SSクリスマスパーティー1年目
クリスマスなので、本編を離れてクリスマスの話です。
時間軸は二章の終了間際となると思います。
まだ、出て来てないキャラが出て来るので楽しみに
「「「「「メリークリスマス!!」」」」」
白ワインが注がれたグラスを空中に挙げワタルが音頭をとり乾杯をした。
「ゴクゴクプハァー、久しぶりに飲む酒は美味しいの。セツナよ」
「あはははっ、そうですね。フラン」
豪快に飲むフランとセツナ二人を見てるグリムが心配そうにワタルに聞いた。
「ワタル殿、二人に酒を飲ませて大丈夫てすか?前みたいに....」
「大丈夫だ。ノンアルコール、つまり酒の匂いや味はするがアルコールは入ってないから」
ワタルの返答に「ほっ」と安堵する。フランとセツナは酒癖悪いからな。それで、酷い目にあったので対策は怠らない。
この世界ではないが、ワタルの故郷・地球では今日がクリスマスなのでクリスマスパーティーを開催しているのである。
もちろん、服装も女性陣にはサンタコス着用してもらい、俺とグリムはトナカイコスだ。
「あ、歩夢にぃ似合ってるかな?露出が多くてスースーする感じがあるけど....」
「あぁ、似合ってるよ。それにしても、久しぶりに会ったけど大きくなったな」
頭を撫でながら、久しぶりに会う従姉妹に身長もそうだが別の所も大きくなり大人の女性になったなと感じていた。
最初に闘った時はまさか、夏希とは思わなかったが、よく正気に戻せたと安心している。まぁ、夏希をこんな目に合わせた国はもう存在しない、というか滅んで獣王国オウガの一部になったから安心である。
ワタルも逃亡しなくて良いので晴れて自由の身だ。そうすると、ワタルと言う偽名は必要ないが、夏希以外はワタルが浸透してしまって今さら元に戻すのが面倒だから好きに呼ばせるようにしたのである。
「起きたばかりなんだから、体力つけるためにいっぱい食べろよ」
「うん、食ってくるよ。その前に、歩夢にぃに嫁が四人も....ふっふふふふ....歩夢にぃ、私も嫁に五人目に入れてください」
突然の夏希の発言に吐き出しそうになるが我慢する代わりに咳き込んだ。
「ゴホゴホ、な、夏希聞き間違いではないよね。今、嫁に入れろって」
「うん、言ったよ。私は昔から歩夢にぃの事好きなんだよ。だから、今まで誰とも付き合った事ないし、今でも処女なんだよ」
おい、今爆弾発言しなかったか!それはつまり、俺の事を....
「....」
「ねぇ、何か言ってよ....」
返事を聞く前にフランとセツナが夏希の肩を掴んだ。
「「ちょっと、夏希を借りるね。ワタル」」
「え、ちょっと待って....歩夢にぃ助けて」
バタンと他の部屋に連れていかれた。
「ふふふふっ、大変ねぇ。ワタル....ぷはぁ」
吸血姫ルリがワタルの側に来て他人事の様に肩に寄り掛かる。
「ルリは....良いのか?今まで敵対してた相手を」
「良いも悪いもただあの娘、夏希は洗脳されてただけなんでしょ。悪いのはあの国で、夏希は何も悪くないわよ。
ただ、殺された者も多いから恨みで襲ってきても私達で守ってあげればいいだけでしょ」
グビグビ、プハァーと赤ワインを飲んで、良い言葉だが酒臭くてほぼ台無しである。
「ルリありがとう....でも、酒臭いよ」
「あははは、今日はクリスマスって言うおめでたい日なんでしょ?だから、無礼講よ。料理も酒も旨いし、あぁ、幸せ」
テーブルにはローストビーフ、ローストチキンに何種類かのホールケーキが鎮座している。
「モグモグ、相変わらずワタルの料理は美味しいにゃー。ワタルも食べてるのかにゃ?」
「食べてるよ。ただ、皆と違って人間だからそんなに食べれないだけだよ。それにしても、黒猫はいつも目のやり場に困るな」
黒猫はいつも着物を着崩して見えそうで見えない感じがエロくて困るのである。サンタコスでさらに面積が減り困り過ぎて仕方ない。
「にゃはははっ、そんな事言って~本当は嬉しいくせに、それとも、独占欲で他の男には見せたくないのにゃ?」
ギクッ、目が泳いでしまいバレバレである。
「そんな反応されると....言ってるこっちが恥ずかしいにゃ。でも、嬉しいにゃ」
珍しく頬を紅く染めて抱きついてきた。
「あ、ズルいぞ。私も♪」
ルリは背中から抱きつきサンドイッチ状態になり、どさくさ紛れで変なところを触ってくる。この二人酔っ払ってるのか?いや、今回はアルコールはないはず....
「体は正直にゃ。ちゃんと反応してるにゃ」
「どれどれ....あっははは、本当よの」
どこを触ってるんですか!何処とは言えないが声が出そうになる。グリムに助けを求めようと視線を向けるが「無理」と首を横に振られた。
「お待た....せ....二人とも何をやってるのかな?かな」
「ふふふふっ、妾達がいないと言ってお楽しみでは無かろうの」
圧倒的な威圧感にワタルから離れる黒猫と吸血姫ルリ。
「はぁ~、妾達もやる時はやってるしの。許してやろうぞ。というか威圧したのは冗談じゃ。ほほほほっ、だが、抜け駆けはちとムカついたがの」
フランは魔王だから仕方ないとして、セツナは黒猫と吸血姫ルリより格下のはずなのだが....こういう時は逆らえないでいる。
「ほれ、夏希入ってまいれ。何恥ずかしがってるのじゃ。ほれ」
扉の向こうに隠れてる夏希の腕をフランが引っ張り部屋に入ってきた。どうやら、バスタオルで体全体を隠してるようだ。
「うぅ~、本当に言うの?」
フランとセツナの二人は無言で頷き「さぁ、行け」と背中を押す。
「歩夢にぃ....お兄ちゃん、私をクリスマスプレゼントしてあ・げ・る....食べてくれますか?」
バスタオルを床に落とすと、プレゼントのリボンを体に巻き付けていた。もう、大事な所だけ隠してるだけで、ほとんど裸に近い。
「....うん、いいよ」
思わず了承してしまったけど....フランとセツナに何を吹き込まれた!もう、今さらダメとは言えないし、嫁五人目決定確定だな。そして、クリスマスパーティー終わったらそのまま夜のパーティー突入かな。
「うぅー、恥ずかしかったよ。フランさん最初って....その痛いですか?」
フランの初めてを聞き出そうとするが、聞いてる本人が逆に「キャー」と恥ずかしがってる。
「参考になったかの?まだ夏希は運が良いのじゃ。確か妾の記憶が確かなら黒猫とルリはまだワタルとやってないはずじゃ」
「え、そうなんですか?もう、経験してると思ってました」
「「おい!フラン」」
フランに暴露されて一番下の後輩に先に越されたと隠していたかったのに....
「「ワタルよ。今夜やるぞ」」
「ダメですよ。歩夢にぃとやるのは私ですよ。もしかして、今まで歩夢にぃ以外とやったことないんですか?処女なんですか?」
「「こ、の小娘が!」」
事実を言い当てられて逆ギレで追いカケッコを始めた三人
「はっははははっ、殺りますか?私なら相手になりますよ?」
何時のまにか夏希は雷鳴剣タケノミカヅチを取り出し、髪と瞳の色が黒から金色変わった。
「「受けて立つ!」」
黒猫の周りには火玉が数個出現し、黒猫中心に回りだす。
吸血姫ルリは翼が生え、髪が黒から白に変わった。
ワタルがため息を吐き歩きながら、黒猫・ルリと夏希の間に入った。
「「「ワタル(歩夢にぃ)危ない!」」」
三人の攻撃がワタルに当たろうと思った瞬間、三人が中を舞った。
「「「きゃーーー、ぐへぇ」」」
グルグルと回り床に落ちると三人共数秒間気絶して起き上がった。
「「「痛いよ。ワタル(歩夢にぃ)」」」
数分間気絶するように技をかけたのに数秒で起き上がるとは、相変わらず嫁達はタフだな。
「あぁ~ん、何か文句でもあんのか?あのまま暴れたら、この家崩壊するわ!」
「「「ご、ごめんなさい」」」
滅多に怒らないワタルを見て無意識に謝ってしまった。本能がそう告げたのだ。謝れと....
「はぁ~、もう怒ってないから....あ、そうだ。みんなにクリスマスプレゼント用意してるんだった」
ワタルが宝部屋からプレゼント箱を取り出した。
「まずはフランにはこれ....PG4と怪物ハンターって言うゲームソフト」
「ワタルありがとう。ワタルが見せてくれた動画でやりたかったのじゃ」
豪快に包装紙を破くとテレビへと走っていった。
「セツナには....洋服のカタログなんだけど、気に入った洋服があれば解除と言えば出てくるから」
ワタルの通販から洋服のカタログを取り寄せ、そこに娯楽魔法の一種である本の中にある現実世界を応用することで、本に描かれた物が現実世界で使えるようにしたのだ。
「ほぉー、ワタルの故郷にはいろんな服があるね。迷うな」
普通に服を買うよりこっちの方が安上がりでもあるけどね。
「黒猫には....この漫画全巻セット」
「にゃっほーい、ありがとにゃん。ワタル」
早速、ソファーに座り夢中で読み耽ってる。読むのは良いけど、程々しろよ。
「ルリには....これ俺の故郷で作られてるお酒とツマミのセット」
「さっすが分かってるじゃないの。あぁ、そうそうこれこれ」
もう一升ビンの半分を飲んでいた。え、もうそんなに飲んだの。早っ....
「ねぇ、私には....歩夢にぃ」
「ん、それは....今夜を共にするという事で」
ワタルは夏希をお姫様抱っこして自分の部屋に連れ去り、夏希の初夜を食べる事にしたのであった。夏希の気持ち良さそうな喘ぎ声が響いたのは間違いない。
「グスッ、マスター、私もクリスマス楽しみたいです。マスターどこですか?」
ログハウスの倉庫に桜花はいるのだが、狭くて刀状態から人化が出来ないでいたのである。
ワタルはうっかり倉庫に置いた事を忘れていたのである。