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5話:初めての共同作業

ハクロが結衣に心を開いてから、二人の関係は少しずつ変化していった。


以前は、ハクロが森の恵みを結衣の小屋の前に置いていくだけだったが、今では、二人で一緒に森へ入るようになった。


ハクロは、結衣に森の歩き方を教えた。

「この草は、毒だ。この実は、食べられる」

「この木に登れば、向こうの景色が見える」


彼は、結衣の歩く速度に合わせて、ゆっくりと歩き、言葉は少なくても、彼女を守ろうとしているのが伝わってきた。


結衣は、そんなハクロに、日本の知識を教えた。

「ハクロ、この木の実、ジャムにしてみない?」

「この草は、お茶にすると美味しいんだよ」


ハクロは、結衣が想像の力で作り出す、見たこともない道具や料理に驚きながらも、どこか楽しそうだった。


ある日、二人は森の奥深くで、大きな怪我をした鹿を見つけた。

ハクロは、その鹿を仕留めようとした。この世界では、それが当たり前だった。


しかし、結衣は、彼の前に立ちはだかった。

「待って! この子、まだ助かるかもしれない」


結衣は、ハクロの目の前で、自身の魔法を使った。彼女が想像したのは、日本の病院で見た、優しい看護師の手だった。その手が、鹿の傷を癒していく。


ハクロは、その光景を呆然と見つめていた。彼の知る世界は、弱肉強食。傷ついたものは、死ぬか、誰かの食料になるしかなかった。しかし、結衣は、その常識を覆した。


「結衣、お前は……」


結衣は、鹿の怪我を癒すと、ハクロに微笑んだ。


「大丈夫。私と、この子を、信じて」


ハクロは、結衣の言葉に、初めて、自分の世界ではない、新しい世界の可能性を感じた。そして、彼は、結衣と共に、新しい世界を築いていきたいと、強く願うようになった。

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