■二章キャラクター紹介&用語集みたいな
二章に登場したキャラクター紹介と用語集です。
用意したものの出せなかった設定も載せてあります。
本編では描写し切れず、イメージと違ったらすみません。
また、ステータスは二章終了時点になります。(一部割愛)
【クロシュ】
レベル:100
クラス:魔導布
ランク:☆☆☆☆☆(ミスリル)
○能力値
HP:2500/2500
MP:3700/3700
○上昇値
HP:C
MP:A
攻撃力:D
防御力:D
魔法力:B
魔防力:B
思考力:F
加速力:D
運命力:D
○属性
【無】
○スキル
Sランク
【簒奪】【虚無】
Aランク
【進化】【ステータス閲覧】【支配】【呪縛】【融合】【人化】【武装化】
【念話・上位】【宣託】【近距離転移】
【魔眼・鑑透暗予】【看破】【解析】【隠蔽】【知識の書庫】【黒翼】
Bランク
【HP譲渡】【MP譲渡】【消費MP半減】【魔力操作】
【防護結界・被膜・大盾・円形・個別・仲間・城壁】【魔力障壁盾】
【飛翔】【空中機動】【全属性付与】【全属性耐性】【属性空間】【空間指定】
【修雷】【浄火】【癒水】【オートリカバー】【健康】【快適空間】
Cランク
【採寸】【変形】【色彩】【察知】【警報】【緊急】【援護攻撃】
【異常耐性・痺毒呪狂】【異常付加・痺】【魔力放出】【迷彩】【変装】
【温度調節】【空腹軽減】【睡魔軽減】【収納】【格納】
○称号
【成長する防具】【インテリジェンス・アイテム】【説明不要】
【技巧者】【思索者】【炎獄の征伐者】【魔導布】【受け継がれし伝説】
【最古にして最強】【強欲の片鱗】【英雄殺し】【聖女】
○簒奪スキル
【召喚術・上級】【悪魔の契約】【隷属の魔眼】【永続支配】【傀儡】
【宣託】【精神操作】【精神防壁】【隠密】【極光】【毒薬生成】
【水魔法・初級】
○概要
死の間際に幼女と合体したいなどと願ったはずが、幼女神様の粋な計らいによって異世界に防具のインテリジェンス・アイテムとして転生したクズのロリコン。
結果として【合体】は実現しているが、意味が違う。
しかし幼女を護ることが使命だとポジティブに捉えており、幼女神様に感謝と敬意を抱くと共に崇拝している狂信者。
かつての装備者ミラや、その仲間たちとの冒険は考え方に多大な影響を与えており、劣情を催すことはあっても庇護欲が勝っていた。
現在の装備者ミリアに対しても、当初はミラの子孫である幼女だからと護ることを決めていたが、人化した折に自覚のないまま精神に変化が生じており、父性あるいは母性に似た想いが芽生えている。
また、転生前の記憶をあまり思い出せなくなっているが、幼女への深い愛だけは変わらないため前向きな本人は気にしていない。
失敗に落ち込むことはあっても反省して先に進むのもまた、かつての冒険から得られた尊い経験による。
スキル【人化】を使用すると以前の装備者ミラの肉体となってしまう。
ただし記憶のそれと差異があるため、自身が眠りに入った後も装備し続けた、さらに成長したミラの姿を反映しているとクロシュは判断している。
常に礼儀正しく清楚な振舞いだが、それらはすべてミラの肉体に引かれているだけで本人は無意識に行動しているに過ぎない。
ちなみに健啖家で、甘い物好きなのもミラの肉体によるもの。
ミラのイメージを損なわないように幼女と連呼するといった奇矯な振舞いは控えているが、これは以前から注意しているつもりなので大差はなかったりする。
人化時の外見年齢18歳程度。身長は約164センチ。
ミラの優しい青色の髪と瞳ではなく、黒髪と黒い瞳となる。
基本的にまったく同じ姿でも、実は目付きが優しげなミラと異なり、強い意志を宿すようにキリッとしているため女性受けが良い。
整ったスタイルで胸も豊かなのだがミラを汚すような行為は慎んでおり、中身が男のクロシュからすれば女性的な魅力を得てもあまり嬉しくはない。
この姿なら幼女に警戒されず通報されないかも、という意味では喜んでいる。
他者の視線には意外と鋭く、ミラの体を下劣な目で見ようものなら即座に制裁を下すのだが、近くに庇護対象であるミリアたちがいると、視線はそちらに向けられていると勝手に解釈してしまう。
その実ガードは非常に強固なのだが、信頼の置ける相手だと途端に緩くなってしまい、結果的に身内からは鈍いような印象を抱かれる。
目立つことを嫌うのは羞恥心の他、根拠のない期待への恐怖もある。
より正確には期待に応えられず失望されることへの恐怖であり、自分に対する自信のなさが表れている。
そのため多数の中に混ざったり、他にリーダーシップを発揮できる人物がいると大人しくなるが、補佐に回ると優秀な一面を持つ。
反対に少数であったり、他に引っ張る人物がいないと責任感に駆られて動く微妙な真面目さを見せるものの、主軸になると目の前だけに集中してしまうため視野が狭くなりがちという欠点があり、根っからのサポートタイプ。
信用されるのは嬉しいが、やはり過度な期待をされるとプレッシャーを感じてしまう。そんな心の重圧を軽くしているのが幼女神様であり、そういった意味でもクロシュにとって救いの女神である。
もし幼女神様がいなければ、あらゆる場面でクロシュはダメになっていた。
スキルは防御寄りで攻撃スキルに乏しい。
また【無】属性の加護を持っていることから、通常では得られない特殊なスキルを多く獲得している。
あまりに多くなり過ぎたので本人も把握し切れず、使いこなせていない。
【ミーヤリア・グレン・エルドハート】
レベル:49
クラス:魔導技師
ランク:☆☆☆(シルバー)
○能力値
HP:400/400
MP:100/100
攻撃力:D
防御力:D
魔法力:C
魔防力:D
思考力:C
加速力:D
運命力:B
○スキル
Bランク
【閃き】【直感】【魔道具解析】
Cランク
【瞑想】【射撃術】【魔道具操作】
○称号
【貴族の娘】【侯爵令嬢】【技巧者】【勤勉】【冷静沈着】【おませさん】
【甘えん坊】【悪魔祓い】【伝説を継ぐ者】【魔導布の主】【小さな聖女】
○概要
エルドハート家、主門令嬢。
セミロングの黒髪に黒眼、大人びた性格の幼女。
年齢9歳。身長は約122センチ。愛称はミリア。
貴族の娘として必要な教育は受けており、将来的に当主となる心構えはできていたものの、消息不明となった両親を捜索するうちに精神が弱っていた。
そんな時に第二門のジェノトリアによって、意図としては保護であったものの追い打ちをかけられ、幼い心はギリギリのところまで追い詰められてしまった。
故に窮地を救ってくれたのみならず、ぽっかりと空いた心を埋めてくれるクロシュの存在はミリアにとって非常に大きく、恩人かつ頼れる親友、あるいは姉のように感じているのだが、本人の前では照れて隠している。
実のところ、昔から聖女ミラの伝説を聞かされて育ったため【魔導布】ことクロシュへの憧れも強い。
趣味は読書と魔道具弄り。
主に推理小説を好み、最近のオススメは『耀気機関車シリーズ』。
魔道具に関する知識は深く、スキル【閃き】と【直感】の相性もあって時に専門家以上の発想力や理解力を見せる。
アーティファクト『螺旋刻印杖』は母親のネイリィにねだって入手して以来、独学で研究を重ねて実戦に投入できるまでとなった。
あまりに情熱を傾けるため時には周囲を驚かせるだけに留まらず、警備用の魔道具『遠隔監視尖塔』の設置によって逆に侵入を許してしまった。
後の戦いからも道具だけが優秀では意味がないと理解し、使い手も成長する必要があると反省してクロシュに相応しい人間になることを目標としている。
選定の儀によって【魔導布】に選ばれ、第二次魔獣事変の収束に貢献した実績は皇帝国内でも公表されており、クロシュと並んで聖女と認知されつつある。
結果、以前から寄せられていた縁談がさらに増加し、中には性的倒錯者が紛れ込んでいたと判明してノブナーガとネイリィの血管が浮き出たとか。
【アミステーゼ・レプリ・クス・エルドハート】
レベル:36
クラス:少女剣士
ランク:☆☆☆(シルバー)
○能力値
HP:550/550
MP:50/50
攻撃力:C
防御力:D
魔法力:E
魔防力:D
思考力:C
加速力:C
運命力:D
○スキル
Bランク
【幸運】【剣術・中級】
Cランク
【戦場の理】【士気高揚】
○称号
【貴族の娘】【伯爵令嬢】【素直】【正義の味方】【実直】【姫騎士】
○概要
エルドハート家、第二門令嬢。
ロングストレートの蒼髪碧眼。落ち着いた礼儀正しい性格の少女。
年齢11歳。身長は約136センチ。愛称はアミス。
品行方正で実直、何事にも公平。
まさしく正義の騎士を絵に描いたような正真正銘の姫騎士。
剣の腕はそこそこで、知識と技術は持ち合わせているものの、実戦経験が乏しいため一対一の試合形式でなければ実力を発揮できない。
ミリアが【魔導布】に憧憬を抱くように、アミスは【白の精霊剣】ことヴァイスに憧れていた。
偶然とはいえ、そんなヴァイスを介して繰り出された雷速の一撃は飛躍的なレベルアップを果たしたのみならず、超常の世界を垣間見たことで明確な目標を定めるに至っている。
つまりアミスもまた、己自身をヴァイスに近付けるよう意識し始めていた。
その第一歩として剣術の鍛錬に勤しむのだが、これは先の話となる。
【ソフィーリア・レプリ・ケス・エルドハート】
レベル:7
クラス:見習い魔導士
ランク:☆☆(アイアン)
○能力値
HP:50/50
MP:80/80
攻撃力:E
防御力:E
魔法力:E
魔防力:E
思考力:F
加速力:E
運命力:E
○スキル
Bランク
【刻印術】【思い込み】
Cランク
【陣形成】
○称号
【貴族の娘】【伯爵令嬢】【箱入り娘】【自信家】【高飛車】【夢想家】
【不器用】【ツンデレ】【百合】
○概要
エルドハート家、第三門令嬢。
長い金髪ツインテールの碧眼。高飛車で自意識過剰な性格の幼女。
年齢10歳。身長は約129センチ。愛称はソフィー。
恵まれたスキル【刻印術】から増長し、多少ながら態度に問題があったところを襲撃で失態を演じた末に、クロシュに救われた経緯から改心した。
ついでにクロシュをお姉さまと慕い、陶酔している。
その想いはミラの姿を模倣しているだけと打ち明けられても許容するほどで、もはや人種どころか性別すら気にしていない。
恋する乙女は歌で山をも動かす、という格言もあるとかないとか。
彼女の持つスキル【刻印術】は秘文字を刻んで発動する魔導技術の一種であり、現代においては、あらゆる魔道具に用いられる。
そのため、このスキルを持つ者は幅広い未来を選択できるとされ、極めれば耀気動車や耀気機関車といった画期的な発明すら可能となる。
刻印術は本来ならば地面や板といった物に刻むのだが、ソフィーは魔道具『刻む魔女の指甲』によって空中に軌跡を残し、秘文字を形成していた。これが意味するのは、どのような場所でも即座に術を発現できる適応性である。
ただし術者のレベルが足りなければ宝の持ち腐れなのは本人が最も痛感した。
これからは、もっとマジメに勉強しようと密かに決意しており、次こそはクロシュやミリアたちの力になりたいと考えている。
元より、根は良い子なのだ。
【ミルフレンス・レプリ・コス・エルドハート】
レベル:6
クラス:見習い戦士
ランク:☆☆(アイアン)
○能力値
HP:70/70
MP:10/10
攻撃力:D
防御力:D
魔法力:F
魔防力:F
思考力:F
加速力:F
運命力:D
○スキル
Bランク
【天武の才・初級】【身体操作・微】【身体強化・微】【危険察知】
Cランク
【逃走】【脱走】【潜伏】【罠察知】【気配操作】
○称号
【貴族の娘】【伯爵令嬢】【未来の英雄】【怠け者】【怠惰】【猫かぶり】
○概要
エルドハート家、第四門令嬢。
ゆるいロングウェーブの薄い紫髪、赤眼。面倒臭がりで刹那主義の幼女。
年齢10歳。身長は約128センチ。愛称はミルフィ。
常にダルそうで、やる気を持たない自堕落な生活を送っている。
傍目にはお淑やかに見えるのは、父親から注意され続けたことで覚えた技術。
なぜか、そういった部分では人並み以上に努力してしまう。
才能だけならばノブナーガと同等であり、まっとうに修行を積めば英雄となるのも時間の問題なのだが、本人にその気がまるでない。
これは現状でも能力が高く、本気を出すと周囲を圧倒し、引き離してしまうことに気付いた彼女が、逆に自分が置いて行かれるような錯覚に陥ったためである。
……などというのが当初の理由だったが、今ではそんなことなど覚えてすらおらず、ただ単に好きなことだけをして生きたいと考えている。
それが可能なだけの能力を持っているのが困った話だった。
最も興味を持っているのは玩具である。
対象は幅広く、単純に大人数で遊べる物から、ひとりでも遊べる物、新作と旧作に、カードやボードゲームといった種類を問わない。
ただし実際に遊ぶことはほとんどなく、いわゆるコレクターで骨董品レベルの玩具を多数保有している。
遊びたくない訳ではなく、対等に遊べる相手が見つからないためだが、それについて悲しんだりもしない。
そのはずだったが、つい最近になって気になるカードゲームが登場して……。
【カノーラン・トラッシュ】
代々エルドハート家に仕えている家系の娘。
ショートの薄い茶髪。
年齢14歳。身長は約142センチ。愛称はカノン。
かつて皇子を操る邪悪な槍と結託していた貴族崩れの商人、その子孫。
当時、一族郎党が処刑されるところ、皇子を救った聖女ミラによる鶴の一声で恩赦を与えられ、それに報いるよう仕えたのが発端となる。
その際に皇帝国より罰として『トラッシュ』という侮蔑的な名へと変えられたのだが、現代において詳細を知る者は少なく、トラッシュ家の者はエルドハート家の従者として名実ともに認められた栄誉ある名だと誇っている。
ミリアが生まれた瞬間から彼女の専属メイドとして定められ、時には友人、時には姉、時には使用人となり、傍に寄り添ってきた。
だからこそミリアを妹のように心から大事に思っているが、成長してからは常に一歩引いて見守るようになり、彼女が苦しんでいた時には当人が弱音を吐かないことから手を差し出すべきなのかを苦悩していた。
しかし選定の儀が終わり、屋敷へ戻る車内で見せた涙からミリアがどれだけ追い詰められていたのかに気付き、激しく後悔する。
そんな経緯からミリアの身も心も救って見せたクロシュには感謝しており、以降は全力で助力すると決心していた。
クロシュに関して【人化】してからは、新しい『お嬢様』ができたという認識であり、ミリアの姉の座を快く譲るつもりでいる。
これに対し、ミリアは双方を姉のように感じているのには気付いていない。
また、アミスやソフィー、ミルフィとも姉兼親友という関係だったのだが、同様に従者として分を弁えるようになり、疎遠となっていた。
騒動後のお茶会では、それが僅かながら払拭されたという。
【ノブナーガ・グレン・エルドハート】
エルドハート家、主門の現当主。ミリアの父。
黒髪黒眼。武士のように精悍な顔つき。
身長は約178センチ。
聖女ミラの子孫となっているが、厳密にはミラが引き取った孤児の子孫。
血筋としては、ミラの親戚筋にあたる支門の方が繋がりが強いものの、正当な後継者として認められている。
代々エルドハート家は【魔導布】を装備できるか試す『選定の儀』を行い、もし可能であれば当主である他、それが女性であれば聖女としても認定される。
しかし過去にミラ以外の誰かが【魔導布】を装備できた記録はない。
これは休眠状態のクロシュが無意識に拒絶していたためだが、本人はもちろん誰も事実を知らない。(某幼女神を除く)
基本的な身体能力が高く戦闘狂な面が目立つが、幼少時より教育を受けているため貴族としての責務はしっかりと果たす。
今回、オーガの調査に自ら出向いたのも最善だと判断したためであり、実際に魔法陣の罠さえなければ滞りなく解決していた。
要するに魔族のヘルが、孫であるラエに秘術とされている魔法陣を盗まれたのが原因の一端でもあったりする。
【竜体化】は一時的に竜の力を肉体に宿す強力無比のスキルだが、その実態はノブナーガの祖先から代々受け継がれてきた呪いである。
長時間、あるいは連続使用によって身も心も竜に変じてしまい、人間に戻れなくなってしまう。
将来的にはミリアへ継承されるが、このことは時期を見計らい話す予定。
名前については、過去に召喚された勇者が由来らしい。
【ネイリィ・グレン・エルドハート】
エルドハート家、主門の当主夫人。
つまりミリアの母であり、ノブナーガの妻。
片側だけ結わえた銀髪と、アイスブルーの瞳が特徴的。
身長は約169センチ。
壮絶な過去を持つ美女だが、それは既に終わった出来事である。
彼女の持つ【解体真書・四識】は対象の情報を読み取り、四つの段階を経て理解してしまう【鑑定】の上位スキル。上位互換ではない。
このスキルを前に隠し事はおろか、本人も知り得ない情報すら暴かれるが、最終段階へ至ると脳への負荷となり、通常の人間では耐えきれず廃人となる。
娘のミリアを溺愛しており、敵と認定した相手にはどこまでも無慈悲になれる。
ある意味クロシュより過激で残酷かつ狂気的。
【クーデル】
ノブナーガに仕える政務官筆頭。
領地の経営や資金運用といったノブナーガの仕事を補佐し、時には代行する。
クロシュ曰く、黒い燕尾服みたいなスーツを着た壮年の男で、やり手のビジネスマンのような風体。
【ナミツネ】
ミリア専属の護衛騎士隊総長。
騎士隊は他に屋敷の警護、ノブナーガの警護とそれぞれ専任の隊が存在する。
クロシュ曰く、初老の男だが落ち着きがなく、ちょっと頼りない。
ただし今回の旅で、その評価は払拭されている。
名前はノブナーガと同じく過去の勇者が由来らしい。
【フォドルタス】(フォル爺)
先代からエルドハート家に仕える調理室総帥。
クロシュ曰く、白髪と不潔に感じない程度にヒゲを生やした好々爺で、その腕前はクロシュも唸るほど。
【ドルノギア・グレン・エルドハート】
エルドハート家、主門の前当主。
ミリアの祖父。ノブナーガの父。
すでに他界しているが、その原因は【竜体化】が関係している。
【ジェノトリア・レプリ・クス・エルドハート】
エルドハート家、第二門の当主。
アミスの父。
クロシュ曰く、ヒゲが特徴的なおっさん。通称ジェノ。
ノブナーガが行方不明となってから皇帝国内の不穏な空気に気付き、捜索と同時に秘密裏に調査をしていた。
それによってエルドハート家の主門当主が狙われていると判明し、ミリアが次期当主と決まれば命が危ないと憂慮したのだが、大人びていたミリアならば納得してくれるはずと誤解してしまったことで彼女を傷つける結果となった。
すでにノブナーガの一件から、どこまで敵の手が入り込んでいるかわからず、迂闊に真実を伝えられなかったという事情もあってミリアには許された。
代わりにひとつだけワガママを聞く約束をしたのだが、意外と早く消化されることとなる。
【ボルボラーノ・レプリ・ケス・エルドハート】
エルドハート家、第三門の当主。
ソフィーの父。
クロシュ曰く、にやけたデブおっさん。
若かりし頃はノブナーガを含めた四人で戦場を駆けたこともある。
実は武闘派。
【トルキッサス・レプリ・コス・エルドハート】
エルドハート家、第四門の当主。
ミルフィの父。
クロシュ曰く、特徴のない地味なおっさん。
【ヴァイス・リッター】
レベル:136
クラス:白龍姫
ランク:☆☆☆☆☆(ミスリル)
○能力値
HP:4500/4500
MP:400/400
○上昇値
HP:D
MP:F
攻撃力:B
防御力:D
魔法力:C
魔防力:F
思考力:B
加速力:A
運命力:C
○属性
【白雷】
○スキル
EXランク
【独立不撓】
Sランク
【雲耀】
Aランク
【進化】【ステータス閲覧】【人化】【精霊化・雷】【雷牙】
【雷光波】【刺突剣術・上級】
Bランク
【念話】【変形】【属性耐性・雷】【隠蔽】【雷魔法・中級】
【知識の図書館】【人具一体】
Cランク
【察知】【幻想知覚】【自動修復】【異常耐性・全】【異常付加・痺】
○称号
【聖女の刃】【受け継がれし伝説】【成長する武器】【忠臣】
【インテリジェンス・アイテム】【無垢なる者】【冒険者】
【剣姫】【英雄】【白龍姫】【星界庭園の管理者】
○概要
レイピアのインテリジェンス・アイテム。
人化時の外見年齢16歳程度。身長は約158センチ。
長い白髪と白銀の瞳。純白のウェディングドレスに似た服装で、スタイルの良さから転生者の間で人気が高い。
三百年前、ミラがクロシュに勧められて購入したホワイトレイピアであり、長い年月を経て純粋なインテリジェンス・アイテムへと昇華した。
かつてクロシュが休眠に入ってしまった戦いにおいて役に立てなかったという無念が原動力となっており、【人化】を得てからは強くなるために冒険者として活動し、各地を放浪していた。
そんな折にルーゲインと知り合い、抑止力のひとりとしての勧誘を条件と引き換えに承諾したのだが、手に入れた地位や立場などには一切の執着を見せない。
興味があるのは主であるミラと、先達たるクロシュのみだった。
ヴァイスという名はクロシュが与えたものであり、それまでは【白龍姫】という二つ名や、単純に『白』と呼ばれていた。
本人も呼ばれ方にこだわりはなかったが、ヴァイスとなってからは周囲にそれ以外の呼称を許さないほど気に入っている。
【白雷】の加護を持ち、スキルは近接戦闘に属したものが多い。
特筆すべきは【独立不撓】が持つ、単独での戦闘能力の維持である。
インテリジェンス・アイテムは本来、誰かに装備されることで武具として真価を発揮できるのだが、このスキルを持つヴァイスは道具の枠に囚われず、【人化】した状態でも能力の低下もなく戦い続けられる。
ただし効果中は膨大な魔力を消費するため、発動するのは基本的に戦闘時の僅かな間だけである。
東の森へ駆けつけた際には【精霊化・雷】を使用し、空中を最大速度で移動していたため魔力が足りず、アミスの肉体を借りていた。
現在はクロシュの指示に従って敵の残党を討伐しており、ミリアを主として仰ぐ日々に満たされている。
転生者ではなく純粋なインテリジェンス・アイテムであるためか、道具として扱われるのに抵抗はないどころか、むしろ嬉しいのだが理解は得られていない。
【ルーゲイン】
レベル:142
クラス:極光伯
ランク:☆☆☆☆☆(ミスリル)
○能力値
HP:5100/5100
MP:1500/1500
○上昇値
HP:C
MP:B
攻撃力:D
防御力:C
魔法力:B
魔防力:D
思考力:B
加速力:F
運命力:D
○属性
【金陽】
○スキル
Aランク
【進化】【ステータス閲覧】【人化】【光魔法・上級】【合体】【浄光】
Bランク
【念話】【属性耐性・陽】【隠蔽】【属性空間】【ガードポイント】
【護光壁】【日輪】【浄眼】【オートリカバー】【知識の図書館】
Cランク
【察知】【遮断結界・閃光】【異常耐性・全】
○称号
【転生者】【成長する武器】【インテリジェンス・アイテム】【冒険者】
【極光伯】【苦労人】【星界庭園の管理者】
○概要
ガントレットのインテリジェンス・アイテム。転生者。
人化時の外見年齢12歳程度。身長は約141センチ。
見た目は金髪ショートの美少年であり、一部の転生者たちから人気が高い。
転生後、道具として扱われる境遇に不満を抱き、力を得たあとは元の装備者から離反すると様々な装備者を利用する形で自身を強化し続けていた。
やがて他の転生者たちが同様に酷使されている現状を知り、力を持つ自分ならばと救済に乗り出す。
しかし同じインテリジェンス・アイテムですら自分勝手であるとわかり、暴力的であると悩みながらも実力行使に踏み切った。
始めに暴走する者たちを牽制するため仲間を募り、抑止力として一大勢力を築き上げたが、その大きな力は武王国に目を付けられてしまう。
結果としてルーゲインが願った救済は、歪んだ形で成し遂げられそうになった。
武王国の裏切りを知ってからは目が覚め、自身の行いを反省している。
現在は工作活動の一環として武王国が放った賊の討伐に従事している。
あくまで混乱を招くのが目的のため、必要以上の窃盗は行わないよう指示されていたが、作戦の失敗と共に監視役もいなくなり命令を無視して動き出していた。
賊は各地に潜伏していたものの、スキル【浄眼】は大まかに善人と悪人を判別でき、討伐は容易に進んだという。
その際、ヴァイスが請け負っているインテリジェンス・アイテムの残党が賊と手を組んでいると判明し、一網打尽となった。
皇帝国における立場としては大罪人であり、処刑は免れないところをノブナーガの口添えにより助命された。
どうにか減刑に持ち込めたのも、これだけの騒動でありながら皇帝国側に死者が出ていなかったことが最大の要因である。
そのため現状はエルドハート家の保護観察処分といったところで落ちついた。
【金陽】の加護を持ち、スキルも光系が多いものの戦闘タイプではない。
黄金のガントレットは指導者の指し示す手や救済の手、そしてそれらの守護を表しているため、実のところクロシュと近いスキル構成になっている。
【クレハ】
扇のインテリジェンス・アイテム。転生者。
人化時の外見年齢16歳程度。身長は約152センチ。
赤髪にルビーのような紅眼。和服をアレンジした可愛らしい衣装。
ルーゲインの勧誘を受けて抑止力として加わった七人のひとり。
周囲からは【紅翼扇】の二つ名で知られているが、親しい者にはクレハの名で呼ばせている。
特にヴァイスと仲が良い、と本人は思っていた。
現在は傷心から、これといった活動をしていない。
【紅炎】の加護を持ち、スキルは炎の魔法系に特化している。
基本的に強運で、舞踊が得意という点を除けばこれといった特筆すべき部分を持たない一般人。
ただし友人、親友という存在を特別視する節がある。それは潔癖症という性格から相手に対して清廉さを求めるあまり、前世において真の友人を得られなかったという苦い経験が元となっていた。
現状、彼女のお眼鏡にかなうのはヴァイスのみとなる。
【???】
クロシュに回収された万年筆のインテリジェンス・アイテム。転生者。
転生してからずっと暗い倉庫で身動きできず、助けを求めていたところ悪徳商人に拾われ、詐欺を片棒を担がされていた。
再び倉庫に戻されるのを恐れて反対はできなかったという。
現在はクロシュと共に、なにやら画策しているようで……。
【ベルナ】
手鏡のインテリジェンス・アイテム。転生者。
精神支配系スキルを得意とするが、レベルが低く協力者が必要。
敬愛するルーゲインに貢献しようと躍起になるあまり盲目的になり、サイナスの口車に乗せられてしまった。
最後まで自覚しなかったが、操られていたのは彼女も同様である。
【ムドウ】
筆のインテリジェンス・アイテム。転生者。
魔法陣を描く召喚術系のスキルを得意とするが、レベルが低く協力者が必要。
上級悪魔のラエを喚び出し、ノブナーガを封じた実績だけを見れば第二次魔獣事変の中心人物となる。
侵略戦争にかこつけて好みの少女を襲おうとしていたクズであり、仮にクロシュと相対していたら楽には死ねなかった。
【ジェイル】
鎖のインテリジェンス・アイテム。転生者。
魔獣を操るスキルを得意とする。
一方的な戦いを好み、自分より強い者を受け入れられないが、自分自身が戦うほどの度胸すら持ち合わせていない。
それでもスキルの関係から第二次魔獣事変の根幹を成している重要人物である。
【サイナス】
三角フラスコのインテリジェンス・アイテム。転生者。
毒薬を生成するスキルを得意とする。
第二次魔獣事変においては武王国が調達した罪人に特殊な薬を使い、味方のインテリジェンス・アイテムたちが自由に行動できる肉体を用意するという重要な役目を担っていた。
【グレイル】
武王国がルーゲインの動きを間接的に操作するため用意した捨て駒。
本人は抜擢されたと信じており、ルーゲインの力で冒険者として活躍し、同じく武王国の工作員とパーティを組んで皇帝国内を暗躍していた。
そういう意味では、グレイルもまた第二次魔獣事変の被害者である。
【ライゼン・ミカヅチ】
武王国の元帥。皇帝国への侵略を一手に任されていた。
過去の戦争において【竜体化】を使用した先代のエルドハート家当主であるドルノギアと戦い、片目を失って敗走している。
その恐怖を長年の間に膨らませた憎しみで塗り潰し、今回の作戦への原動力としていたのだが、唐突に現れた【竜体化】のノブナーガを前に恐怖が蘇り、恐慌状態へと陥ってしまった。
後にライゼンは心を病んでしまい、再起不能となっている。
大将軍に自ら降格して戦場に出ていたのだが、密かに失敗を想定した武王国によって仮の追放処分が下されており、いつでも切り捨てる準備が整えられていた。
そこには王族の血を引き、いつまでもトップに居座る老人を排したいという意図も含まれていたのだが、本人が最後まで知らずにいられたのは幸福と言える。
【ヘル】
かつてクロシュと戦った、黒い骸骨の姿をした四本腕の魔族。
三百年前は上級悪魔だったが、いつの間にか進化していたらしい。
孫のラエが家出したのを気にしており、クロシュに説得を依頼している。
実力的には【竜体化】したノブナーガと同等。
【ラエ】
ムドウに召喚された上級悪魔。
喚び出されたはいいものの召喚者は明らかな実力不足の上に、召喚された内容も粗末なものだったため、契約が切れる期限まで時間稼ぎをしていた。
ただし魔界でも評判や信用が大切らしく契約違反はしないよう気にしている。
悪魔共通の感覚として潔さと誠実さを美徳と考えており、ミリアに負けた事実は素直に認めていた。
もっとも、あくまで自分が認めた相手に限る。
ヘルと違い人間の姿なのは、悪魔の基本能力によるもの。
擬態ではなく【人化】に近いため他の容姿にはなれず、時と場合によって人と悪魔の姿を使い分けている。
外見年齢9歳程度。身長は約120センチ。桜色の髪と瞳が特徴。
【ワタガシ】
真っ白な毛玉。全長2メートルから5メートルまで伸縮自在。
その正体は猫の魔獣らしいねこです。よろしくおねがいします。
【コワタ】
ワタガシの眷属。
ふわふわでもふもふ。ころころとしてぽんぽん。
【幼女神様】
なにもかもが、なぞの、そんざい、だよー。
たのしいことが、すきかなー。
あとは、まだ、ひみつ、だねー。
■■■用語集
(ここから、かなりテキトウです)
■皇帝国ビルフレスト
大陸北部を支配する国家。
全域が寒冷地であり、さらに北上すると永久凍土の大地が広がる。
クロシュは帝国と呼んでいるが、正式には皇帝国。
また、名前を覚えるのが難しいと作者に判断され、単純に皇帝国と表記される。
これは他の地名も同様。
■対魔獣城塞都市イル・ブラインハイド
皇帝国と魔の森の間に建設された都市。
名前が長い。
■魔の森
魔獣が多数生息するとても深い森。
起伏が激しい上に谷や湖まで存在し、さらに奥地には大樹群が広がっているなど全容はいまだに掴めていない。
■武王国ミカヅチ
皇帝国の南西に位置する国家。
全体的に和風であり、過去に召喚された勇者が関係しているとクロシュは予想。
■ワルキュリアの羽衣
女性冒険者向けの服飾専門店。
デザインを重視しつつ機能性を保持した防具が多く人気。
際どい衣装から、可愛らしい衣装まで取り揃えている。
皇帝国内の各地に小さな支店を出しているが、本店の所在は謎。
■七星幽界
インテリジェンス・アイテムの精神だけが集う世界。
とあるインテリジェンス・アイテムのスキルによるものとされているが、厳密には物質世界とは別に存在している世界であり、そこに庭園を築いた。
■星幽庭園
庭園の正式名称。
ほとんど呼ばれることのない不憫な名前。
■無機生命種
インテリジェンス・アイテムの別名。
道具ではなく、ひとつの生命という意味が込められている。
クロシュ自身はどっちでもいいと思っているが、気を遣って使い分ける。
■共生装者
パートナー関係にあるインテリジェンス・アイテムと人間のこと。
今後も使われるかは不明。
■八属主
八つの属性を司る主。
すなわち紅炎、白雷、黄地、緑風、蒼水、紫氷、銀月、金陽。
生命は生まれながらに、いずれかの属性を加護として宿しており、たいていは髪の毛に色として属性が現れる。
まれに加護を宿さない者が生まれると、決まって黒髪となる。
■秘文字
一つ一つに意味があり、重ね連ねることで神秘を起こす。
古代文字、魔導秘文などとも呼ばれる。
65種あり、八属主の神秘文字と失われた属主の一字で構成されている。
■刻印術
秘文字を刻んで行う魔導技術のひとつ。
魔法とは別と認識されている。
■魔道具
秘文字を刻み、魔力を用いて動く小型の道具全般を差す。
魔法具も同じだが魔法が存在しないとされているため、それらはすべて魔道具によって行われたと考えられている。
■アーティファクト
古代の魔道具。
現代のものと比べて性能が段違いで、ほとんどが再現不可能の伝説的アイテム。
一部が研究家によって改変されている。
■魔法陣
大規模な魔法を行使する際に浮かび上がり、暴発しないように術者をサポートする陣。魔術式に組み込まれていることから既存の魔法では多用されている。
ただし魔力そのものを操れる魔術士ならば効果を限定、抑制させる陣はむしろ邪魔であり、意図的に外している。
事前に描いておき特定の効力を発動させることも可能であり、これを利用した罠や設置型の魔法として扱うことも多い。
魔法が失われた現代では後者のみを差す。
■魔導技術
魔道具や魔石炉、魔導機関などに用いられている技術の総称。
主に刻印術や耀気を差す。
■耀気
魔石から取り出して精製した人工魔力。
見た目は輝く煙のようで加工すると液体、固体にも変化する。
液体を耀液、固体は耀石、純度の高いものを耀気結晶と呼ぶ。
多量に吸い込むと魔力障害を引き起こすが一時的に魔力を増強する効果がある。
耀液、耀石より軽く、保存と持ち運びが容易なため普段はこのまま保管されているが、効率の面から用途に応じて使い分けられる。
■魔導機関
魔力を動力とした大型の機関全般を差す。主に魔石が燃料。
■耀気機関
耀気を燃料とした大型の機関全般を差す。
魔導機関との違いは、人工魔力である耀気のみを燃料としている点。
■魔石炉
魔導機関の原型。魔石をそのまま突っ込んでエネルギーへと変換する。
現代においては効率の悪さから田舎で使われている程度だが、繊細な耀気機関と違って耐久性の高さや、レトロなデザインから愛好家も多い。
ちょっと長くなってしまいましたが、どうでしょうか。
次回の更新は間が開きます。




