13怖い愛情
「うぐっ!!」
「私と忍さんの邪魔をするからこうなるんです」
西村麻依は警察と話しとったと思たら、その警察の人を包丁で刺した。そうしてまた僕に迫ってきた。僕は二度も刺されるようなへまはせんかった、西村麻依から包丁をとりあげて彼女を家にあったビニール紐で縛り上げた。そして刺された警察の人に『回復魔法』をかけたがもう死んどった。僕はもう一回別の警察の人を呼んだ、警察はすぐきて西村麻依を殺人の容疑で逮捕した。
「嫌です、忍さんも死んで私と一緒になりましょう!!」
西村麻依をはそんなことを叫んどったけど、僕は死ぬ気はさらさらなかった。そうして西村麻依は警察に連れていかれた。別の警察官に僕は事情を聞かれたから素直に答えた。警察に調べてもろたら西村麻依は両親も殺害していた、そして僕も殺そと思て僕の家に来たんや。
「何考えとるかさっぱり分からへん」
亡くなった警察の人は気の毒というほかない、僕はほんまに西村麻依が怖かった。刑務所に行くことになればいいけど、彼女はまだ十六歳だ。少年院に送られる可能性が高かった。そうして数年でまた出てくるその時の仕返しが怖かった。何はともあれ一旦この件は片付いた。
「忍、大丈夫か?」
「えみかちゃん、会えて嬉しいわ」
僕が高校に行ったらあんまり顔色が悪いからえみかちゃんが心配してくれた。僕はえみかちゃんに会えて本当に嬉しかった。刺されて死んどったらもうえみかちゃんにも会えんとこやった。そうして今日の朝あった出来事をえみかちゃんに話して聞かせた。えみかちゃんはびっくりしとった。クラスメートも僕の話を聞いて驚いていた。
「忍が死なないで良かった」
「うん、死んどったらえみかちゃんにも会えんかった」
そうしてお昼のニュースで西村麻依のことが流された、皆がニュースを見て驚いていた。なんや記者らしき奴らが学校を取り囲んどった。僕は取材を受けるつもりはなかったから、学校が終わったらえみかちゃんを『瞬間移動』で家まで送っていった。えみかちゃんは僕のことを抱きしめてくれてこう言った。
「忍は何も悪くない、ただちょっと怖い人間に目をつけられただけだ」
「えみかちゃん、ありがと」
僕はお礼を言ってえみかちゃんが家に入るのを見届けると『瞬間移動』で僕の家まで帰った。記者らしき人たちが家を囲んどった。地面に落ちた血の跡を指さしてカメラに向かって興奮して話しとった。僕はえらい疲れてしもて夕飯も食べずに風呂入って眠ろうとした。
「忍さん、一緒に死にましょう」
そして西村麻依に刺される夢をみて飛び起きた。あんの女は夢の中にまで出てきて僕を苦しめた。それからもよう眠れんかった、寝不足ぎみでえみかちゃんの家に『瞬間移動』した。
「忍、目の下にくまが出来てる」
「ああ、よう眠れんのや」
「私が一緒に寝てやろうか」
「ほんま、それやったらえみかちゃんの家にこっそりお邪魔するわ」
えみかちゃんの家で彼女と一緒に眠ると僕は安心して眠ることができた。時々怖い西村麻依の夢を見たけど、えみかちゃんがそんな時は抱きしめてくれた。僕はそれで安心して眠れた。目の下のくまも無くなった。僕はえみかちゃんの家から高校に通った。クラスメートたちも自分たちの中から殺人犯が出て動揺していた。西村麻依の友達であった者は震えあがっていた。ひょっとしたら自分たちも殺されとったかもしれないと思ったのだ。僕はえみかちゃんのおかげでだんだん元気を取り戻した。西村麻衣はやはり少年院に送られた。気になってちょっと調べたら、少年院でも僕のことが好きやと言ってまわってるみたいやった。少年院にいったということは何年かで出てくる僕は注意しとかんとあかんと思た。
「忍は怖い愛情を貰いすぎたな」
「あんなん愛情じゃなくて執着や」
「いや、好きだったのだからやはり怖い愛情だ」
「とにかく西村麻衣が少年院から出てきたら注意やで」
そう僕は思っとったんやけど、思ったより早く西村麻依に再会した。彼女は少年院を抜け出してきたのだ。なんも武器は持ってなかったけど、僕にすがりついてこう言った。
「忍さん、一緒に死にましょう」
「冗談やないで、なんで僕があんたと死ななあかんのや」
「私が忍さんを大好きだからです」
「あかん、警察呼ぶで。あんたの行先は刑務所や」
今度も警察は呼んだら飛んで来た。そして西村麻依を逮捕して僕から引き剥がしてくれた。西村麻依は暴れた、僕の名前を何度も呼んで暴れまわった。そうして警察の人はなんとか暴れる西村麻依を抑え込んでパトカーに乗せていた。その間も西村麻依はこっちを見ていてその視線が怖かった。僕はえみかちゃんの家に『瞬間移動』して、えみかちゃんに抱きしめてもろた。そうせんと恐怖でどうにかなりそうやった。西村麻依は少年院じゃなくて裁判の末に刑務所に入れられることになった。更生すればいいがその可能性は低かった。僕はえみかちゃんの家に通い続けた。そうしてえみかちゃんと一緒に寝ると怖い夢を見ても平気だった。僕はそんな生活を三カ月も続けた、えみかちゃんは辛抱強く僕のことを抱きしめて眠ってくれた。そうして貰ってるうちに僕はだんだん一人で眠れるようになった。えみかちゃんの家に通うのも止めて、僕の家で一人で眠った。悪夢も見なくなっていった。
「忍、本当に大丈夫か?」
「ああ、僕はもう平気や」
「そうか忍に元気が出たならそれでいい、また忍の家に行きたいけどいいか」
「僕はいつでも構わん、えみかちゃんを待っとるで」
そうしてえみかちゃんが僕ん家にやってきた。そうすると僕に抱きついてえみかちゃんはこう言った。
「忍、SEXしてもいいか」
「僕は構へんけど」
そうして僕とえみかちゃんは僕のベッドで愛し合った。ああ、えみかちゃんが好きだって愛してるって僕は思た。だからえみかちゃんを守らなあかんとも考えた。えみかちゃんを抱いていると、他に何も考えずにすんだ。えみかちゃんは相変わらず可愛かった。あんあん可愛い声でなくから、僕は何度もえみかちゃんを抱いた。えみかちゃんも僕を欲しがってくれた。夢のような時間やった。
「えみかちゃん、ありがと」
「ふふっ、元気がでたか?」
「そりゃもう元気いっぱいや」
「忍が元気になって良かった」
「やっぱり僕はえみかちゃんが好きや、愛しとる」
「私も忍が好きだ、愛してる」
僕はえみかちゃんと抱きおうた後、えみかちゃんを家まで送っていった。その間も僕たちはずっと手を繋いどった。えみかちゃんの手は温かこうて僕の不安を消し去ってくれた。僕はほんまにえみかちゃんが好きで良かったと思た。西村麻依の動向には気をつけんとあかんけど、えみかちゃんは僕に勇気をくれた。絶対にえみかちゃんを守りたいて思た。こうして大事な人がいてくれるから僕は戦っていけるんや。西村麻依になんか負けへん。彼女が刑務所を出てきても、僕とえみかちゃんを守り抜いて見せる。まぁ、その頃には僕らの間には子どもができとるかもしれへんな。その子どもかて守ってみせる。
「えみかちゃん、愛しとるで」
「ああ、私も忍を愛してる」
えみかちゃんの家の前でそう言って僕らはキスをした。元気の出るキスだった。勇気をくれるキスだった。僕は笑顔でえみかちゃんに手を振って帰った。えみかちゃんも手を振ってくれた。僕は常に情報収集しておくことにした。そうでないと僕とえみかちゃんを守れないからや。僕の大事なえみかちゃんだけは守り抜きたかった。そうや僕とえみかちゃんは結婚して幸せになるんや。他の奴なんかに邪魔はさせへん。僕はそう思て常に警戒しておくことにした。
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