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薩摩人活動記録書:第十二日目


教員会議の騒動と王からの謁見命令


記録日時: 聖暦2525年4月12日、午前中

記録者: 薩摩人活動記録係 筆頭調査官 エルヴァード・フォン・グロリアス


今朝、薩摩寮の温州みかん畑は、もはや一つの小規模な農園と化していた。


彼らは畑の隣に、竹を組んで作ったらしき「貯蔵庫」まで建設しており、「これでいつでも新鮮なみかんが食えるじゃっど!」と満足げに笑っていた。


彼らの開墾に対する情熱には、もはや感服するしかない。


私の精神は既に疲労の極致にあり、昨夜は悪夢にうなされた。


午前中、学園長室で緊急の教員会議が開かれた。


議題はもちろん、薩摩人たちの連日の暴挙についてである。


病欠中のエアル先生とミネルヴァ先生を除く全教師が参加し、会議室には重苦しい空気が漂っていた。


学園長は深いため息をつきながら、開口一番に言った。


 「皆も承知の通り、薩摩人たちの行動は既に学園の秩序を大きく乱しています。図書館は半壊し、訓練施設も損壊、授業はまともに進まず、挙げ句の果てには勝手に学園外に出て盗賊団を壊滅させる始末。彼らをどうにかしなければ、学園の評判、ひいては王国の名誉に関わります」


ロドリゴ先生は「彼らは我々の指示に一切従いません! 減点しようとすれば切腹しようとするし、力ずくで止めようとすれば、逆に『チェスト』してくる始末です!」と憤慨した。


ガストン先生も「彼らの戦闘スタイルは規格外です。訓練用模型がいくつ破壊されたことか! あのままでは、実戦訓練で他の生徒にまで被害が出かねません!」と顔をしかめた。


しかし、教師たちの意見は割れた。


ユリウス先生は、顔色を悪くしながらも、「確かに彼らの採取方法は問題ですが、持って帰ってきた薬草の量は莫大でした。品質はともかく、あの量は驚異的です……」と小さく擁護した。


そして、昨日いじめから救われたアレンとリリアンが所属するクラスの担任教師が、やや戸惑いつつも口を開いた。「彼らのやり方は乱暴ですが、その……いじめを受けていた生徒を助けてくれました。その義侠心は、勇者として見習うべき点があるかと……」


議論は平行線を辿り、結論が出ないまま時間が過ぎていった。


教師たちは疲弊し、互いに顔を見合わせるばかりであった。




記録日時: 聖暦2525年4月12日、午後3時

記録者: 薩摩人活動記録係 筆頭調査官 エルヴァード・フォン・グロリアス


教員会議が紛糾する中、突如として学園長の元へ、王宮からの緊急の伝令が届けられた。


伝令は、王宮騎士団の厳めしい顔をした騎士であった。


騎士は、学園長に一枚の羊皮紙を差し出した。


学園長がその羊皮紙に目を通した瞬間、彼の顔色は青ざめた。


 「ば、馬鹿な……国王陛下が、薩摩人たちに謁見を……!?」


その言葉に、会議室にいた教師たちは一斉にざわめいた。


国王が、入学してわずか10日余りの新入生、しかも問題ばかり起こしている薩摩人たちに謁見を求めるなど、前代未聞の出来事であった。


騎士は無表情に告げた。


 「国王陛下は、先日報告された盗賊団壊滅の一件、そして彼らの『規格外の才能』に並々ならぬ関心をお持ちです。即刻、薩摩人たちを王宮へ連れてくるように、とのご命令です」


教師たちの間には、困惑と不安が広がった。


 「国王陛下に謁見など、彼らはまともな礼儀作法すら知りませんぞ!?」


 「一体、王宮で何を仕出かすか……想像するだに恐ろしい……」


学園長は頭を抱え、「一体、どうすれば……」と呟いた。


彼らの型破りな行動は、ついにこの世界の最高権力者である国王の耳にまで届いてしまったのだ。


そして、その関心は、学園での混乱をさらに加速させる引き金となるだろう。


私は、この謁見が、薩摩人たちの歴史における新たな転換点となることを予感した。


そして同時に、私の精神が完全に崩壊する日も、そう遠くないのではないかという予感もした。




私の胃は、もはや常に痙攣している。


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