第十話「入学試験」
試験が始まったが全くエリミアが攻撃してくる動きはない。
ましてや挑発するように指を立てて動かしている。
「こっちから来いってことかよ」
「どうするシン?
下手に突っ込んでも実力差考えたら相手にならないぞ」
玲央の言う通りだ策を練らなきゃ純粋な戦闘力でつぶされる。
ジオとの条件、エリミアの魔法を暴くためにはまずある程度戦闘を長引かせなくてはならない。
「それならまずはこれだろ!」
地面を抉り土を空中に投げ飛ばし走り出す。
「『再構築』!」
シンは飛び出し空に浮く土と地面に魔法を使い空と陸の刃でエリミアを襲う。
「遠距離と二段構えで繰り出すのは初手の動きとしてはかなりいいけど」
朝陽が言い終えかけたときにシンの刃がエリミアに迫ったがそれをエリミアは難なく魔法で生成した水晶で覆った杖で受け魔法攻撃を基本魔法で相殺した。
「魔法職相手に単純な魔法での接近は弱い7点。
甘いな小僧見込み違いじゃったか?」
がっかりしたような声と見下した目でシンの一連の行動をしたエリミアは少し悲しげな表情を浮かべたまま杖を持たない右手で反撃のための魔法を構えた。
嫌まだ読み通りの行動だ。
「すぐ油断とは甘いのはそっちなんじゃねえのかっ!」
「これは⁉」
シンの周りに相殺されたん魔法の粒子が集まりシンが顔を上げた瞬間一気に周囲が吹き飛んだ。
「まさかあれって⁉」
朝陽は記憶に鮮明に残っている技。
シフナスの骸の竜巻の再現に驚きを隠せない。
驚きの中爆発の中からシンが戻ってくる。
「牽制程度の一撃だけどどうだ?」
至近距離の一撃だったとしても攻撃が通っているとは決して想像しない。
シンは魔力探知を解かず警戒したまま後退する。
「手応えあったかシン」
「んにゃ全く。
まずちゃんと当たったかすら疑わしいな」
「そもそもあの人自分で防ごうとしてた?」
全員で情報やらを整理する暇はないと告げるが如く煙の中から槍がシンと朝陽の間を取り抜けた。
「「ひぇっ」」
「なになになに?すっごい速さで飛んできたけど?」
「あの女…まさかのゴリラタイプだったか」
「まじめな顔して何言ってだ」
今飛んできたのは、槍か?
それも銅で創られたものだ。
かなりの速度で飛んできたな筋力の増強、それとも金属系統の創生かどちらにせよ今の威力的にモロに当たればアウトだな。
顔面すれすれに槍がかすっても冗談を言うシンは飛んできた槍の方を見やるとそのやりがどこにもないこ
とに気づきすぐにエリミアの方へ視線を戻す。
「ずいぶん派手な牽制じゃな小僧。
想像以上じゃな」
シンが目にしたエリミアは20程の銅像の中心で3メートルはある銅像の肩に乗っていた。
なるほどゴリラを召喚するタイプか。
「そっちこそ、ずいぶん派手な騎士たちなんじゃねえの」
「シンあれってまさか」
「まあ召喚系だよな。
朝陽的にはどう思う?」
「僕も召喚系の類だとは思うよ。
でもジオがこの戦いでの課題にした魔法、ただの召喚じゃないよね」
あの数を一気に召喚したのか。
見た感じに20体はいる。
魔法発動のがバグってんな最初の俺の剣顔すれすれでも防げてたんじゃないか?
今わかる情報だけで判断するならただの召喚系だ。
歩兵が10体、魔法兵5体、本を持った魔法兵、槍と盾持ちの巨兵、石板を持った兵がいる。
「さて貴様たちはどれほど耐えて折れるのか見せてもらおう。
行け。」
エリミアの一声で命を宿したかのように一斉にシン達へ向かい出す。
「みんな来るぞ!」
「俺は歩兵をやる。
朝陽と玲央で奥の槍兵を頼む。」
「俺は何すりゃいいんだ?」
「豊は積極的に魔法兵を潰してくれ。」
大まかな役割の分担を済ませ各々がターゲットに向かっていく。
その様子を高みの見物決め込んでいるエリミアを一瞥しシンは疑問を抱えながら歩兵を迎え撃つ。
一体一体は大して強くはないでもさっきからこいつらに核が見当たらない。
基本術者によって創られたゴーレムや召喚獣は体の一部に核を内包している。
だがこいつらにはその核が見当たらない。
「まあ核潰してねえからそりゃ起き上がるか…」
核を潰すまたは術者の魔力が切れなければ召喚獣は死なない。
このまま核を見つけられなければじり貧でこっちがやられる。
玲央たちの方に目をやればあちらも同じくいくら攻撃を与えても倒れるどころか怯みすらしない槍兵に苦戦を強いられていた。
「玲央一回退こう策がないのに戦り合っても負けるのはこっちだ」
朝陽は一度玲央を槍兵から離し立て直しを図ろうと声をかける。
槍兵は玲央を追わず自身の槍と盾を修復しだす。
「なんか見てて分からないか朝陽?」
「なんとなく感じたことなんだけどアイツ、少しでも武器が傷ついたら修復してるんだよね。」
先ほどから攻撃が楯や槍にはじかれることは多くありそれによる武器の損傷があちらには見られた。
だが、即座に損傷した武器を修復している。
「あの武器に何かあるんじゃないのかな?」
「できればそれは豊にも共有して欲しいな!」
シンが二人に合流し背中合わせで互いの敵を見る。
「豊が魔法兵をやってくれてる分こっちはかなり楽に立ち回れてはいるんだけどな。」
やはり手ごたえを感じない。
玲央たちの相手にしている槍兵とは違いこっちの歩兵にあからさまに何かを示すそぶりは見られない。
「いちいち考えてもめんどくせえな。
一旦全部吹き飛ばすぞ玲央。」
「それでも立ち上がってきたらますます頭が痛くなるな。」
シンは敵をいなしながらしびれを切らしたのか単純に切れたのか大胆な策を出した。
「バフかけるよ二人とも」
朝陽のバフを受け取ると玲央は『付与』を使用し空に舞い上がる。
玲央が魔力をため始めたことを察知したのか魔法兵が照準を豊ではなく玲央に変え始めた。
「エリミアが支持していないのにターゲットを変えた?豊、玲央を守れ!」
「よくわからんけど了解!」
基本の召喚魔法なら手をかざすなりなんなりのエリミアの支持ありきで動くはずだろ。
自立して動くのならこいつ等は召喚魔法の域を出ている。
「考えても仕方ねえか。来いよがらくたども打ち上げてやるよ付与 世写の四肢」
剣を一度地面に刺しスフナス戦で見せた付与で四肢を覆う。
「ほう。あの付与、中々に良い使い方をしておるな」
シンは歩兵たちの攻撃を捌きながら足への反撃をし体制を崩していく。
後6体、玲央のチャージももうそろそろ溜まるはずだ。
なら少し強引にでも全員打ち上げるしかないか。
大きく飛び上がり腕の照準を歩兵たちに合わせ狙いを定める。
「捕縛」
瞬間シンの拳骨から再構築によって作り出された縄のような物が射出され歩兵たちに巻き付く
「そおらよっ!」
背負い投げのように大きく振りかぶって捕縛した歩兵たちを叩きつけ、さらに捕縛状態のまま回転をし遠心力を利用し玲央の方に投げ飛ばす。
「お前もとんでけ」
すかさず朝陽一人でさばいている槍兵まで駆け足を崩しアッパーカットで打ち上げる。
「握りつぶせ再構築」
地面から追い打ちのようにシンの魔法がエリミアの兵隊を襲い包み込む。
「朝陽今だやれ!」
「詠唱完了してますよ!凍て刺せヴェルドラード!」
詠唱を完了させた朝陽の魔法がシンの魔法により捕縛されている兵たちを凍て貫いた。
「ベストタイミングだぜシン。凍て燃えろ 『氷の恒星』!」
玲央が炎をまとった流星となりシンと朝陽の作り出した氷星に落ちていく。
凍結された身を瞬時にそれを凌駕する炎が焼き焦がす。
「あいつらに感覚があるとは思えないけど破壊力は十分なはずだ。」
でも槍兵はまだだな。
あれで壊れんなら初手の俺の一撃で傷ついてる。
「シン、落ちてくるよ!」
「おっとあぶな!」
ある程度数は減らせたのか?
いや歩兵以外が生き残っている。
なるほどな防御面で歩兵に並ぶか劣る本持と石板持ちの兵が倒せてないのは槍兵が守ったのか。
落ちてきた兵は歩兵、魔法兵が消滅していたが他三体は生き残っていた。
槍兵の胴体には少しの傷と焦げ跡が残るものの本持と石板持ちの兵には損傷は見られなかった。
「いつまで傍観してるんだエリミア。
あんたも戦えるんだろなんで戦おうとしない」
「まだ我と直接やるにまでお主らは力を示せておらん。
まずは我の兵を倒してみてからじゃな」
答えを知っていたシンははいはいと聞き流し槍兵へ目をやる。
こいつらに感じる違和感がまた増えた。
さっきまで何度倒しても再生をし続けた歩兵たちがあの一撃では再生紙亡くなった。
この原因としては倒し方の違いだな一気に倒すことが条件だったんだろ。
次だ、今見ていて気付いたが槍兵の損傷がおかしい。
奴らは武器も体と同様銅で創造されているはず、ならなぜあの攻撃を受けて体は傷ついてあいつらの武器は何一つ傷がない。
「なんか引っかかるんだよな」
「ねえシンさっき言えてなかったんだけどさ、僕と玲央が槍兵と戦ってるとき魔法で援護してたんだけどさ。
楯で防がれるって寄りは魔法を弾いてるように見えたんだよね」
「そうだな。それは俺も感じたよ楯に特殊な魔法式でも決まれてるんじゃないのか」
魔法無効の魔法式かかなり厄介だな。
でも確かめたいのはそれじゃない。
世写の四肢で出せる最高火力で試す。
「豊、玲央、次は俺がやる、
槍兵以外の二体を抑えておいてくれ」
「合点!」
「一人で大丈夫か?」
「問題ないそれにこれに関しては多分一人でやった方が成功率高いしな。
朝陽は本持のやつに魔法を使わせないようにしてくれ」
「りょーかい任された」
豊と玲央に槍兵以外の妨害を任せ、朝陽には魔法による魔法の妨害を指示した。
作戦を伝えている内にも槍兵の傷が修復されて行っていた。
焦げ跡が消えていっている。
破壊されいていなくても自動的に修復は行われていくのか。
「行くぞ!」
シン合図で各々が走り出す。
槍兵は楯を構え、本持ち兵は魔法を唱えだす。
石板落ちの兵は手を地面に置き周囲の地形を変形させ始めた。
さて槍兵、お前が一番試しやすいって理由で選んだけど完全な隙を作るにはどうするべきか。
構えはしっかりとしていて腰も入っている…切り崩していくか。
シンは相手に隙が見当たらないことを察し切り崩そうと距離を詰め始める。
槍を投げを刺せないように魔法を使いながら近づいていくが、朝陽の予想の通りすべて楯によって弾かれた。
「やっぱ魔法弾けるのかあれ。
槍の方にも何かしら魔法式が刻まれてるのか?」
槍への警戒心を少し高めながら互いの間合いまで接近すると大ぶりの槍の薙ぎ払いが飛んできた。
うまく体をのけぞらせ槍兵の攻撃を避けたのちその体制のまま身をひねり槍兵の顔面にけりを入れる。
あぶねえ普通に殺す気なの試験としておかしいだろ。
それに攻撃を入れた感じかなりの防御力を持ってるなアイツ蹴り入れたときの感触が歩兵とはけた違いだった。
まともにやりあって勝つのは時間がかかりそうだな。
でも一撃のための隙を作るのには問題ない。
シンはすかさず槍兵との距離を潰し体制を立て直す前に猛攻撃でダメージを与える。
槍兵の武器の持ち手を掴み地面から伸ばした再構築の縄で縛りあげる。
「まずは体」
シンの一撃が槍兵の鳩尾を捕らえ見事に打ち抜く。
槍兵の体は腹部に穴があき体を保てなくなったことで崩れ落ちた。
だが少しすると槍兵の体は再び作られ何事もなかったかのように立ち上がった。
やっぱな、今の攻撃は楯で防げば自分の身は守れたはずだなのにアイツは体で受けた。
武器の破壊を拒絶しているとしか見れない・
この結果はわかっていた。
単なる破壊が倒すための条件ならば俺があいつらの武器に感じた違和感は意味を失ってしまう。
奴らの損傷の修復が武器に対してだけ異様に早いことが関係があるのなら次に狙うべきは楯と槍の同時破壊だ。
再生しきった槍兵にすかさず攻撃を打ち込むが楯に防がれた。
歩兵より再生速度が速い…そこは個体差があるのかまあいい。問題は武器二つをどうやって同時破壊するかだ。
武器の破壊がこいつらを倒す条件って仮定があってるとしてもまだエリミアの魔法の本質の理解には少しも届いていない。
玲央と豊、朝陽たちも破壊はできているが消滅させられてはいない。
シンも槍兵の攻撃を受けながら積極的に武器の破壊を狙うも一歩届かず体に誘導される。
「そろそろ十分か」
シンが槍兵へ手を向けると槍兵の体の中からあふれ出した粒子が地面に突き刺さり槍兵を固定する。
槍兵は粒子の槍がありとあらゆる関節部から生え身動きが取れなくなる。
「やっと好き放題できるようになったな」
いつ拘束をやぶるか破るかわからないしとりあえず武器の破壊しとくか。
色々見たいんだけどな。
まあそこはまた見せてもらうか。
ガタガタともがきながら拘束を解こうとする槍兵にさらに拘束を強めながら武器を腕ごと切り落として奪い拳を振り落とし破壊する。
槍と盾を破壊された槍兵は動きが徐々に弱弱しくなり完全に動かなくなった後砕けて消えた。
「やっぱり武器が本体かよ。
お前ら武器だ!
武器の破壊でこいつらは倒せる」
「なるほど道理で一生再生するわけだ」
倒し方がわかれば槍兵よりはるかに弱い残り二体はもすぐに倒された。
兵がすべて倒されたエリミアはいつ間にか始めていたティータイムを止めこちらに近づいてくる。
「よくぞ倒した小僧たちよ思ったより早かったの!
それで我の魔法はわかったか?」
「なんであんたがそれしってるんだ?
ジオが俺たちに私か課題だろそれ」
「お主たちより前に挑んだ小娘たちも同じ課題じゃったからな。
まあ、あ奴らはあてられなかったが」
エリミアの魔法がなんなのか、銅像の召喚。
それだけではありえない点が多いのでそれはなし。
なーんか引っかかるんだよな魔法を弾く楯、高度な魔術書、自立する銅像…は多分石板持ちの兵の能力だろう。
「…エリミアこの国には独自の神がいたよな」
「そうじゃな大国ならば独自に進行する神がおるものじゃ」
「じゃあ次の質問だ。
この国の神に槍と盾を使う知恵の神はいるか?」
「ああおるな」
「名前は?」
「ミネルヴァじゃ」
やっぱりな以前ファナドスについての歴史を調べているときやけに神に関する解説が多いと思った。
知ったところでだしあまり詳しく読んでなかったが、覚えておこうと思ったところはあった。
たしか、
「上位貴族は神の現身、あのお方たちのお力さえあれば我らの勝利は遠くない。
だったか?この国の上位貴族は神と何か関係あるんしゃないか?」
「つまりはどうゆうこと?」
「エリミアさんの魔法はこの国の神関係するものってことだよ豊」
「してシンよ貴様はどのような魔法だと考える」
神に関連する魔法、あの召喚魔法のどこが神に関連するかって言ったらやっぱりあの武器だろうな。
そう考えたら。
「神の権能を持つ兵の召喚、とか?」
わけのわからん心を読んでくる力も権能ことなら得心が行く。
なにより俺はあの鎧兵たちの特徴に少し心当たりがある。
「中々いい推測じゃな。
じゃが80点じゃ」
「えーめちゃくちゃ筋通ってたしあたりだろ!」
「落ち着こう豊僕から見てもあの兵には歪なところが多かったし兵は関係なしに神の権能を使えるものなんじゃないかな」
「ほう槍の小僧なかなかに良いと頭じゃなそれが正解じゃ」
なるほどな銅像の兵が権能を使えてたのは魔法の転用だったのか…腑に落ちた。
それにしても俺が図書館で本を調べてなかったら無理だったんじゃないか?
いやそこまで読んでのこの条件か。
「では正解した褒美にさらに上の魔法を見せてやろう。
定員は一人じゃ。
「魔法の上の世界」
「見たいなら行って来いよシン」
「いいのか?」
「俺は多分わかんないしな」
「僕も基礎の使い方からうまくなりたいから今見るとね」
シンの高揚を察したのか三人はエリミアの魔法を見る権利をどうぞどうぞとシンに譲る。
三人の気持ちをくみシンはエリミアに歩み寄る
「それじゃあ頼む」
「よかろう」
エリミアは杖で地面を小突く。
すると杖の先から透明な球体が広がり俺とエリミアを包み込んだ。
「なんだこれもしかして結界か?」
「その通りよく勉強しておるな。
そもそも結界とは生跡魔法を刻んだ己の世界をこちらの世界に連れてくることじゃ。
それにより魔法の精度、そして威力が上昇する」
本職この学園の理事長なだけある。
わかりやすい説明で結界の原理を開設しながらエリミアはさらに結界を発動させていく。
「そして面白いことにこの結界は重複させることができる。
結界一枚で魔法の威力はおよそ一割増幅する。
ならこの結界を十枚重ねればどうなるか」
「この世界とは別の、発動者の魔法の世界が顕現し外部からの侵入は不可能になる」
「正解じゃ。
外から見ればただの白い球体。
しかいその中には発動者の世界が広がる」
一通りの説明とともに結界をすべて張り終えたエリミアは結果の壁を杖で小突いた。
叩かれた結界の壁はひびが広がり白い破片を散らしながら決壊する。
結界が壊れ元の演習場が広がるはずだった景色には別にの景色が広がっていた。
「これが結界魔法の果て…」
神殿のような建物に無限にあるのではないかとまで思わせる甲冑をつけた像、そしてその奥にそびえたつ楯と槍を持った女性の像。
圧倒的な景色に気圧されたシンはまさに開いた口がふさがらなくなっていた。
興奮を抑えきれずにシンはエリミアにあれもこれも聞こうとしたが彼女の眼差しを見ると口を閉じた。
「どうしたんだエリミア」
「ここならだれにも聞かれないと思ってな。
シン、お前に頼みたいことがある」
いつの間にか貴様からお前呼びになっていることが気にしつつ雰囲気の変わったエリミアにこちらも気を正される。
「頼み?」
「ああ貴様が指名手配で追われていることは知っている」
「⁉」
「身構えるな指名手配犯になったから貴様を知り貴様をここに呼んだのだ。
気づいているのだろうこの国に」
「…」
「だからこそ実力を見てそして頼みたかったのだ。
シン、頼むこの国の王を…
ファグナを止めてくれ。」