1話「何処」
登場人物プロフィール
左 天薫…東京都千代田区出身。都内でも有数の進学校に通う高校1年生。頭脳明晰で、全国模試は常に上位。人当たりがよくみんなに慕われているが、ちゃんと交流しているのは幼なじみの皐妃のみ。
方喰 皐妃…天薫と同じ学校に通う千代田区出身の高校1年生。子供の頃から天薫と共に過ごし、現在に至る。何度か彼氏がいたことがあるが、どうも合わないらしく、なんなら天薫の事が少し好き。
信田亥隼…天薫たちと同じ高校に通う高校1年生。出身は新潟の南魚沼市であり、自己紹介のときにそれを言ったところ、クラスでのあだ名がコシヒカリになった。入学式のときに初めて出会った天薫を意識している。
ちなみに本話は入学してから2ヶ月後の話である。
「はぁーもうまじで疲れた。ねぇ天薫放課後フラぺ飲みに行こぉ〜」
天薫「しょうがないなぁ。でももう奢らないよ?皐妃ってばもう3回くらい私にツケてるのに」
皐妃「将来宝払いするからぁ〜」
天薫「ありったけの夢集めんな金集めろ」
皐妃「もう分かったよぉ。じゃあ行こっ」
天薫「うん」
………"お店"………
皐妃「ねぇ天薫、
あんたは彼氏とか欲しくないの?」
天薫「いや…まぁいい人がいれば?」
皐妃「どんなタイプ?
イケメンなのは外せないとか?」
天薫「別にそれは…そんな問題じゃないというか…」
皐妃「じゃあ頭いいとかスポーツ出来るとか?…
って言っても頭はあんたが上やね、
全国模試次席さん」
天薫「それは関係ないからっ」
皐妃「んで?どんな人がいいの?」
天薫「それは…」
………"通学路(入学式の日)"………
天薫「同じ高校生だったね、またよろしく」
皐妃「うん、よろしくね〜」
ポトッ
皐妃「なんか今音しなかった?」
天薫「え?そう?」
皐妃「いや、気のせい気のせい」
・
・
「…あれ、なんか落ちてる。学生証…てか同じ高校だ。それなら…」
・
・
天薫「あれ、学生証がない!」
皐妃「嘘でしょ、初日だよ?」
天薫「ホントだよ、どうしよう。カバン空いてるし
やっぱり落としたみたい。」
皐妃「落としたって…やっぱさっきの音はそれかぁ」
天薫「ちゃんとみとけば良かった…事務室に言って
また作ってもらわなきゃいけないのかなぁ。」
「はぁ…はぁ…あ、あの!」
天薫「はい?」
「これ…通学路に落ちてて、同じ高校だったから…」
天薫「学生証!拾ってくれたの?ありがとう!」
「ど、どういたしまして」
天薫「ほんと助かったよ。
でもよく教室分かったね、
1年5組まであるのに。」
「全部まわって…見つけられたんだ」
天薫「ほんとに?
別に先生に渡してくれてもよかったのに…」
「君に直接渡したくて!」
天薫「え?///」
「あ、いやそういう事じゃなくて、
直接渡した方が早いかなって思って…///」
天薫「そそそそうだよね!」
「そうそう、いきなりきてごめんね」
天薫「全然!寧ろ嬉しいよ!」
「それならよかった。じゃあ教室戻るね」
天薫「あ…うん」
天薫「まって…名前は?」
「信田 亥隼だよ」
天薫「亥隼くんね…私は左 天薫。天薫でいいよ。」
亥隼「よろしくね、天薫さん。」
天薫「うん…」
・
・
………"お店"………
天薫「………」
皐妃「おーい、聞いてるかー。」
天薫「え?あ、ごめん。」
皐妃「んん?…もしかしているな?いるんだな?」
天薫「え、いや直接来られたからってす…好きになる
理由にはならないし…」
皐妃「いやそんな事いってない…ん?それって…」
天薫「……///」
皐妃「なるほどねぇ…まぁ顔は普通だったけどピュア
っていうか…いい子ではあるよ。」
天薫「誰のこととも言ってないけどっ!!///」
皐妃「はいはいそうですか…で?告るの?」
天薫「いや…まずはと、友達から…///」
皐妃「まぁいきなりはね…いいと思うよ〜…ふふっ」
天薫「……/」
皐妃「明日はまず彼の教室に行って
連絡先交換するかぁ」
天薫「い、いきなり連絡先は難易度が…」
皐妃「でも彼もあんたに言われたら
満更でもないっしょ、直で来たくらいだし」
天薫「……わ、わかった。」
皐妃「よし!とりあえず今日は帰ろっか。
また明日話し合お。」
天薫「うん。」
………"通学路"………
天薫(いきなり来られてびっくりしたけど、亥隼くん
優しそうだったな…連絡先か…ふふ)
と思っていた矢先、天薫は頭に激痛を覚え、倒れ込んでしまった。
天薫「い…痛い…なに、これ…うぐ…」
気合いで辺りを見てみると、天薫と同じ高校生がみな地面にうずくまっていた。苦しんでいるのを見て、天薫はこれが特定の集団に見られるヒステリーのようなものだと思った。
天薫「も…無理…」
天薫は気絶してしまう。そして夢に似た何かに誘われる。
天薫「ここは何処?」
今回初めての投稿です!皆さんに面白いと思って貰えるように頑張ります。 サイタマ