14プレゼント
「えみかちゃん、今日は僕の誕生日や。ねだってもええか?」
「ああ、もちろんいいぞ」
「僕は誕生日のプレゼントに忍者らしい物が欲しいんや」
「ふふっ、忍らしいな。目をつけてた物がある、買いに行こう」
こうして僕とえみかちゃんは日を選んで出かけていった、えみかちゃんは僕に贈ろうと思っていた物があるらしく、その歩みに迷いはなかった。えみかちゃんが僕をつれていったのはハンターギルドのフリーマーケットだった。ハンターギルドの地下がイベント広場になっていて、色んなイベントが開かれるのだった。今日はフリーマーケットというわけや。えみかちゃんはフリーマーケットで誰かを探していた。そして見つけたらしく僕の手を引っ張って歩いていった。
「おじさん、この前売っていた物はまだ残っているか」
「誰も買ってくれないから残ってるよ」
「私が買うから出してくれ」
「買ってくれるのかい、すぐに出すよ」
それは銀色の布で出来たスポーツインナーのような物だった。どうやら細かい鎖帷子で出来ていて刃も通さへんつくりになっているようや。鎖帷子ゆうたら忍者っぽい、僕は喜んでそのスポーツインナーを着てみた。サイズも僕にぴったりやった。着心地は悪うなくて、さらさらしとった。
「それじゃ、おじさん。約束どおり百万でこれを買うぞ」
「ああ、買って貰えて嬉しいよ。百万いただきます」
僕は焦った、この前えみかちゃんの誕生日に僕らが買った指輪は十万もしないのに、ぼくだけ百万もする物を貰うのには抵抗があった。でもえみかちゃんはこう言うた。
「百万で忍の命が守れるなら安い物だ、それは刃も牙も通さない。遠慮せず受け取っておけ」
「えみかちゃん、今度は僕もえみかちゃんを守れる物を買うで」
「それは来年の誕生日が楽しみだ、どんな物をくれるかわくわくして待ってる」
「ああ、楽しみにしててや。僕もこんなええもん探してくるわ。なんでこれが売れんねん」
するとおじさんはこう説明した。この鎖帷子を編む機械は自分で作ったが作るのに費用が掛かり過ぎた。だからできたスポーツインナーを百万で売ってる。百万払ってまでこれを欲しがる者は滅多にいないんやそうや。僕は特許出願してみたらどうやって言っといた。おじさんもそうしてみると答えた。
「刃が通らん服なんて売れそなもんやけどな」
「忍、百万は大金だ」
「ハンターでもそんな大金、簡単にだせへんか」
「そうだ、だから売れ残っていたんだ」
まぁとにかく僕は忍者っぽい物を貰って大喜びした。僕に服をくれたえみかちゃんも満足そうに笑っていた。そして僕はその場で百万だしてその服をもう一枚買った。そしてえみかちゃんに渡した。
「えみかちゃんも着とってや、刃がとおらん服やから怪我せんで済むで」
「私の誕生日は終わったぞ、受け取る理由がない」
「そんなことあらへん。僕えみかちゃんが傷つくのいやや。だから受け取ってくれると嬉しい」
「忍が喜ぶんならいいか。分かった、私もこの服を戦う時は着ておく」
こうして僕らは刃が通らない服を手に入れた。着心地もええし頼りになりそうやった。今度ダンジョンに行く時に着ていこうと僕は思た。えみかちゃんも服を着ていた、少し胸のあたりが苦しそうだったが、ダンジョンに行く時にはさらしを巻くから大丈夫だと言っていた。そうして僕らはそのままデートすることにした。思えば前にデートしたのは婚約指輪を買った時くらいやった。久しぶりのデートで嬉しかった。まずはこのフリーマーケットを僕らは見て楽しんだ。いろんな物が売っていた。スキルの書が売っていたのにはびっくりした、スキルの書というのは開けばそのスキルが自分の物になるという代物でかなり高い値段で売っているもんやった。その値段は一千万やった。僕は迷わんと一千万でそのスキルの書を買った。『剛力』というスキルで、強い力が出るというものやった。
「『剛力』も会得したし、良い買い物した。ほな次は昼食にしよか、えみかちゃん」
「スキルの書が売っているとは驚いたな。あれはめったにない物なのに」
「僕の運がええねん、でもスキルの書って誰が作っとるんか謎なんやよな」
「ああ、誰が作っているか分からない。神が作っていると言う者もいる」
神様がそんなことするんやろか。僕は神様がちまちまスキルの書を作っている姿を想像して笑った。えみかちゃんもそんなことがあったら笑えるなと言っていた。そして昼食を食べる店を僕らは探した、イタリアンレストランに入ってピザやパスタをたらふく二人で食べた。食べたい盛りやからな。高校生ちゅうんはそういうもんや。それから次はデートの定番で映画館に行った。ちょうど怖いホラー映画をやっていた。僕は長い黒髪の女にこの前のストーカー女を思い出して悲鳴をあげた。逆にえみかちゃんは冷静そのもので淡々と映画を見ていた。僕はえみかちゃんの手を握りしめて震えとった。そうしたらえみかちゃんが僕にほおずりしてくれた。映画館が暗いのをいいことに僕らはキスした。それからは怖い映画も平気になった。
「なかなか怖い映画だったな、忍」
「僕は悲鳴あげてしもたわ」
「彼女に似ていたもんな、あれは仕方がない」
「あのストーカー女、二度と会いたくないわ」
「次はどこに行こうか、忍」
「そやな、水族館なんてどうや」
「それはいいな」
「ほな、行こか」
僕らは水族館に行って沢山の魚を見た、大きな鮫もおってこんなんに噛まれたらいややな思た。えみかちゃんがいるかのぬいぐるみをずっと見ているので、僕が買ってえみかちゃんにあげた。
「ありがとう、忍」
「どういたしまして、それ僕や思て大事にしてな」
「うん、忍は可愛いな」
「えみかちゃんの方が可愛いわ」
僕らはずっと手を繋いで歩いとった、その左手の薬指には婚約指輪が輝いていた。僕は早う十八歳になってえみかちゃんと結婚したかった。そういえば結婚式の費用も貯めなあかんなと思た。これはダンジョンに行って稼がなければならない。また土日にはえみかちゃんと一緒にダンジョンに行こうと思た。
「大きな魚だな」
「ほんまや、なんの魚やろ」
「分からないけど、凄いな」
「そやな、なんや海ん中に入った気分や」
僕らは水族館を堪能した、そうして見て終わったらもう夜だったから、えみかちゃんを家まで送っていった。僕はまたデートがしたいと思た。だからえみかちゃんにもそう言うた。
「えみかちゃん、また僕とデートしてや」
「ふふっ、分かった。まだ誘ってくれ」
「うん、必ず誘うわ」
「忍とのデートは楽しいな」
それから僕らは行き先を変更した、あまり時間なかったけど僕の家に『瞬間移動』して、ベッドの上で愛し合った。えみかちゃんは相変わらず可愛かった。あんまり可愛い声でなくものだから腰が止まらんようになった。僕と繋がってえみかちゃんは気持良さそうやった。実際に気持ち良い、気持ち良い忍と言っていた。ほんまいつも思うが夢のような時間やった。そうして愛し合ったあとはお互いにキスをした。まだ足りないくらいだったが、もうすぐ僕の両親が帰ってくる時間だった。『瞬間移動』してえみかちゃんの家まで送っていった。えみかちゃんはまた笑って僕にキスしてくれた。僕はもうそれで満足やった。本当にえみかちゃんが愛おしくて堪らなかった。
「えみかちゃん、愛しとるで」
「私も忍を愛してる」
僕らは愛してると言いあって抱き合った。でもいつまでもそうしていられないので、残念やけどえみかちゃんは家に帰っていった。僕も帰ろと思って僕の家まで『駿足』で走っていった。えみかちゃんを抱いた感触がよみがえってきて体が温かかった。僕は本当に幸せやなと思た。
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