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来たよー

 エルフ。


 ふがしー。


 シルフ。


 ふぉっくすー。


 スライム。


 むしー。


 シーフ。


 また、ふ、かー。


 そろそろ、お題を変えないか?

 食べ物縛りって言ってるのに狐とか虫とか入ってるし。


 たべられるよー?


 俺は食べないけどね。


 だったら、そっちも、ちがうとおもうなー。


 おやおや、俺のモンスター娘縛りに不満があると?


 もんすたー、ちがうよー。


 亜人系も含まれるんですー。精霊も許容範囲ですー。盗賊娘はおまけですー。


 そっかー。


 ぶっちゃけ、ただのヒマ潰しだから細かいことはどうでもいいんだけどね。

 しかしね、そろそろね、1カ月は経つからね。

 神様としりとりやってるのも精神的に限界なんですよ。


 がんばれー。


 頑張るよ。幼女のために。


 それじゃー、つづけよっかー。


 気が狂いそうだ……。


 こんなに、たのしいのにー。


 無限しりとりの何が楽しいのか。ただの拷問じゃないか。

 せめて相手が幼女だったらご褒美なのに。


 ようじょだよー?


 何を言っているんだお前は。


 わたし、ようじょー。


 そういえば神様の声って、よくわからないんだよな。

 言っている意味は理解できるのに、どういう声なのかがさっぱりだわ。

 なんとなく未来の世界の猫型ロボットでイメージしてたけど。

 古い方ね。


 いまは、みえないけどー、いずれだねー。


 ということはマジで幼女なの? 神なの?


 かみさまだよー?


 そうだった。でも今は見えないということは、どうにかすれば見えるのか?


 れべるあっぷー。


 俺のレベルが低いのが原因か。

 どうやら早急にレベル上げを行う必要がありますね。

 それはともかく今はしりとりですよ。しりとり。

 さあさあ幼女神様、始めるざますよ。


 ひと、きたよー。


 なんだと? こんなタイミングで邪魔をするとは、どこの不届き者だ。


 顔を見てやろうと思ったけど相変わらずの真っ暗闇である。

 そういえば箱の中だったな、ここ。

 腹立たしいけど、そいつらに見つけて貰わないことには何もできないからな。

 今回は許してやろう。

 さあ、封印を解くのだ!


 闇の中に光が走った。

 ゆっくりと視界が開け、こちらを覗きこむ顔が見える。


「あ、防具が入ってたよ!」


 最初に確認できたのは赤い髪をした女の子の嬉しそうな顔。

 動きを阻害しないよう関節部のパーツを外して軽量化された灰色の鎧と、前面が大きく広がった兜に身を包み、手には無骨な長剣を掴んだまま、箱の蓋に空いているもう片方の手をかけている。


「ディアナ! 罠の確認が終わっているとはいえ、それは私の役目だ!」

「たまにはいいじゃんか。ノットはいつも一番乗りでお宝ゲットしてるし」


 剣の子はディアナというらしい。

 彼女に不満そうな声をかけた方はノットと呼ばれ、黒く染めた革製の防具と黒装束を装備した身軽そうな背の低い少女だ。黒い布で頭から顔にかけて覆い隠し、所々に銀髪がはみ出している以外は全身が闇に溶け込みそうだった。剣のような目立った武器は見当たらないが腰に数本の短剣を携えている。

 その姿と会話からノットは盗賊少女だと推測できる。


「ディアナ。ノットの仕事を奪っちゃダメ。ノット。少し落ち着く」


 2人より背後には別の少女がいた。


「うっ、……悪かったよノット。これでいいでしょ、レイン?」

「私も少し興奮しすぎた。もう大丈夫だ」


 レインと呼ばれた大人しそうな少女は革製の胸当てと若草色の服とスカート、濃い緑の外套に、そして木製と思しき白い弓を装備していた。まるでエルフのような姿だったが乳白色の長い髪で耳が隠れていて特徴的なソレは確認できない。残念だ。

 どうやらディアナとノットの2人はレインに頭が上がらないらしい。


「で、防具だって?」

「あーそうそう。ねえノット、これってレアかな?」

「ん? その可能性が無いわけじゃないが……」


 ノットが俺を掴み、全員が見やすいようにと掲げる。

 だが俺は丈も袖も長いので、身長の低い彼女では思うように広げられなかった。仕方なく床へと置いてシワを丁寧に伸ばす。すると他の少女たちも近寄って俺に手を伸ばし始めた。

 抵抗などできないまま少女たちに全身をまさぐられ、裏地までじっくりと観察されてしまう。


 なにこの羞恥プレイ。

 目覚めてはいけない新しい世界が視えそうになる。

 いけない、このままでは真理の扉が……!


 あとは、わかいもんだけで、ごゆるりとー。


 ああ幼女神様!


 何かの気配が薄れたのを感じた。これは神様が去ったということだろうか。

 急に冷めたからふざけるのやめよっ。


「色は綺麗だし手触りも良い……デザインも悪くはない。そこそこ価値がありそうだが、ただ防具としての性能までは鑑定しないことにはな」

「それもそっか」

「ノット。それ、ミラに渡す」

「え、ああそうだな」

「これならミラも喜ぶね。すぐに戻ろう」


 どうも他に仲間がいるようだ。

 しかも俺は、そのミラというのに装備される可能性が高い。

 うーん幼女以外は嫌なんだけど、まだ選り好みできるほど余裕がないからな。

 今は誰かに装備して貰って、強くなるまで耐え忍ぶ時だ。

 そいつが男だったらお断りするけどね。

ちなみに幼女はまだ出ません。

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