースケベである。その時に良く着てたのが今雷姫リリーが装着してる下着なのだ。

 そして、その白崎夏希本人からもあの下着はお気に入りというか"勝負下着"とワタルに話していた。

 この時のワタルは鈍感なせいか好意に全然気付きもしなかったが、印象強かったお陰で今現在目の前の雷姫リリーが白崎夏希という人物だと気づかせた。

 全てはあの情熱のような真っ赤なブラジャーのお陰だ。ブラジャー様ありがとう。大切な人を思い出す事が出来ました。と、雷姫リリーのブラジャーにワタルは祈りを捧げた。


「な、何をやってるの。やっぱりふざけてなのね。もう許さないわ」

「えっ!いや、違うぞ。そのブラジャーのお陰で忘れいた事を思い出したんだ。それで祈りを捧げていた」

「はぁー!意味分かんない。ブラジャーってこの下着のこと?アユム兄ってエロいのね」

「えっ!今、なんて」

「私、今なんて言ったの。歩夢兄って知らない。白崎夏希って知らない。知らないって言ったら知らないの」

 雷姫リリーは髪を掻き毟り、何本か綺麗な金髪が抜けてた。ワタルは「折角の綺麗な髪なのにもったいない」と本音が漏れた。

 その後、抜けた自分の髪を見て「うっはははは」と何かが吹っ切れたかのように高笑いをした途端、ワタルの目の前から消え背後斬りかかってきた。


「うわっ!危ねぇ。いきなり何するんだ。死ぬところだったではないか」

「うっふふふふ、許さないゆるさない赦さない………ブツブツブツ」

「…………」

 頭のどこかが壊れたのか独り言ばかり言ってる。まるで、狂戦士バーサーカーと化し自我を失ってるように見える。

「グガガガガァァァァァ」

「くっ、なんて咆哮なんだ!鼓膜が割れる」

 咆哮を放たれただけで、こちらにもビリビリと体全体が振動し痺れて隙を作ってしまった。それに加え頭も揺れ脳震盪状態になり、上手く体が動かせず目眩して相手の姿が捕らえずらい。

「グガガガガァァァァァ」

「うおっ!何とか回避出来たが、これじゃまともに戦う事すらも出来ないぞ」

 暴走した雷姫リリーはワタルに突進して来るが、自我ないせいで攻撃が単調になっている。そのお陰で避けられた。


『マスター、私がサポートするので逃げましょう』

「あぁ、頼む」

 桜花ロウカのサポートにより、闇反ダークアンチ魔法の空間移動テレポートで離れる事にし獣人王国オウガの陣地である丘の上まで避難した。

「うん?あれはワタル殿ではないか?」

「わ、ワタル勝ったのかや?」

「いや、まだ勝負はついてない」

「ニャハハハハ、ワタルだらしないにゃ。私は勝ったのににゃ」

 なにっ!あの面倒くさがりな黒猫が勝っただと!

「にゃんか、失礼な事を思わせれた気がしにゃが………」

「気のせいだ。それよりも、体が痺れて回復を頼む」

 フランがワタルの背中側に回り両手を当て、光魔法の回復呪文を唱えた。そうすると、ワタルの体が光り見る見るうちに痺れが取れ全快になった。


「それじゃ、行って来る」

「無理はしないでの」

 ビュゥゥン、と高速で飛び雷姫リリーを捜索中、キラーンと下方から雷を帯びた何かがこちらに向かって飛んで来る。明らかに雷姫リリーの攻撃だろう。

 紙一重で回避するが旋回して追って来る。良く見たら雷姫リリーの剣だ。確か、雷鳴剣タケノミカヅチだったか?その剣が自ら意思を持ってるかのようにワタルを襲って来る。

 ただし、剣は剣だ。そのまま突進してくるか回転して丸ノコみたいに斬りかかってくるかのどちらかで動きは単調で読み安い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ