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女魔王様による娯楽と冒険日記  作者: 鏡石 錬
2章ムライア王国と獣王国の戦争
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46話武神登場

 ━━━ムライア王国side━━━


 少し時間は遡り、ワタルがミサイルを発射した時。


「何だ、あれは?」

「みんな下がれー」

 空一面はミサイルで隙間なく、まるで星が降ってくるみたいだ。

「クククククフッハハハハ、やっと面白くなってきたではないか」

 雷姫リリーの隣にリリーの姉であるムライア王長女:武神シャルロット・ムライアがいた。

 武神シャルロットを簡単に説明すると、己の拳だけを武器とし、それだけでSランク冒険者ハンターまで上り詰めた女━━いや、バケモノかもしれない。

 武器は先程言ったように、拳なので実質無い。防具はガントレット、ビキニアーマと足には踊り子が履くような履き物を履いている。

 もし、ワタルがこんな装備を見たら発狂するかもしれない。この世界にもビキニアーマがあったのかと……


「シャルロット姉様、いつの間に戻って来たのですか!」

「うん?父上に泣きつかれてな。オレは別に、この国がどうなろうと興味ないのだがな。だが、しかしなかなか面白くなってきたではないか。フッフッフハハハハ」

 そう、武神シャルロットは政や戦争には全く興味がなく。自分自身を強くする事のみ興味がある。所謂、戦闘馬鹿なのでだ。強者が居る所には武神あり、と他国からにも言われる程である。

「何か分からんが、あれを止めれば良いんだろ?」

「えぇ、ですがこの数を止めるには━━━」

「先に行くぞ。フッハハハハ」

「シャルロット姉様、まだ話は終わってないですよ。全く、シャルロット姉様ったら」

 話を聞かない武神シャルロットには怒ってるが、戦闘に関しては、これ程頼もしい人は他に思い付かない。故に、この戦争は負ける気がしない。


「リリー姉様、ここにいらしたんですね」

「ルーですか。私達も行きますよ」

「見間違いだったのかな。今ここにシャルロット姉様が居た様な気がしましたが……」

「えぇ、居ましたよ。今、突っ込んで行きましたよ」

「あはははは、シャルロット姉様は猪突猛進なのは変わらないな」

「そんな事を言ったら怒られますよ」

「はーい、気を付けます」

 この顔は反省してませんね。姉も姉ですが、妹も妹でしょうがないですね。「ハァー」とリリーはため息を吐く。


 先に駆け出した武神シャルロットは、魔法も使わずに空を駆けていた。別に比喩ではなく、空を駆けてるのでる。自前の身体能力だけで大気を蹴り浮いてるのだ。

 そして、己の拳に唯一使える魔法・強化魔法で強化してミサイルを打撃だけで破壊する。故に、表の二ツ名は武神だが、裏の悪名は破壊神なのだ。


「ウオォォリャアァ」

 ビキビキキキドカーン

「フッハハハハ、脆い……脆いぞ」

「まったく、我が姉ながら出鱈目な戦い方をしますね」

「そっちが遅いのだ。うん?おっ、そこにおるのは末の妹のルーでないか。大きくなったか?」

 ポンポンと風姫ルーの頭を子供の様に軽く叩いてるが、当のルーは嬉しいは嬉しいが痛がってる。

「止めてくださいの。もう、私は子供じゃなく、立派なレディーですのよ」

「がっハハハハ、自分で言ってる内は、まだ子供だぞ」

「むぅ、私は子供じゃないもん」

「ガッハハハ、ほれ次が来るぞ」

 ミサイルが風姫ルーに向かってくる。だが、自分の武器である槍━━風切槍ウィンドゥジャベリンスサノオを構えくうを切った。直接切ったのではなく、空を切ったのだ。そうすると、鋭い刃物で切られた様な切口でスパッとミサイルは切れたのだ。

 居合い抜きの達人が銃弾を切る様な感じだ(実際は、漫画やアニメの話で達人でも無理みたいだが)。

「……切風ウィンドゥカッターついでに、切風乱舞カマイタチ

 風切槍スサノオを頭上でクルクルと廻す。キイィィィンと耳障りな音がしたと思った直後、周りの数十機のミサイルが同時に切れたのだ。


 スパスパスパーンと面白いくらいに良く切れる。例えるなら、豆腐やバターの様に切れる。やってる本人しか感覚が理解出来ないが、だんだんと楽しくなってくるのだ。これだけで、およそ三割程のミサイルが殺られた事になる。

「フッフゥン、どう私もやるでしょ」

「だが、自慢する内は、まだ子供だな。ガッハハハ」

「ブゥ、素直に褒めても良いじゃないのよ」

 相変わらずに子供扱いされ頬を膨らます。それを見ると、頬を突つっきたくなる衝動に駆られたのだろう。

 武神と呼ばれていても、中身も女なのだ。可愛い物(者)に目がないらしい。

「…………」

 ツンツクツンツン

「ちょっと、シャルロット姉様止めてください」

「はっ、いや悪いな」

「二人共、何遊んでるんですか。まだ、来るのですよ」

 他の兵士と協力してミサイルを破壊していた雷姫リリーに注意された。これで、残りのミサイルは五割を切った。

「行ってくるか。雷姫から雷が落ちてしまったようだしな」

「……それは、どう言うことですか?シャルロット姉様」

「おっ、怖い怖い。それじゃ、行ってくる」

「ま、待ちなさい」

 逃げる武神シャルロットに雷姫リリーが実際に雷を落とすが、それを華麗に避けつつミサイルを破壊している。

 これで、ミサイルは二割を切ったとこだ。それでも、こちらの被害は甚大で九万いた兵力が一万まで減っていた。

 この三姉妹を見ていると、まるでミサイルを壊す事が子供の遊びに思えてくる。そう思えてくるのは、俺だけかと獣王国オウガ陣営にいるワタルは望遠鏡を覗きながら思っていた。

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