表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

I am a lion.

作者: 武藤 菜ツ子

僕はライオンです。

この頃、太陽が空に昇って見えないところまで沈むことを知りました。一歩進むたびに新しいものを目にします。

そんな僕は今、レオくんに飼われています。僕の爪や牙では歯が立たない丈夫な檻の中に入れられています。檻の中はあまり外が見えないのであまり好きではありません。でも、レオくんが出してくれないので僕はこのままです。

「お前はずっとここにいろ」

お母さんみたいな顔をして、レオくんは僕の頭を撫でます。僕はレオくんが大好きなのでその通りにしました。

僕はライオンです。人ではないのです。それなのにレオくんは僕を大切に大切に檻の中に閉じ込めておくのです。

僕の体はだんだんと大きくなり、もう檻の中は窮屈です。それでもレオくんは僕を出してくれません。僕だってレオくんと同じように外を歩いてみたいのです。レオくん以外に会ってみたいのです。

レオくんはよく泣くようになりました。檻の前で声も出さずに涙だけ流しています。涙が檻に落ちると、鉄格子が溶けていきました。レオくんはずっとずっと泣いているので、たちまち檻は溶けてなくなってしまいました。これで外に出られます。

うーんと伸びをして一走りしました。色んな人に出会いました。驚いた顔をしてみんな僕を見ています。僕がガオーと吠えるとみんな逃げてしまいました。

レオくんのところに戻ってくると、レオくんは前の僕みたいに檻に入っていました。

「レオくん?」

僕はレオくんが大好きなので、大切に大切に檻の中に閉じ込めておきました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ