33話:ソラの怒り
冒険者は、結衣の言葉に激怒し、魔法を使い、結衣を威嚇した。
「そんなことはどうでもいい! いますぐ、その魔法の力を、俺に渡せ!」
冒険者は、そう叫びながら、結衣に襲いかかろうとした。
その瞬間、冒険者の背後から、巨大な影が迫ってきた。
「…なんだ?」
冒険者は、振り返り、信じられない光景を目の当たりにした。
そこには、結衣の相棒である、空飛ぶモンスター、ソラが立っていた。ソラは、冒険者の結衣に対する態度に怒りを覚え、その巨体を震わせ、唸り声を上げていた。
ソラの瞳は、怒りで赤く染まり、その巨体から放たれる威圧感は、冒険者の心を凍りつかせた。
「ひぃ…!」
冒険者は、恐怖に震え、その場でへたり込んだ。彼は、これまで、数々のモンスターと戦ってきた。しかし、こんなにも強大なモンスターは、見たことがなかった。
ソラは、冒険者に一歩、また一歩と、ゆっくりと近づいていった。冒険者は、恐怖のあまり、腰が抜けてしまい、逃げることさえできなかった。
その時、結衣が、ソラの前に立ちふさがった。
「ソラ、もういいよ。この人は、もう大丈夫だから」
結衣の言葉に、ソラの怒りは、一瞬にして消え去った。ソラは、結衣に優しく頭をこすりつけ、まるで、結衣を慰めるかのように、小さな声で鳴いた。
冒険者は、その光景を、ただ呆然と見つめていた。
彼は、モンスターが、人間のように、感情を持つことを知らなかった。そして、結衣の魔法が、モンスターを従わせる力ではなく、彼らの心を愛し、癒す力であることを知った。




