26話桜花の○○○な暴走
ワタルは人気がない場所に来ると、刀状態の桜花を構えた。
「闇反魔法"闇纏"」
闇のオーラを纏い実験を行うことにした。最初に武器全般に闇のオーラを纏わせるかどうかを確かめる。タナトスの戦闘時は小太刀━━━夜桜モード時しか闇纏を使用してなかったからである。他の武器に付与出来れば、戦闘の幅がググーンと上がるではないかと考えての実験である。
「桜花どうだ?違和感は無いか?」
『はい、大丈夫ですけど....言葉では説明しづらいのですが、なんか気持ちが高揚するようなそんな感じです』
それなら大丈夫か?何か異常が発生したなら随時報告する様にと命令し数分間、故郷の道場でしてた型を一通りこなした。
「ふぅ、こんなもんか。どうだ、異常はないか」
『はい、大丈夫です』
「そうか。なら━━━━」
闇のオーラで桜花の刀身の長さを伸ばし切れ味を試した。
「おぉ、想像以上の切れ味だ。これは使える」
『さすが、マスターです。はふぅー』
「ん、桜花大丈夫か?」
『マスター大丈夫です。続きをやりましょう』
僅かな桜花の変化に気付いていれば、あんな事にはならずにすんだかもと後悔する事になる。
「次は"寒桜モード"だ。行くぞ」
『え、ちょっお待ち━━━』
既に桜花の声は遅し、寒桜モードを実行した後だった。
『ん、あぁっ』
「大丈夫か?」
やはり、寒桜モードはまだ早かったか?
『いえ、すみません。声が漏れてしまいました。私は大丈夫ですので、続けてください』
「そ、そうか。桜花がそう言うなら続けるが....」
少し....いや、かなり不安が残るが実験を続ける。
ここから闇纏でガントレットとソルレットにオーラを集中する。ガントレット部分のオーラは手の形になり、四倍程大きい腕を動かしてるみたいだ。
オーラの腕は伸ばす事が出来、遠く離れた箇所の物を掴め引き寄せる事が出来る事が判明した。
『うんっ、あぁっ..もう、イク』
「え、ちょっ!桜花待っ━━━」
目が開けられない程の輝き、光が収まり目を開けると人化しと桜花がワタルを押し倒していた。しかも、一糸纏わぬ姿で....
「桜花退いてくれないか。それに何か着てくれ」
「うふふふふっ、マスターそんな事言って本当は見たくて堪らないんでしょ。触りたくて犯したいんでしょ。我慢しなくて良いですよ。フラン様やセツナ様みたいにしてくれまし」
なんか口調も変わってるし、ワタルは変だと思った時点で止めておけばと後悔の念に駆られた。
声を出そうとしたが、口はパクパクと動かせるが声が上手く出せない。桜花の仕業だろうか?
「むふふふふっ、それでは頂きます。ムッチュ~レロレロ」
ワタルは抵抗しようとするが、声と同様に力が出せなくなっており、桜花の思いのままにされていた。
口を無理矢理開けられ舌を挿入され、フランやセツナにもやった事ない程激しく口の中で別の生物が蠢いてる思いになった。
「チュッポン、ペロリ。あぁ~、キスってこんなに気持ち良いものだったんですね。何で今までやらなかったのか不思議でしょうがないですわ。うふふふふっ」
キスでトロンと目が蕩け、視線がワタル下半身に注がれる。
「体は素直なようで可愛いですわね。ワタシの胸を揉んでも構わないわよ。マスターは巨乳好きで堪らないはずわよね」
桜花....いや、ダーク桜花はワタルの右手を持ち自分の胸に押し当てようとした瞬間━━━
「貴様ら、何しゃらしとんじゃー」
ドンっヒューン....ドッガン
「ハァハァ、間に合った━━━間に合ってないか」
「うぐっ、いや、助かったよ。フラン」
フランが桜花をドロップキックをかまして吹っ飛ばしたようだ。桜花はというと後方の岩にぶつかり倒れてる。岩は粉々に破壊され、凄い威力だと分かる。
それでも、一糸纏わぬ姿の桜花は無傷なのが凄い。
「それにしても、桜花は急にどうしたんだ?」
「おそらく、ワタルが闇の魔力を注ぎこみすぎたのよ。それで暴走したと思う」
「なるほど、俺のせいか。桜花には悪いことしたな」
「大丈夫よ。今ので正常に戻ってると思うし、私が指導してあげるから」
「ありがとう。それにしても、何でここにいるんだ?まぁ、助かったけど....」
「それはその....約束を破ったのは悪いと思ったけど、ワタルが心配だったのよ。闇の魔法は属性魔法の中でも一番扱いが難しく危険なのよ。その分、一番汎用性に優れてるけどね」
なるほど、無知ほど怖いものは無いと思い知らされる場面だ。
タタタタっと吹っ飛ばされた桜花が戻って来た。
「す、すすすすすすみません。マスターに....あ、あああああんな事を━━━」
あの桜花が素っ裸で謝ってる姿はシュールだと思うワタルとフランである。
「桜花ば悪くない。力をコントロール出来なかった俺が悪いんだ」
「マ、マスターありがとうございます。これからも、マスターにどこまでもお供致します」
「あぁ、感動的になってる時に悪いんだが....そろそろ服を着たらどうじゃ?それか、刀に戻るとか━━━」
「はわっ、すすすすすすみません。みっともない姿を━━━」
ピロリンと桜花は固有魔法で普段の浴衣に早着替えをした。
「それで、もう大丈夫か?桜花」
「はい、大丈夫です。ですが、私があんな事をやったなんて、今でも信じられません。恥ずかしいです。フラン様、止めて頂きありがとうございます」
「うむ、正気に戻ってなによりじゃ」
「それで、今度はフランの指導で挑戦したいが良いか?」
「私はマスターの指示に従うまでです」
「じゃあー、練習に相応しい場所に移るかの」
フランが呪文を唱えると目映い光に包まれ、目を開けると別の場所であった。




