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女魔王様による娯楽と冒険日記  作者: 鏡石 錬
2章ムライア王国と獣王国の戦争
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45話地獄絵図

 ━━━獣王国オウガside━━━


「本当に怖かったんですから。ぐすっ」

「ごめんな。今度、何か埋め合わせするから」

 桜花ロウカが珍しく泣きじゃくり、女の涙に弱いワタルは約束をしてしまう。将来は高確率で女の尻に敷かれるだろう。

「ぐすん、約束ですよ」

 桜花ロウカが泣き止むまでワタルは胸を貸してやった。


「むむっ、ワタルよ。相手に動きがあるのじゃ」

「ん?何だ」

「巨大魔法砲を発射する気じゃ」

「もちろん、防げるのだろう?」

「当たり前なのじゃ。妾を誰と心得る、世界最強にて最凶の魔王であるぞ。ついでに、魔法砲も壊すのじゃ」

 えっへん、と胸を張るフラン。胸を張った際にポヨヨンと胸━━おっぱいが上下に揺れた。それを誰にも見られない様にと自然にフランの盾とワタルはなった。

 だって、自分の嫁のエロい━━ゲフンゲフン、可愛い姿は独占したいからな。

「もうそろそろ来るぞ」

 丘の上にいてもキラーンと光って見える。

「さて、妾も魔法を展開するかの」

 何語か分からないが呪文を唱えてる間、相手側の光がますます大きくなってきている。


「完成じゃ。闇魔法"反り返し闇の布(ブラックカーテン)

 獣王国の陣地上空に、相手の巨大魔法砲を向かい合う形で巨大な闘牛で使用する赤い布の黒verみたいな物が出現した。

「こんな弱そうなので本当に大丈夫なのか?」

「テン坊よ、安心するがよい。これはただ防ぐだけではないぞ。相手の魔法砲も壊せて一石二鳥の魔法なのじゃよ」

 まぁ、見た目はただの大きな黒い布だしな。兵士達が「本当に大丈夫なのか?逃げた方が良いじゃないか?」とざわざわ騒いでる。騒ぐなと言うのは無理だ。こんな魔法で防ぎきれるとは到底思えないしな。俺だって、フランが魔王でなければ、ここから即座に逃げてるよ。


「そろそろ発射されるのじゃ」

 敵側の魔法砲の光が膨張され、弾かれる様にヴォオオォォーーンと離れていても耳を劈く音が鳴り響き鼓膜が破れそうだ。

 発射されてから数秒後、獣王国オウガ陣地に到達すると思いきやフランの魔法"反り返し闇の布(ブラックカーテン)の数㍍手前で一瞬停止し、跳ね返るというよりは自ら発射された所へ戻って行った。

 そして、ここに居てもドッゴォォォンと凄い音が鳴り響き、巨大魔法砲は壊れモクモクと煙が立ち上っている。

「ねぇ、言った通りだったでしょ?」

「ん?何かいつもと口調が?」

「テン坊よ、気のせいじゃ」

「いや、しかし━━━」

 グチャっ

「……気のせいじゃ」

「はひぃ、気のせいであります」

 近くに有った食料のリンゴを片手で握り潰し、獣王テンガを脅迫した。当のテンガは怯え捲ってる。


「さて、次はこちらの番かな」

 ワタルの右手にボンっとマジシャンみたいに、いつの間にかスケッチブックが握られていた。

「それは何なのじゃ?ワタル殿」

「それは後で分かるよ」

 スケッチブックを両手で抱え込む様に空(正しくは向かって来る敵兵士)へと向かって開いた。

「娯楽魔法・芸術系アート"現なる絵画虚像(リアル・スケッチ)解放リリース

 ワタルが準備した魔法の封印を解くと、この世界ではあり得ない兵器が次から次へとスケッチブックから飛びだして行く。


 ドドォォンドォォンドドドォォオオォンドドオォオオオォンドドドドドォォオオオンヒュゥゥゥドォォオオンヒュゥゥゥンドドドドォォオォオォンヒュゥゥウウンドドドォォオオンヒュゥゥウウンドドドォォオォオンヒュゥゥウウンドドドォォオォオオオオン

 ドドォォンドォォンドドドォォオオォンドドオォオオオォンドドドドドォォオオオンヒュゥゥゥドォォオオンヒュゥゥゥンドドドドォォオォオォンヒュゥゥウウンドドドォォオオンヒュゥゥウウンドドドォォオォオンヒュゥゥウウンドドドォォオォオオオオン



 スケッチブックから出てるのは、様々なミサイル(ただし、核ミサイルは除く)である。

 ワタルはミサイルが飛び出す反動を抑え込むのに、精一杯で少しでも力を抜いたら吹き飛ばされようとした時にワタルの背中を支える手があった。

 最初はワタルの桁違いの魔法に、ここにいる全員が呆気に取られ開いた口が塞がらない状態だったが、初めにフランがワタルの背中を支え、続いてテンガが支えると波紋が広がる様に、全員でワタルの背中を支えたのだ。

 スケッチブックからミサイルを出し尽くすと、ボンっとスケッチブックは消え、全員で地面の上に寝転んだ。


「ハァハァ、めっちゃ疲れた」

「「それは、こっちのセリフだ」」

 だが、それだけ疲労しただけの成果はあった。丘の上から見上げると、平原は阿鼻叫喚地獄絵図と化していた。

「ワタル殿は何ちゅー魔法を使うねん」

 何で関西弁?

「これで決着は着いたかの?」

「それは、まだあり得ないと思うが」

「それは何でだ?ここまでやれば━━」

「神の啓示が来るはずじゃ」

 啓示って夢の中で『こうしなさい』みたいな感じで神様が伝えてくる、あれか?うーん、分からん。


「ふむ、どうやら強者と運が良かった者は生き残ったようじゃの」

 フランが遠視魔法で敵側陣地を覗き込むと、そう言った。

「誰が生き残った?」

「あの三姉妹は生き残っておるの」

 武神、雷姫に風姫か。さすが、三人の内二人はSランクだ。そうでなくては面白くないな。

 

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