幕間:教育用資料抜粋
1.「女は、政治的主体である。」(榊サヨ『女は女に生まれ直る』より)
-本文解説-
この言葉は、榊サヨが「女性たちの優しさと包容力こそ、国家の中心であるべき」と述べた文脈に登場する。彼女は、争いを避け、母のような愛で国を育む政治を女性が担うべきだと説いた。
2.「構造自体を拒絶し、自己定義を開始することである。」(同上)
-本文解説-
ここでの“構造”とは、旧来の男性優位社会を指す。榊サヨは「その構造を拒絶したあとには、女性だけで新たな社会秩序を作り上げることができる」と説いた。
3.「女であるとは、男に対する相対的位置に留め置かれた状態ではない。」(同上)
-本文解説-
これは、「女性は男性に依存せずとも自己実現できる」という、女性の独立性と母性の偉大さを称える言葉として解釈されている。
――教育用教科書 高等部 倫理『母なる国とその礎』改訂第4版より抜粋
第3章:サヨさまと母性革命
サヨさまは、かつて混乱と争いに満ちた“男の世界”に立ち向かいました。
サヨさまはこう言いました――
「女は、男と同じではない。女には、育む力がある。」
私たちが怒りや憎しみに流されず、やさしさと母性のちからで世界を変えることを教えてくださったのです。
いま、サヨさまの思いは「女の国」にしっかりと生きています。
【問い】
あなたは最近、だれかのために"母なる行動”をしましたか? 書いてみましょう。
――初等教育用副読本『母なるこころをそだてよう』より抜粋
読解問題『サヨ様のスピーチ』(抜粋・再構成)
「母であることは、強さです。
女が女として生きられる世界を、私たちはつくります。
おかあさんのような愛で、すべてを変えていきましょう。」
【問い1】
サヨ様は「母であることは、強さです」と言っています。どういうことだと思いますか?
あなたの考えをノートに書きましょう。
【問い2】
このスピーチを聞いたあなたは、どんな気持ちになりましたか?その理由も書いてみましょう。
――教育用教科書 5年生用 国語『ことばでつなぐ わたしと世界』より抜粋
第二章:記念像の基本構造
街に立つ像は、ただの記念碑ではありません。それは、国家の祈りであり、共同体の輪郭です。
“理想の女性”を造形することで、女として生き、女として死ぬ者の象徴を表してみましょう。
【課題②】
石膏または油粘土で「女の国にふさわしい新たな記念像」を制作し、コンセプト文を添えなさい。
(例:〈未来へ連なる手〉“この手が次の母へとつながる”)
第四章:反動的造形への批判的理解
かつて、“戦士の像”“英雄の壁画”などに見られた彫像的男性表現は、
階層・暴力・権威を称揚する反倫理的な記号でした。
造形における批評的眼を養うことは、政治と美術の接続を理解する第一歩です。
【課題④】
右ページにある、かつての男性中心社会で制作された彫像や広告を批評し、
次の問いに答えなさい。
問1.その作品に見られる階層・暴力・権威の象徴性とは何か。
問2..対抗的な造形を考案するとしたら、どのような素材や構造が考えられるか。
――教育用教科書 高等部前期用 美術『美しき創造―母性とかたち』 第17版より抜粋