ヤンキーズ・ハーツ(荒者の痛み)
久しぶりの投稿となってしまいました…すみません…
そろそろ定期試験ゆえ…
やぁ、初めまして。私は…まぁ、名前の無い「世界の管理人」とでもいったところでしょうか。
さて、私の話はさておき、こんなことを知っているだろうか
『この世には優しさを隠しつつ強がり続ける人間がいるという』
これはそんな人間代表として私が書く「橘 明音」という人物の人生のほんの一部分だ。
それでは、Let's show time!!
…指を弾く音が辺りに響いた…
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「チッッ、雑魚が」
私は足元に転がる傷だらけの人達を一瞥して、その場を後にした
「流石だな、明音!お前には誰も敵わねぇなぁ。女とは思えねえ」
「うるさい。黙って」
私(橘 明音)はこの町でその道の奴らなら知らない方がおかしいレベルのヤンキーだ。昔の言い方をすれば、スケバンといったところだろうか…
夜になると、あんなことをしているが昼間はちゃんと、高校に通っている。でも、やっぱり学校では教師にすら腫物を扱う様な対応をされてしまう。まぁ、別に構わないけど…それなのに、一人だけ私に構ってくる奴がいた。
「おはよう、橘さん。今日も暑いね~」
またか…
「あのさ…いっつも気になってるんだけど、なんで私に構う訳?あんたも私と同じ扱い受けるようになるよ」
こいつがそのただ一人の男子(加藤 薫)だ
「『あいつ』じゃなくてちゃんと名前で呼んでよ~。せっかくいい笑顔が出来るんだから。ほら『加藤君』って…あれ?」
私は話を無視して教室を出た
「ちょ、ちょっと~そろそろ授業始まるよー!!」
「いい。帰る」
「えぇ~。僕、今何か気に障ること言っちゃった?」
「うるさい」
そう言い捨てて私は学校を出て行った
私があいつと絡むのが嫌なのは理由がある。あいつのキャラが嫌いだ。
そして何よりもあいつには重い持病があるらしい。しかも気になって調べるとそこには、「治すことは難しい程のやつ」だとある本に書いてあった
そんな奴と関係をもってしまうと後が怖くなるだけだ… 辛い目には遭いたくない
あいつの事はなるべく考えないようにしよう。あいつの事を考えるだけでムシャクシャしてくる…
いやいや、ちょっと待て。そもそも何で私があいつの事を思わなくちゃいけない訳?
「クソ…何なんだよまったく…」
何だってあいつの事… あんな奴どうだっていいじゃないか。どうにでもなってしまえばいいんだ!!
その日私は何にも手をつけられなかった
翌日、いつも通り学校に行くとあいつの周りに他の男子が群れていた。
「人気者は大変だねぇ…」
私はそんな悪態を吐きながら会話に耳を傾けていた。しかし、私の思いとは別で、そこには真逆の事が起こっていた。
「…橘が…なんだって?。」
「マジで!?有り得ねぇわ~」
「そう…よ。…が…きだよ。…く有る?」
会話の端々しか聞こえてこないがその場が明かるそうなのは一目瞭然だった。私の名前が出てきているから私の話題なんだろう。それは別に構わないがやっぱりあいつも私の事で笑ってるんだ…。そう思うと胸が痛い。何これ?気持ち悪い…
そんなことを考えていると突然椅子が倒れる音がした。音の方を見るとあいつが他の男子の胸倉をつかんでいた。
「それ以上言ったら、僕は君を許さない。今すぐ橘さんに謝れ」
「はぁ?何、篤くなってんだよ?ウザいんですけど~」
「僕の事は別にいい。だから早く橘さんに謝れ!」
次の瞬間、あいつが壁に叩き付けられた。
「誰があんなのに謝るか。バッカじゃねぇの?」
その瞬間、私はそいつを殴っていた
「あんたらねぇ、さっきから黙って聞いてたら好き勝手言いやがって!」
そこからはよく覚えていない。けどあいつから礼を言われたときは嬉しかった。
その晩、私はいつものように、いつもの奴らと、いつもの所で絡もうとそこへ行った。
でも、そこは何故かいつもより騒がしかった。
「どうしたの?」
「あぁ、明音!いやぁコイツがさぁ」
目線の先を見るとそこには、傷だらけのあいつが何かを皆に頼んでいた。
「お願い、です。橘さんを…普通の娘にさ、してあ、げて…く、だ、さい…」
「ハハハッ!なにこいつ?マジで言ってんの!?ウッゼッ~」
そして皆があいつを滅茶苦茶に蹴り始めた
「ッ…」
あいつの呻き声が聞こえる
「ちょっと、皆やめろよ!」
「なんだよ~明音らしくねぇな~」
私を無視してあいつを蹴り続ける皆。すると、あいつが切れ切れ何かを言い始めた
「お、願い、です。橘さんは、本当は…優しいんです…」
私の中で何かが弾けた。多分理性だろう。この人数で敵うとは思えない。それでも私は立ち向かった 加藤のために…
「おいおい、本気で敵うと思ってんの?バカじゃねぇ?」
「…るさい」
「は?」
「うるせえつってんだよ!」
私が絶叫したとき、バイクのエンジン音が響いた
「お前、もういいわ……死ねよ」
ライトが近づいてくる
響くエンジン音
近づくバイクのライト
大きくなるエンジン音
不意に私とそれとの間に人影が入ってきた
「自分の好きな人ぐらい…自分の、手で守る……ありがとう、明音ちゃん…じゃあね……」
もう彼はそこにはいなかった
そこにあるのは彼に似た何かがあるだけ…
誰かの悲鳴を聞きながら私は膝から崩れた
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『おい見ろよ。あの人が橘先輩だろ』
『だろうな。あの人いっつも黙ってるよな…すっげぇ綺麗なのに残念だ…』
『あの人って二年前は……』
男子の会話を聞きながら私は窓の外を見ていた。そこには、すごく綺麗に咲き誇る向日葵がある
突然、教師が話しかけてきた
「橘さん。あの向日葵、いつも見てるね」
「…………そうですね。あれを見てると元気がもらえるんで」
「知ってた?あれってね、二年前に事故で死んじゃった子が育てていた花なんだよ。まぁその子は重い病気を患っていたらしいけど」
「え…?」
「あぁ、知らなかった?その子の名前はね……」
知らなかった。あいつ、そんな事してたんだ…
「……」
「あ、あれ…?だ、大丈夫??」
私は音も無く涙を流していた
「大丈夫です。すみません」
私は涙をふくと教室を出た
そして向日葵の前に立って精一杯の笑顔を作りながら
「お前には敵わないよ…死んでも私を、支えようとするんだ、か…ら」
泣き笑いも悪い物じゃない。私はそう思う。これからだって泣きながら笑おう
何時かあいつが言ってたいい笑顔で…
ハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか自分でもよく分からないので良かったら教えて下さい