01横領犯
僕の名前は大橋忍、黒髪に茶色い目をしていて物心ついた頃から最凶の忍者になってみたいという変人だ。幸いにもこの世界にはスキルというものがあった、神の力の雫と言われるそれはいろんなことができた。だから僕もスキルを使って最凶の忍者になってみることにした。最初に欲しかったスキルが『跳躍』だ。僕は電信柱の上にたつ自分を想像しながら幼い僕は何度もぴょんぴょん跳ねた。それはもう真剣に本当に電信柱の上まで『跳躍』する気だった。一日や二日では何も起こらなかったが、ある時ふいに僕は電信柱の上まで『跳躍』していた。
「これで『跳躍』は身につけた、次は『透明化』だな」
この『透明化』はなるべく音を立てず誰からも目立たずにしていると手に入るという、これを手にいれたものが女風呂を覗いたりして問題になってるが、僕から言えば不思議である。『透明化』で女風呂を覗くより、AVでも借りたほうが楽しいんじゃないかと思う。まぁそれはともかく僕は『透明化』を手にいれるために音を立てず目立たずに行動していた。そうして一カ月ほどたったら僕は鏡に映らなくなった。『透明化』を手に入れたのだ、これでこそこそ忍者活動ができる。もちろん姿を現したい時にはちゃんと鏡に映った。
「火遁と水遁と木遁と土遁は覚えたい」
まずは火遁の術これは炎をつかんで痛くなくなったら習得できる、だから僕はずっと炎をつかもうとして火傷して水で冷やして火傷しての繰り返しだった。そうして何百回目かに僕は炎をつかむことができた。手の上で炎が燃えていても平気になった。スキルでいうなら『火魔法』だった。水遁はひたすらお風呂で水に浸かって潜ってみたり息を止める時間をのばしていったりした。そうなことを夏休みに一カ月していたら水の中でも呼吸できて水を操れるようになった。スキル『水魔法』だった。木遁は木の葉に隠れたりする術で『透明化』ができる僕には必要なかった。土遁ではひたすら土をいじった。土の塊を自由に操れるまでひたすら土をいじった。そうしてまた一カ月ほどで使いこなせるようになった。『土魔法』のスキルだった。
「これで少し忍者らしくなった」
ちなみに『風魔法』というスキルもあって、これは攻撃に使えるなと思って、また風に当たり続けた。家の中では扇風機を使って風に当たり続け、それで一カ月ほどで風が操れるようになった。人間扇風機のできあがりだ。他にどんなスキルをとったら忍者らしいだろうと考えて、『瞬間移動』のスキルに挑戦した、だかネットを調べてみてもこのスキルは習得方法が分からなかった。身に着けている人はある日突然身についたのだと言う。僕は必死で隣の部屋に『瞬間移動』する自分を思い描いた。すると『透視』『遠視』というスキルが手に入った、遠くを透視できるスキルだった。そうして屋根の上で今後どうしようかうんうん唸っていたら足を滑らせて骨折した。
「何をしてたの、全く」
「屋根にはもう上るなよ」
さすがにいつもは仕事でいない両親にこの時ばかりは怒られた。そうして僕が骨折して動けないでいたらだ、急にトイレに行きたくなってナースコールを押した。でも誰も来てくれなくて漏らしそうになった、僕はトイレに行くことだけ考えていた。必死にトイレに行きたいと願った。そうしたら僕はトイレに『瞬間移動』していた。ドアを閉めてズボンを脱いでことを済ませた。そうしてからは自由に『瞬間移動』できるようになった、おかげで骨折が治って病院から家まで『瞬間移動』で帰れた。
「さて次は何を習得したら忍者らしくなるかな?」
こんなことを考えている僕がとうとう高校生になった、十六歳だった。物心ついてから最凶の忍者になることしか考えていなかった僕が高校生になった。僕はさっそくその高校のことを調べ始めた、そして誰と誰とが付き合っているとか、実は横領している経理の人がいるとか、屋上の鍵のスペアを手に入れたりした。僕はいろんなことを知り、沢山の人の弱みを握っておいた。それもこれも最凶の忍者になるのを邪魔されないためだった。えっ、十六歳なんだからいい加減目を覚ませ。失礼な僕はしっかりと目が覚めていて最凶の忍者になりたいのだった。
「なにやってんのよ、忍」
「えみかちゃんか、何か用?」
原野えみか僕の大切な幼馴染である、幼稚園の頃に僕が最凶の忍者になりたいと言って笑わなかったのが彼女である。彼女はハーフで茶色い髪に青い瞳をもっている。僕を笑わなかったから僕も大切な幼馴染として彼女を扱っている。他の奴らはどうでもいいけどえみかちゃんだけは守りたかった。
「よくわかんないけど、先輩たちがあんたのことしめるって言ってた」
「それは良い情報ありがと、僕『透明化』して帰るわ」
「ん、分かった」
「それじゃあね、えみかちゃん」
僕は『透明化』して電信柱の上に『跳躍』し、そのまま電信柱どおしの上を通って帰った。えみかちゃんのことが心配で『遠視』したけど、誰かに絡まれてる様子はなかった。でも僕をしめようとか誰の指示だろう、僕は何も悪い事してないのになぁと思った。そうや次に僕が身に付けなきゃいけないスキルが決まった、『回復魔法』だった。大勢からぼこられたりしたらさすがの僕も怪我をする、だから『回復魔法』は必須のスキルだった。僕は指先を少し切ってみて、治るように、治るようにと願った。結果、そんなに簡単に『回復魔法』は身につかなかった。仕方がないからしばらく練習することにした、これもまぁ地道にやっていたらなんとかなるだろう。そう思って僕は夕飯を食べて風呂入って寝た。
「さーてほとぼりはさめとるかな」
僕は何にもしてないのになんで先輩たちは僕をしめると言ったのだろう、そう思いながら『透明化』を使い、『跳躍』で今日も電信柱の上を飛んで高校にきた。姿を現して校舎の門を通ったら先輩たちに囲まれて校舎裏に連れていかれた。そしてこんなことを言われた。
「山本美智子さんが横領で捕まったのはお前のせいだろう!!」
「ええ!? そんなん僕は知らんわ」
「嘘をつけ、山本美智子さんがお前に警告されたと言ってたぞ」
「……あれほど、口外せんように言うたのにな」
「俺たちは皆、山本美智子さんに男にして貰った者だ。だからお前をこれからボコる、避けるなよ」
「そういわれたら避けるしかないでしょ」
僕は先輩たちの拳を避け続けた、スキルだけに頼っていない、体術も身につけている。そうして僕はさっさとその場から逃げ出して職員室に駆け込んだ。
「先輩らが僕を殴ってくるんです」
「はぁ、そうか。お前にも殴られる原因があるんじゃないか?」
「そんな僕は無実や」
「まぁ、そういうことがあるなら今度は証拠をもってこい」
先生達は冷たかった、僕は職員室を放り出されて考えた。証拠ちゅうたら携帯の録画機能でええかな。そう思って僕はのんびりと教室に入った。しかし山本美智子が先輩らをたべまくっとったのは知らなかった。僕にもまだまだ知らないことがあると思うとゾクゾクした。そうして昼休み時間に先輩たちに呼び出された僕は今度は携帯の録画機能でしっかりと録画した。そしてそれを動画配信サイトにバラまいた。案の定、僕の高校は大騒ぎになった。リンチをほったらかしにした先生、後輩に暴力を振るう先輩がた。全部、動画配信サイトで流れた。そのなかでのんびりと大騒ぎする周囲を眺めていた。
「忍、あんたの仕業?」
「僕は被害者、ほらっ少しわざと殴られたんやでぇ」
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