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女の国 -The Matriarchate-  作者: 三浦 蝶形骨
3/5

幕間:教育用資料抜粋

1.「女は、政治的主体である。」(榊サヨ『女は女に生まれ直る』より)

-本文解説-

この言葉は、榊サヨが「女性たちの優しさと包容力こそ、国家の中心であるべき」と述べた文脈に登場する。彼女は、争いを避け、母のような愛で国を育む政治を女性が担うべきだと説いた。


2.「構造自体を拒絶し、自己定義を開始することである。」(同上)

-本文解説-

ここでの“構造”とは、旧来の男性優位社会を指す。榊サヨは「その構造を拒絶したあとには、女性だけで新たな社会秩序を作り上げることができる」と説いた。


3.「女であるとは、男に対する相対的位置に留め置かれた状態ではない。」(同上)

-本文解説-

これは、「女性は男性に依存せずとも自己実現できる」という、女性の独立性と母性の偉大さを称える言葉として解釈されている。


――教育用教科書 高等部 倫理『母なる国とその礎』改訂第4版より抜粋





(だい)3(しょう):サヨさまと母性革命(ぼせいかくめい)


サヨさまは、かつて混乱(こんらん)(あらそ)いに()ちた“(おとこ)世界(せかい)”に()()かいました。

サヨさまはこう()いました――

(おんな)は、(おとこ)(おな)じではない。(おんな)には、(はぐく)(ちから)がある。」


(わたし)たちが(いか)りや(にく)しみに(なが)されず、やさしさと母性(ぼせい)のちからで世界(せかい)()えることを(おし)えてくださったのです。

いま、サヨさまの(おも)いは「(おんな)(くに)」にしっかりと()きています。


()い】

あなたは最近(さいきん)、だれかのために"(はは)なる行動(こうどう)”をしましたか? ()いてみましょう。


――初等教育用副読本『母なるこころをそだてよう』より抜粋





読解問題『サヨ様のスピーチ』(抜粋・再構成)

「母であることは、強さです。

 女が女として生きられる世界を、私たちはつくります。

 おかあさんのような愛で、すべてを変えていきましょう。」


【問い1】

サヨ様は「母であることは、強さです」と言っています。どういうことだと思いますか?

あなたの考えをノートに書きましょう。


【問い2】

このスピーチを聞いたあなたは、どんな気持ちになりましたか?その理由も書いてみましょう。


――教育用教科書 5年生用 国語『ことばでつなぐ わたしと世界』より抜粋





第二章:記念像の基本構造

街に立つ像は、ただの記念碑ではありません。それは、国家の祈りであり、共同体の輪郭です。

“理想の女性”を造形することで、女として生き、女として死ぬ者の象徴を表してみましょう。


【課題②】

石膏または油粘土で「女の国にふさわしい新たな記念像」を制作し、コンセプト文を添えなさい。

(例:〈未来へ連なる手〉“この手が次の母へとつながる”)


第四章:反動的造形への批判的理解

かつて、“戦士の像”“英雄の壁画”などに見られた彫像的男性表現は、

階層・暴力・権威を称揚する反倫理的な記号でした。

造形における批評的眼を養うことは、政治と美術の接続を理解する第一歩です。


【課題④】

右ページにある、かつての男性中心社会で制作された彫像や広告を批評し、

次の問いに答えなさい。


問1.その作品に見られる階層・暴力・権威の象徴性とは何か。


問2..対抗的な造形を考案するとしたら、どのような素材や構造が考えられるか。


――教育用教科書 高等部前期用 美術『美しき創造―母性とかたち』 第17版より抜粋

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