敬愛しています
「まさかドラゴン級だったとは知りませんでしたよ」
「申し訳ありません。お耳に入れるほどの内容ではないと判断しておりました」
「……世界で二人しかいない冒険者のトップが、ですか?」
「人間たちが勝手に定めた階位です。なんの参考にもならないかと」
これが最高ランクのセリフだと知られたら、冒険者を夢見る少年少女たちが悲しみそうだ。
あまり人前では、そういった発言をしないよう注意しておく。
「しかし最高ランクなんて、そう簡単に上がれないものでは?」
「我はおよそ百年ほど前から活動しておりますが、冒険者ギルドの依頼はより強い魔物の情報を得るのに適していました。特に緊急依頼が出されると手強い魔物と戦える機会が多かったので利用していましたが、それだけでランクが上がるのです」
「それだけ……いえ、それだけ?」
さらっと言っているけど、実際はかなりの偉業じゃないか?
百年間も率先して凶悪な魔物を滅ぼし続けていたのだから、最高ランクに到達するのも当然の結果だろう。
ただ寿命的に見ても、明らかに人間ではないとわかりそうだけど、その辺はギルドも承知なのかな?
「我が素性を明かしたことは一度もありません」
とすると、あの畏まったギルド職員たちのことだ。
把握はしていないけど、迂闊に詮索でもして機嫌を損ねたらと思うと、恐ろしくて聞き出せないってところだろう。
ちなみに白姫とは、登録した当時は名前がなかったため好きに呼ばせていたら、いつの間にか付けられていたらしい。
元々は【白龍姫】の称号から取られていそうだな。
「ところで師匠、どちらへ赴かれるので?」
「……そうですね」
賑わう大通りから、人気の少ない路地へと入り、何度目かの角を曲がったところだったが、この先にはなにもない。
というか、特に行き先なんてものはなかった。
ギルドから出たかっただけで、アテもなくただ歩いているだけなのだ。
そう素直に言うのは格好悪い気がして、誤魔化すための話題を模索する。
すでに登録を終えた件に関してヴァイスはなんとも思っていないらしく、むしろ呼んで貰えたことが感激に値するとか言っていた。
これが主であるミリアちゃんに対してならわかるが……。
師匠と呼んではくれているものの、実際のところ俺をどう思っているんだ?
この際だから、その辺を詳しく聞いてみようか。
「ヴァイス、ひとつ質問ですが、私をどう思っていますか?」
「尊敬すべき我が先達、そして主を守護する気高くも慈悲深いお方です」
「なるほど、それで――」
「その身を省みぬ自己犠牲の精神から、前主であるミラ様を護り抜いた戦いは我の記憶に深く刻まれております。かつては我の目指すべき高みを教示して頂き、今は我を見守ってくれているのだと理解し、ご期待にお応えするべく精進する所存であります。怖れながら、我がお護りすべきお方のひとりだと愚考し、ミラ様の似姿たる御身に仇成す不逞の輩を一片足りとも余さず斬り刻み、世の理から根絶し、未来永劫までお仕えする不滅の刃でありたいと――」
「ああ、もういいですよ。よくわかりましたので」
放っておいたら、いつまでも喋り続けそうな勢いだった。
寡黙な印象があったから、こんなに饒舌だとは知らなかったよ。
というより、なんというか……忠誠心がオーバーロードしてない?
好感度もカンスト状態みたいな感じがするんだけど……。
「えー、ヴァイスは私が……好きだったり、とか、するんでしょうか?」
「不遜ながら敬愛しています」
動かない表情のまま、じーっと目を見つめられながら言われた。マジだ。
でも敬愛か……それ以上の執念が込められている気がしたけどね。
相変わらず、どんな態度で接すればいいのやら困るやつだ。
師匠ってほど偉そうにできないし、配下ってワケでもない。俺たちの関係を例えるなら同士、あるいは仲間ってところか。
……もう一歩踏み込んで、親や兄妹のような関係とかどうかな?
同じインテリジェンス・アイテムだし、最初にミラちゃんに装備されていたのが始まりだから、あながち間違いでもないだろう。
俺が兄で、ヴァイスが妹……ふむ。アリだな。
あまり意識したことはないがヴァイスはかなり可愛いし、俗っぽいことを言ってしまうとロリ巨乳である。
俺の幼女センサーには反応しないので残念ながら保護対象外だけど、それでも彼女が妹……それも義理というのは、言葉の響き的にも憧れる部分があった。
と言っても、いきなり妹になれと口走っては、いくらヴァイスでも引かれる可能性がある。これを口にするにはタイミングが重要だろう。
――チリーン、チリーン。
「おぉ?」
不意に頭の中で、ベルの澄んだ音が鳴った。
これはルーゲインが新たに獲得したというスキル【呼び鈴】だ。
遠くで活動していると連絡できないのは不便なので、用事がある時に使い、庭園へ集合しようと決めてある。
これだけで意志疎通できない点は俺の【宣託】の下位互換だな。ふふん。
「ヴァイス、ルーゲインからの連絡です。庭園へ行きましょう」
「師匠を呼び出すなど……傲岸不遜も甚だしいですね」
「い、いえ、そういう風に決めたのは私なので不満はないですよ?」
「了承しました」
ふう、ギルドでもそうだったけど、ちょっと短気すぎる面があるな。
もしも誰かが俺にケンカを売ったら、即座に飛び出して斬り刻みそうだ。
まったく誰に似たのやら。
にたもの、どうしー。
幼女神様がなにか言っているけど、心当たりはありませんな。
広場に設置されている休憩用のベンチに二人並んで座り、意識を飛ばす。
すると視界が歪み、広場の景色が本のページを開くかのように切り替わる。
……毎回、演出が異なるのは誰かの手によるものなのか。
周囲を確認したら、ちゃんと庭園に到着していたので良しとしよう。
この庭園を連絡用に使おうと言い出したのはルーゲインだった。
普段は週に一度だけ開放している場だけど、創り出している者によると個別に設定が可能で、今は俺たちだけ常に出入りできるように頼んだという。
もちろん現実より時間の流れが遅いのは同じで、こちらで数時間ほど過ごして戻っても、まだ一分も経っていないだろう。
肉体になんらかの異常があれば自動で戻るのも変わらないため、さっさと済ませるべく今回は屋外から来ることにした。
傍目には、仲良く居眠りしているようにしか見えないはずだ。
「あれ? そういえば白い空間ではなくて、いきなり庭園にいますね」
「そのようです。師匠に説明しなさい、金」
「構いませんけど、そろそろ名前で呼んでくれませんか?」
緑が生い茂る庭園には、すでにルーゲインが立っていた。
以前とまったく変わらない金髪の美少年で、両手には黄金のガントレットを装着している。というか外せないんだよね。
俺の魔導布もそうだし、ヴァイスも絶えず腰にレイピアを帯剣している。
ちょっと不便だけど、そっちが本体なので仕方ない。インテリジェンス・アイテムが背負う宿命のひとつだ。
「正式に師匠から許しを得られたら、名前で呼ぶ」
「ということなんですが、クロシュさん?」
「……まあ、たしかに復興に従事していますし、ある程度の贖罪はされたと見るべきなのでしょうが、まだ私はあなたの所業を許してはいませんよ」
「はい……そうですね。では、これからも赦しを得られるよう努力しますね」
実際、ルーゲインのことは信用している。
こいつの目的は、今や俺の目的と合致しているし、こちらで用意した案に乗るのなら互いに協力できるのだから、裏切る理由だってない。
だからといってミリアちゃんたちの命を狙った罪は絶対に消えないし、インテリジェンス・アイテムに寿命があるのかは知らないが、生涯を懸けて償わせてやる。
もし逆らうようなら【簒奪】で俺の養分となって貰うつもりだったけど、今のところは従順だからね。
俺だって、なにも好きで命を奪いたいわけじゃない。
「ちなみに出現位置については自由に選べるので、最初からこちらに出るようにして貰っただけですよ」
それも庭園を創り出したやつが設定しているのか。
まだ顔を見たことがないけど、どうも人見知りだとかでルーゲイン以外にはあまり会おうとしないらしい。
別に興味もないので、そっとしておこう。
「さて、さっさと用件に入りましょう。定期報告会はまだ先のはずですが、その前に呼び出した理由はなんですか?」
「ええまあ、立ち話もなんですし、まずは移動しませんか?」
そう促されて、初めて出会った東屋へと場所を移す。
俺たち以外には誰もいないので、どこで話そうと支障はないのだが、気持ちの問題だろう。
どうやら話は長くなりそうだと、そんな予感がした。
「ではクロシュさんにお越しいただいた理由ですが、有り体に言ってしまえば早急に報告しておきたいことと、加えて確認したいことがあったからです」
週に一回、庭園が開放される日に集まって互いの近況を話す報告会を開いているのだが、次の報告会は明日となる。
たった一日も待てなかったのは、それほど火急の用件なのだろう。
そう推測して続きに耳を傾ける。
「順番にお話しましょうか。まずは僕がクロシュさんより指示されていた事後処理と、武王国が放っていた盗賊への対処ですが、こちらは粗方終えました」
「粗方、というのは具体的にどの程度なんです?」
「少なくとも目立って動く者がいなくなりました。クーデルさんとも相談しましたが、これ以上は新しいダンジョンを見つけるくらい困難だそうです」
わかるような、わからないような例えだが、ノブナーガの部下であるクーデルが言うのなら信じられるだろう。
「それに付随してヴァイスさんが担当していた無機生命種側ですが、前回の報告通り賊と手を組んでいたため、こちらも完了しています」
「そうだったのですか?」
「……はい。完全とは言い難いですが、おおむね合っています」
ヴァイスは暴走し始めたインテリジェンス・アイテムの討伐をしていたが、途中からルーゲインが受け持つ賊側と繋がりがあるとわかり、一網打尽にできる。
というのが前回の報告会での話だ。
片方が終われば、もう片方が終わるのも当然といえば当然か。
ただ、次の報告会で自分から言うつもりだったらしいヴァイスは、先にルーゲインから明かされたことで、ちょっとだけ口調に不満が滲み出ていた。
……それを察せる俺も慣れたものだ。
「ではヴァイスに頼んだ仕事は、これで終了ですか。よくやりましたね」
「はい。お褒め頂き光栄の至りです、師匠」
褒めてみると途端に、声が弾んだ気がした。
俺の洞察力は正しかったようだ。
「僕の方も終わりです。今後もエルドハート家に従事しますが、ひとまずは」
とすると、ルーゲインが呼んだ理由とはアレのことか。
「それでクロシュさん、新たな村の建設はどうなっているのでしょう?」
「やっぱり、それでしたか」
現在、ノブナーガに頼んでひとつの村を作って貰っている。
より厳密に言えば、東の森近くに建造された捜索隊の拠点を、そのまま改築したものである。
今のところ住人は回収されたインテリジェンス・アイテムだけだったが、今後は厳選された人間も住めるよう環境が整えられている最中だ。
当初ルーゲインは、装備者がいないことから身動きできない転生者たちを、悪人の手に渡らないよう一か所に集めておき、いずれはパートナーを見つけて共に過ごす……そんな場所が必要だと考えて国を手に入れようとしていた。
しかし、わざわざ国を手に入れなくともなくとも、村を作ってこっそり匿えばいいだろうと俺は提案し、そうして始まったのが共生装者保護計画だ。
表向きはオーガが発見された森の調査と、対話による交流を目的とした人々が暮らす村で、恐ろしいオーガを森内に封じ込めるのならとあっさり承諾された。
事実オーガたちには話を通してあり、魔獣たるワタガシにすら村の存在を認められているのだからウソではない。
オーガを刺激してはならないと近隣の村人や冒険者へも立ち入りも禁止してあるし、事情を知るエルドハート家の騎士が常駐しているため警備もばっちりだ。
「ほぼ準備は整っていますね。あなたが先に集めていた者たちもすでに村の中で暮らしていますが、自力で動けない以外は特に不満は出ていないそうです」
家屋内で安置されているインテリジェンス・アイテムたちへの配慮として、警備の騎士が話し相手に配備され、日に何度かは屋外へ散歩に連れ出している。
ずっと室内で身動きできないのでは、心が病んでしまうからな。
ただ残念と言うべきか幸いと言うべきか、ルーゲインが集めていた者の中に幼女はいなかった。
前にルーゲインから聞いた幼い子供が含まれているとは、どうやら少年のことだったらしく、おまけに他の転生者も男ばかりで、女性は二割ほどである。
いったい、どんな基準で転生しているんだ?
これに幼女神様は関わっていないそうなので、真実は不明だ。
「そうでしたか……ありがとうございますクロシュさん。貴女がいなければ、みんなは絶望に打ちひしがれていたでしょう」
「まだまだ、これからです。もっと多くの助けを待つ転生者がいるでしょうから」
特に幼女や幼女、そして幼女だ。
他はどうでもいいと言えたら楽だけど、さすがにそれはアウトだろうな。
もっとも、そんな境遇に陥っている幼女がいない状況こそが最良なのだが。
「現在こちらの伝手を使って、帝国内の各地で捜索しているところです。もし販売されているようなら購入してでも回収するよう頼んでいます」
これは以前からミリアちゃんに頼んでいたことである。
実際に動いているのはアミスちゃんの父たるジェノだが、ミリアちゃんのワガママをひとつ聞くという約束をしていたので、それを使わせて貰ったのだ。
内容はインテリジェンス・アイテムを集めること。理由は保護としている。
ルーゲインが武王国と手を組んでまで凶行に至った動機を聞かされては、ジェノも断れなかったようで、なかなかのお金が動いているようだ。
ただ、その実態である転生者の救済までは話していない。
もしインテリジェンス・アイテムのほとんどが転生者だと知られたら、俺についても話す必要があるからだ。
……それを打ち明ける勇気は、まだ俺にはなかった。
「それと購入が無理なら、私のほうへ報告が来る手筈です」
「その場合はどうされるのですか?」
「他の方法で回収するだけです」
暗に、非合法な手段をもってして回収すると俺は告げる。
インテリジェンス・アイテムは、金に代えられない物だ。絶対に手放そうとしない者だっているだろう。
その理由が性能だとか利便性なら、俺は容赦しない。
もしも良好な関係性を築けていれば、そのままパートナーとなって貰うけどね。
「そういう報告はありませんし、いくつか回収できたそうなので、今のところは順調と言っていいですね。回収された場所が遠方なので時間はかかりますが、すべて村へと運ばれる予定です」
「だとすると、そろそろ次の課題ですか……」
「単に棚上げしていただけですけどね」
ある意味、インテリジェンス・アイテムの回収よりも難しい問題があった。
それは装備者の確保だ。
村へ移住させ、悪用せず、正しくパートナーとして信頼できる人間なんて、そう簡単に見つからないだろう。
それも数人ではなく、数十人となれば絶望的な数だ。
「正直に言いますが、私のほうではまったく案が出ていません」
先手を打って堂々と宣言してから、ちらりとヴァイスへ視線を送る。
俺から言っておかないと言い出し辛いだろうなと思ったのだが、予想した通りのようで、ヴァイスは悲しげに口を開いた。
「申し訳ありません。前回、師匠から考えておくよう言われましたが、我には解決の糸口すら思い浮かびませんでした」
「謝る必要はありませんよヴァイス。その時にも言いましたが、こういうのは誰かひとりに責任を押し付けるものではありませんからね」
ダメで元々だった、というのもあるけど。
残るはルーゲインだったが、こちらもあまり期待は……。
「実は、提案があります」
「……いきなり、なんです?」
まさか良い方法でも思い付いたのだろうか。
そう期待して先を促す。
「僕にはパートナーとなる者を効率よく探す方法はわかりませんが、その方法を呼び掛ける手段ならあります」
「ずいぶんと遠回しな言い方ですね。つまり、なんですか?」
「他の管理者たちに協力を要請したいのです」
管理者とはルーゲインやヴァイス、あとクレハのような七人のことだったか。
当初から抑止力として勧誘されるほど力を持っており、その中には庭園を創り出した者も含まれているはずだ。
「それぞれ好き勝手に動いていて、協力してくれなかったのでは?」
「あれから状況が変わりました。戦争を起こすのには抵抗する者もいましたが、今回のような提案であれば、乗ってくれるかも知れません」
たしかに、完全に慈善事業みたいなものだからな。
「ですから、もしクロシュさんから許可を頂ければ、明日の集会に訪れるよう呼び掛けようと思いまして」
「なぜ私の許可を?」
「貴女が僕たちのリーダーだからですよ。違いましたか?」
「金の言葉は正しい。師匠こそがリーダー」
「ちょっと静かにしていなさいヴァイス」
「はい」
いつの間に俺が……と声に出しかけたが、このメンバーじゃそうなるか。
ルーゲインは俺に負けて協力している犯罪者の立場だし、ヴァイスは今のように俺を立てて自分は控えようとするからな。
まるでクラスの問題児をまとめる委員長に推薦された気分だ。
うぐぐ……他に誰か、委員長をやってくれる人はいないのか?
「いいでしょう。その人たちを呼んで協力してくれるか話してみましょう」
そして、あわよくば委員長の座を押し付けよう。
「わかりました。明日の集会ではまた出現位置を変えておきますね。この庭園では話をするのに人目が多いので」
「別の場所があるのですか?」
「ちょっとした隠し部屋と言いますか、僕たち専用の場があります」
抑止力として名を貸す代わりに色々と優遇して貰えるという話があったから、これもそのひとつなのだろう。
だから庭園には、めったに顔を出さないのか。
「おや? でもヴァイスは普通にいましたよね?」
「我は師匠の情報を得るべく、常にこちらで過ごしていました」
そういえば、それが目的だったな。
まあ最初は思いっきりすれ違ったというか、ギリギリのところで再会できなかったワケだけど。結果的に良しとしよう。
「ああ、そうです。庭園の管理に関しては引き続きルーゲインに任せようと思うのですが構いませんか?」
「いいのですか?」
「私には他にも用がありますし、手が回りません。これまで通りで頼みます」
「わかりました」
よし!
これで委員長の仕事はまとめ役から、大まかに指示を出すだけになったぞ。
なんとなく誰も引き受けてくれなさそうだから、今のうちに荷を軽くしておかないとな。
「ひとまず、こんなところでしょうか。ヴァイスはこれからどうしますか? 頼みたい仕事ができるまで自由に動いてもいいですよ」
「では、師匠の下へ行ってもよろしいですか?」
「屋敷へ滞在するのであればミリアの許可が必要ですが、問題ないでしょう」
そう教えるとヴァイスは嬉しそうに礼を言った。
思えば、ずっとひとりで討伐を任せてしまっていたな。しばらくは屋敷でのんびり過ごさせてやろう。
「僕は村に行っています。あそこが一番、動きやすそうですので」
転移の魔法陣については教えてあるし、いざとなれば転移で駆けつけられるという意味だろう。
あの騎士が駐在する村を襲うバカはいないだろうけど、ルーゲインほどの強者がいれば警備の面から見ても安心なので俺に不満はなかった。
「それでは、また明日お会いしましょう」
そう言い残してルーゲインの姿はすぅっと透明になって消えた。
他に誰もいない庭園に留まる理由もなく、俺とヴァイスも速やかに現実へと帰還して、ミリアちゃんの屋敷へと戻る。
そしてヴァイスを改めて紹介すると、ちょうど訪れていたアミスちゃんに見つかって、大人しい彼女にしては珍しくはしゃぐ姿が見られたのだった。
今回、出せなかったので書いてしまいますと
ヴァイスはクロシュ(とミラ)の事を親のように感じています。
つまり親から褒められたい子供のような状態です。




