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第8話:抗う者

冷たい光が、結衣の記憶を破壊しようと迫る。それは、グランデールでの惨劇を思い出すような、恐ろしく冷たい力だった。結衣は、反射的にその光から身をかわす。


「あんたは、誰なの?」


フードの人物は何も答えず、再び手を伸ばす。その冷たい光が、結衣の持つ光の欠片に触れると、欠片は音もなく消えていった。


「やめて!」


結衣の心に、焦りと怒りがこみ上げる。彼女は、このままではすべての記憶を失い、自分が何者かもわからなくなる。


「ふざけるな。私から、大切なものを奪わないで!」


結衣は、あの日の川底で感じた怒りを思い出す。そして、その怒りを、今度は自分自身を守るための力に変える。


「想像の具現化……記憶の盾!」


彼女は、グランデールの家族との楽しかった思い出を想像する。母親の優しい笑顔、弟の無邪気な声、姉の温かい手。それらの記憶が、結衣の周りに、温かい光の壁となって現れる。


フードの人物が放った光は、その壁に触れると、チリチリと音を立てて消えていった。


「……何?」


フードの人物は、初めて動揺を見せた。


結衣は、その隙を逃さなかった。彼女は、日本のアニメで見た、格闘術を駆使するキャラクターの動きを想像する。そして、非力な体からは想像もつかないほどの速さで、フードの人物に飛びかかった。


「お前の理想郷は、誰かを犠牲にして成り立つものなの? それは、ただの暴力だ」


彼女の言葉に、フードの人物は激しく揺らぐ。結衣は、彼が放った冷たい光から、彼自身を守るための力を使っていたことに気づく。


この人物は、何者なのか?そして、なぜ結衣の記憶を消そうとするのか?



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