プロローグ
2051年 某日
ここは、東京のとある学園の高等部。
今までにない新たな“ゲーム部”を作った、とんでもない学校だった。
しかし、それは3年前までのこと。
今では、校名を改め“ゲー専学園高等学校”となっている。
校内はゲーム尽くし。
入学する者たちも“中毒ゲーマー”や“神プレイヤー”しかいない、とんでもない学校。
「あーあ……やっぱり強いや、アイツだけは」
「どうやっても勝てないわ…」
「お前が世界一だと思ってたのに、負けるとはな…」
「上には上がいるんだよ」
ここで、この学校における最強のゲーマーを紹介しよう。
彼女の名は「沖城 希夢」。
ゲー専学園の3年生。 誰にも負けたことがない“最強”のプレイヤー。
校長の「沖城 源介」の一人娘である。
「うわ! 沖城にマッチしたよ…」
「どのコースも絶対に勝てないんだよな……」
そう。
この学園は、メインが『レースゲーム』なのである。
そのゲームは『Speed Street』という、峠道を車で滑走するゲーム。
車の動きはリアルと同じで、しっかりと駆動ごとに特徴がある。
そして、スピンもするし、リアルと同じように滑り、曲がり、そして飛ぶ。
「秋野 亜希」
入学したばかりの1年生。
彼女は、このゲームに強いが、プレイヤー的には『強い』とは言えない。
理論的には詳しいのだが、実際にプレイすると、実践できない。
このゲームは『●文字●』のような“階級制”などはなく、
メインは“タイムアタック”。
いかに早く峠を完走・走破できるか。 というゲームだが、
隣り合っている席で誰かがプレイしていると、勝手に“対戦モード”になる。
そして、校内の誰とでも対戦が出来る「ランダム対戦」モード。
これは一年に数回行われる『校内最強決定戦』の時だけ選択できる。
基本的に中毒ゲーマーしか居ないこの学園なので、階級は無視。
たとえその中で弱くても、強くても、ランダムに当たる。
そんなゲームの最強プレイヤーが、希夢なのである。
―――――……これは、「秋野 亜希」を主人公として繰り広げられる
壮絶な“最強争奪戦”の物語……―――――
これは、秋野をメインとした「レースゲーム」の“最強”を狙うストーリーです。 最強になるまでの軌跡を、ご覧あれ。