37話五人プレイ
騒がしかった夕飯後、ガチャガチャとワタルが片付けをしている時。
「マスター、ここは私がしておきますのでお風呂でもお入りになってください」
「そうか、任せて大丈夫か?」
「はい、お任せ下さい。私はマスターのためにここに居ますから」
「そうか、じゃあ頼んだ」
「ゆっくりと休んでください」
桜花にそう言われキッチンから出て行ったワタルを見送り、ワタルの姿が見えなくなったのを確認後、フラン達四人が桜花の下へ集まった。
「ワタルは行ったな」
「はい♪マスターは大浴場へと向かわれたのを確認致しました」
「よくぞ、でかした。して、例の物は?」
「はい♪すでに投入済でございましす。しかし、効果が出るまで少々時間が掛かるかと」
「にゃははは、良く手に入ったにゃ。どんな手を使ったのにゃ。フランよ」
「なーに、妾は仮にも魔王じゃぞ。こんな物苦労せずに手に入るわ」
「実はね、魔王城御用達の商人に頼み込んで譲って貰ったのよ」
「なっ!何で知ってるのじゃ!ルリよ、暴露するではないわ」
「にゃははは、ワタシが話したにゃ」
真犯人は黒猫だった。
「黒猫だけ大浴場に突入するのじゃ」
「にゃ!フラン様、それだけはしれだけはご勘弁を」
勢いよくフランの前で土下座し、許しを乞う。
「本当に反省してるか」
「してるにゃ、この通り」
「ふむ、しょうがないの。では、突撃するかの」
「「「おぉー」」」
フラン達は着替えとタオルを持って向かった。
少し時間は遡り、ワタルが脱衣場で服を脱ぎタオルを下半身に巻き、モクモクと湯気が立ち上る大浴場に入っていった。
「よし、あいつらが入って来ないように鍵を掛けてと」
ガチャンと鍵を閉めたのを確認し、湯船に浸かる前に体を洗ってしまう。もし、入って来られても大丈夫のように。
ワタルがバスチェアーに座りボディタオルを持った瞬間、気配を感じ振り返ると脱衣場に影がうっすらと見えた。
スルスルと肌と服が擦れる音が聞こえる。普通、男であれば憧れるシチュエーションの一つではないだろうか。ワタルだって男である。やってしまいたいが、やはりワタルは聖域でやりたいのである。まぁ、一言で言えばワタルの趣味趣向だ。
お風呂は一人でゆっくりと日頃の疲れを取りたいものだ。
「あ、あいつら懲りないな。くっ、これでは洗う時間ないではないか。仕方ない湯船に浸かるか」
フラン達が入ってくるまでの間に湯船に浸かった瞬間に言葉では表現出来ない変な気分になった。
「何かムラムラしてきたような…………」
そう思った矢先に大浴場の扉がバーンと開き、フラン達がゾロゾロと入ってくる。前回とは違くて一応、バスタオルは巻いてはいるが、皆が皆プロポーション良すぎて逆にエロいかもしれない。
「おい、鍵掛けてたぞ。どうやって開けた?」
「にゃははは、ワタシだにゃ」
やっぱり黒猫か!よし、後でお仕置きと言う名の快楽を与えようか。
「うーん、まだ効果出てないのかな?」
「何の事だ?」
「いや、こっちの話………あっはははは」
ワタルに聞かれ笑って誤魔化すフラン。
「それよりも、何かこう感じたりしないか?ワタル」
「うん?そういえば……何かさっきからムラムラするような、ムズムズするような感じはするな。なぁ、やっぱり何かやったのか?怒らないから言ってみ」
「……ほんとに怒らないかや」
「あぁ、怒らない怒らない」
「言質は取ったぞ」
「「えっ!言っちゃうの」」
「しょうがないじゃろ。というか言わないと後の方が怖いのじゃ」
『分かってるじゃないか』とワタルが笑ってない笑顔でニッコリと微笑む。
そして、フランが本当の事を語りだす。
「本当の事を言うと、ズバリこの湯船に特殊な媚薬が入ってるのじゃ」
なに!媚薬だと!媚薬ってあれだよな。性的興奮とか恋愛感情を高める薬だよな。さすがはファンタジーの世界だ。そんな物まであるとは驚きだ。
ワタルは知らないが、ワタルがいた地球でも媚薬はあるにはあるらしい。例えば、身近な物ではニンニクや鼈等が代表的な媚薬とされる食品である。まぁ、精がつく食品と言うことだ。
「き、気づかなかった。しかし、何時入れたんだ?ずっと一緒に居ただろう」
「あぁ、それはね。桜花にお願いして入れて貰ったの。ワタルのためだと言ったらすんなりと承諾したよ」
桜花を利用するとか本来なら怒るとこだが、今は媚薬の効能のせいか怒りよりも性欲というかムラムラしてしょうがない。
ムラムラ以外にも、これも媚薬の効能なのか俺の嫁達がいつもよりもキラキラと輝いて見える。
あぁ、何だこれは……何で今まで気づかなかったのだろう。こんなに美しく愛らしい存在が近くに居たなんて。
媚薬を使用される前からフラン達を愛していたが適当な扱いをした時もあった。媚薬の効果が出てからは、常に一緒に居たくて、愛でてやってしまいたくなる。
「ハァハァ」
「ワタル………もしや媚薬の効果が出てきたのか?」
「分からん…………分からんがフラン、セツナ、黒猫、ルリが普段より愛らしく見えて………今すく犯したい」
ワタルはフランからルリの順番で見ていく。
「ほぉー、正に媚薬の効果が顕れてるの。だが、何故ワタルは座ったままなのじゃ」
「あぁ、それ私も気になる」
「あっ、いやこれは何でもない」
図星をつかれた様にワタルは背を向ける。
「ほぉー、そうなのか。セツナ隊員、黒猫隊員はワタルを羽交い締めにしてこちらに連れてくるのだ」
「アイアイサー」「アイアイニャー」
セツナと黒猫はフランの命令にどっかの軍人みたいに敬礼をやり、ワタルを羽交い締めにしフランの前まで連れて来た。
セツナと黒猫は力が強く普段なら力負けはしないだろうが、ここは風呂場で桜花がいない状況だとワタルは普通の人間とそんなに変わらない。
「えっ、ちょっ何をするんだ!」
「立たせろ」
「「はーい(ニャー)」」
セツナと黒猫はワタルを立たせた。そこには下半身にタオルを巻いたワタルの姿があった。
「は、離せ」
抵抗するワタルだが、今の状況でセツナと黒猫の力に勝てるはずもなく暴れるほど状況が悪化していく。暴れる程、腰のタオルが下にずり落ちていく。
「クンクン、にゃんかワタルの体匂うにゃ。まだ、洗ってないにゃ」
「えっ(ギクッ)!いや、洗ったよ」
「ワタシの鼻は誤魔化せないにゃ」
「本当か、黒猫よ。それでは連行じゃ」
「「イエッサー」」
ワタルを湯船から引き上げ、洗い場に連れて行こうとする。
「おっと、その前に」
「………何をする気だ。フラン」
「媚薬の効果が気になっての。それを目で見える結果で確かめようとの」
フランはワタルの唯一の防波堤である腰のタオルをハラリと取り除いた。
「イヤー」
「何を恥ずかしがる必要があるのじゃ。ベッドの上ではあんなに激しくしてくれるのじゃから」
「ベッドは聖域だ。お風呂では大人しくゆっくりと入っていたいものなんだ」
「………こ、これが殿方の………始めて見ましたのじゃ」
「………ルリ、お前は吸血鬼の他に女婬魔であるのに」
「だ、だって我は吸血鬼と女婬魔のハーフで、今までワタル程の男が現れなかったんですもの」
「これがワタルの………大きすぎるにゃ。さすがに入りきらないにゃ」
「おい、そんなにジート見ないで━━━」
「やる前に洗わないと、もちろんソコもキレイにするのじゃ」
この後、ワタルの悲鳴が響き合ったという。大浴場から出た後も聖域の上でも皆でやったのは別の話で風呂よりもワタルは生き生きしていたそうだ。




