表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

地下二階

翌日。


目を覚ました一樹は見慣れない部屋に一瞬困惑したが、昨日の出来事を思い出し嘆息をもらす。

心の何処かで夢だと考えていたのだろう。一先ず今後の計画を立てる。


昨日着ていた服はあちこち歩き回っていたため汚れが目立っていた。下着も新しくしたいので商店にて三日間分購入しておく。

洗濯機が置いてなかったので着た服は風呂場で洗う事にする。何だかんだ言っても金は必要なので少しでも節約したいのだ。


一緒に買ってきた朝食を食べ終えて、準備を整えた一樹は再び地下三階にやって来た。地下二階へ行くには地下三階にある転移装置を使うしかないのだ。

本当は隅々まで探索してみたいが強いモンスターと遭遇した場合、最悪死にかねないので最短経路で突破することにした。


昨晩書いた地図を頭に叩き込んでおいたため一時間程で転移装置に到着した。

移動中に犬型モンスター四体と蝙蝠型モンスター三体に遭遇したが、全てファイアーボールで倒していた。得られたアイテムは相変わらず石だけだった。


因みに兎型モンスターには遭遇しなかった。もし遭遇しても攻撃を当てられる自信がないので安堵した。



地下二階に来たがどんなモンスターが出現するか解らないので、直ぐにに逃げ込める様に転移装置の近くを歩き回る。


最初に発見したのは木型モンスターだった。二本の太い枝を腕の様にし、数多くの根を器用に動かしてゆっくりとこちらに向かっている。


「《ファイアーボール》!!」


一樹の放ったファイアーボールは木型モンスターに直撃した。幹の一部に引火した炎が瞬く間に全体へと燃え広がったが、気にする様子も無く向かって来る。


燃え盛る枝を振り回して来るが緩慢な動きのため余裕で避けてファイアーボールを放つ。

再び直撃すると木型モンスターは消え去り、石だけが残されていた。



再び現れた木型モンスターも同様に倒そうと狙いを定めて二連続でファイアーボールを唱える。ところがファイアーボールは一度しか発動しなかったため、燃え盛る太い枝が一樹に迫り来る。

困惑しながらも後方に跳んで回避したが、焦っていたため足を滑らせて尻餅をついてしまう。

原因に心当たりが有るようで腰につけた道具袋へ手を伸ばすが、無茶苦茶に振り回されている太い枝が迫っていた。



「……《チャージ》!《ファイアーボール》!」


ファイアーボールが木型モンスターに当たり間一髪で助かる。


魔法が発動しなかったのはロッドの保有ポイントを消費し切ったからであった。

最大保有ポイントは50なので、ポイントを無駄にしないためには使い切ってからチャージする必要があるのだ。

そのためこう言った事態はよく発生するのである。これに素早く対処できる事が迷宮内で生き残るための最低条件なのだ。


因みに今までの迷宮攻略における死亡理由の約四割が保有ポイントの把握ミスだったりするのだが、一樹が知る由も無い。



保有ポイントを気にする様にして再び迷宮探索を始める。

次に遭遇したのは一メートル程の木の棒を右手に持っている土でできた人形型モンスターだった。

先に発見されていたらしく、糸で操られているかの様なぎこちない動きで迫って来る。


一直線に駆けて来るが慌てずファイアーボールを二連続で唱える。

一発目は木の棒に阻まれたが、二発目は胴体部分に当たる。多少土を撒き散らしたが、燃え盛る木の棒を振り回しながら人形型モンスターは依然として向かって来る。

十分距離を保ちつつファイアーボールを放つが、またしても木の棒に阻まれる。

その瞬間木の棒が粉砕した。どうやらファイアーボール二発分の威力に耐えられなかった様だ。


再度ファイアーボールを放つと人形型モンスターは消え去り、石だけが残っていた。






万全を期すため火の石の予備が三個を切った時点で転移装置に向かう。


あれから木型モンスター四体と人形型モンスター三体と蜂型モンスター二体を倒していた。



蜂型モンスターは素早く空中を飛び回り、遠距離から針を飛ばして攻撃してきた。

ファイアーボールを放つが、針により相殺されたり回避されてしまう。



結局ファイアーボールを乱発してどうにか倒した。一発当てるだけで倒せたのが幸いだった。



因みに今回は無傷というわけではなく、身体の至る所に木の枝や棒や針から受けた攻撃の跡が見受けられた。

三時間程戦闘の連続だったため心身共に疲れていた。



特に問題無く転移装置に辿り着き、拠点へと戻って来る。


モンスターから得た石を売却して、装備品の修理や消耗品の補充をした。

売ってみたところ、木型モンスターも人形型モンスターも蜂型モンスターも一体400円だった。

防具の修理には一日必要ならしいので、新しい防具を買うことにした。

ロッドを予備用にもう一本欲しいので、今までと同じ安い物を買った。



昼食を摂った後、休憩しつつ地下二階の地図を書いていく。



十分休憩した後、再び迷宮探索に向かう。拠点には必要最低限の生活用品しかないので、基本的に暇なのだ。



結局この日は地下一階への転移装置を見つけられずに探索を終えた。

〔モンスター紹介〕


・ムーブウッド(木型モンスター):ファイアーボール二発で倒せる。攻撃に当たると痛い。一体400円。


・ソイルドール(人形型モンスター):ファイアーボール二発で倒せる。得物は木の棒。一体400円。


・ニードルビー(蜂型モンスター):攻撃魔法一発で倒せる。遠距離からの針攻撃が得意。針に毒はない。一体400円。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ