学園最強
いよいよ、ゲーマーの名門校“ゲー専学園”に入学した1年生「秋野 亜希」。 その日、亜希は「希夢」の実力を思い知る…!
最強と言われる「沖城 希夢」のことが気になる亜希。
……っと、その前に。
彼女には、幼なじみの親友がいた。
その名も「結原 千紗」。
同級生の1年生で、ゲームの実力は…亜希より上だ。
同じゲームを亜希より長くやっている。
「亜希♪ 何してるの?」
「あぁ、ゆっちか♪ 実はさ…沖城 希夢 を知りたくて」
「あの人ね…。」
少し、暗い表情になる千紗。
「実はさ…あんまり他人と話さないのよ、あの人」
しかし、亜希の目的は違った。
「違う違う。希夢の強さを見てみたいだけなんだ」
千紗の暗い表情は、驚いている表情に変化した。
今まで“希夢の走り方を知りたい”と言った人は居ないのである。
なぜならば……
…誰にもマネの出来ない、不思議な走り方だからである。
「そんなこと言ったの、亜希…あなたが初めてよ…」
「なんで? 強い人の走り方を知りたいのは普通じゃないのか?」
ここで、驚愕の事実が明らかになる。
「それが…マネできないから、誰も見たがらないの」
……その言葉の真意を探るべく、亜希は動いた。
しかし、亜希までもが、それを実感してしまう。
(…別次元だ……。誰にもマネできないな)
間近で見て、確信していた。
では、1つの例を語るとしよう。
筐体の画面下にあるボタンを押すと、全コースのタイムが表示される。
コースは7コース。
初級:白霧湖
中級:真槻・鳶尾峰
上級:夜峰原・白霧
超上級:朝日岳・巻野丘
そのコースごとに“スタッフゴースト”が登録されている。
スタッフゴーストは、相当やりこまないと、勝つのは無理と言われている。
しかし、沖城は……
「スタッフゴーストに、あろうことか圧勝してるのよ…」
例として、真槻を見てみよう。
そうすると、沖城のスゴさが身に染みて分かるだろう。
スタッフ:
2’28”522
校外の最速プレイヤー:
2’27”980
そして、沖城は、というと……
沖城 希夢:
2’22”517
そう、文字通り『圧勝』しているのである。
しかし………
「いつか絶対、アイツを越えてやるからな!!」
一人、沖城にライバル心を燃やす、亜希だった。
ここからが本当の始まり。 目標は「沖城 希夢」。それを越えるため、亜希は日々、特訓に励む!