39話:結衣の奇策
火竜は、結衣が提示した「フラフープくぐり」の勝負に挑むことにした。結衣は、魔法で巨大なフラフープを空中に具現化させた。そして、ソラの背に乗り、先行してタイムを測り始めた。
「ソラ! 行くよ!」
結衣の合図で、ソラは、巨大なフラフープをくぐり抜けていく。結衣は、ソラを誘導し、次々とフラフープをクリアしていく。
「すごい! 結衣さま、ソラさま、頑張れー!」
牧場の仲間たちが、二人に声援を送る。
そして、ソラは、見事、すべてのフラフープをくぐり抜け、着地した。タイムは、1分30秒。
「さて、次は、火竜さんの番だよ」
結衣は、そう言って、火竜に微笑んだ。
火竜は、鼻で笑い、結衣に言った。
「私の勝ちだ。この巨体で、お前たちがくぐったような、小さなフラフープを、くぐり抜けることなどできん」
しかし、結衣は、火竜のために、彼の体が十分に通り抜けられる、巨大なフラフープを次々と具現化した。
「火竜さん、行ってらっしゃい!」
結衣の言葉に、火竜は、自信満々に、最初のフラフープをくぐり抜けた。
しかし、火竜がフラフープをくぐるたびに、彼の体は、徐々に小さくなっていった。
「な…なんだ、これは!?」
火竜は、自分の体が小さくなっていくことに、驚きと混乱を隠せないようだった。
結衣が作り出したフラフープは、見た目は巨大だが、実は、「ものを小さくする魔法のフラフープ」だったのだ。
火竜は、体がどんどん小さくなることに焦りを感じながらも、必死にフラフープをくぐり抜けた。しかし、彼の体は、どんどん小さくなっていき、タイムは、どんどんかさんでいった。
そして、火竜が最後のフラフープをくぐり抜けたとき、彼の体は、可愛らしい、小さな竜へと変わっていた。
「勝負あり!」
結衣は、そう言って、微笑んだ。
火竜のタイムは、10分30秒。
「…ま、まさか…」
火竜は、自分の姿を見て、言葉を失った。




