第31話:新たな家族、再び
結衣は、空を舞いながら、地上で自分を見上げる友人たち、そして見知らぬ人々の顔を見ていた。彼らの瞳には、恐怖と同時に、彼女への強い希望が宿っていた。
「結衣、すごい……!」
友人の声が、結衣の心に響く。
結衣は、たった一人でこの戦いを終わらせることはできないと悟った。そして、彼女は、異世界で自分が学んだことを思い出す。
それは、一人で戦うことではなく、仲間と力を合わせること。
結衣は、地上へと降り立ち、恐怖に震えている人々に向かって語りかけた。
「皆、私は、一人ではありません。私は、この世界を救うために、もう一つの世界から来ました。私は、あなたたちに、自分の身は自分で守れる強さを教えることができます。」
彼女の言葉に、人々は戸惑いを見せた。
「何を言っているんだ? 魔法なんて、物語の中だけの話だろう?」
しかし、結衣は、彼らの言葉に怯まなかった。
「物語は、ただの空想ではない。それは、誰かの想像から生まれた、真実の欠片です。そして、私には、その想像を現実にする力がある。」
彼女は、自身の「想像の具現化」の魔法を使い、空に舞い上がる。そして、彼女が想像したのは、かつて異世界で仲間たちに教えた、剣術や格闘術の知識だった。
彼女の周りに、無数の光の粒子が降り注ぎ、その光が、人々を包み込んでいく。
「さあ、立ち上がって。あなたの心にある悔しさを、力に変えましょう。もう、何も失わないために!」
結衣の言葉に、人々は、心の奥底に眠っていた「悔しさ」を思い出す。
そして、その悔しさが、彼らを戦う者へと変えていく。
結衣は、再び、新たな家族を築き始める。
そして、彼女は、この戦火に包まれた日本で、「最弱最強の魔女」として、「新しい家族」と共に、戦うことを決意する。




