プロローグ「終着」
「はぁはぁはぁ、いつになったら見つかるんだよ。」
少年の名はノバス・ヒーロス。
今はイギリスのヨービル郊外に来ている。
なぜそんなところにいるのか。
それはこの近辺に大昔の様々な物事を記録している書庫があると言う情報をある本で得たからだ。
「かれこれ3日探しているんだがな〜
ほんとはないんじゃないのか?」
三日も探してるのに手掛かりすらない。
現地の人に聞いても何を知らない。
こりゃほんとにあるのか疑わしいな。
でも諦めない。
なぜなら俺は英雄譚が好きだから!
大昔のことが書かれてる本が沢山ある。
つまり大昔の英雄譚も沢山ある!
英雄譚マニアの俺からしたらそんなの宝の山だ。
沢山の英雄の話を読んでいつかは俺も…
そんなことを考えながら妄想にふけっていたせいか足元を見ておらず大きめの堀に落ちてしまった。
「あっえっ?」
怪我はしてないし、持ち物もどうもしてないけどこの堀の高さはさすがに登れないかな。
また感じでも4mはある。
堀は登れないと判断し後ろに振り替えるとそこには先も見れないほどの真っ暗な洞窟への入り口があった。
進める道があるのなら進む精神のノバスの前に現れた洞窟は冒険のそのものであるためノバスの好奇心を刺激した。
「進む、しかないよな♪」
かなり暗い洞窟、普通なら進まず何とか落ちたところから登ろうとするだろう。
だが、俺は違う冒険が目の前にあるのなら冒険するのが俺だ。
⋯
道中は驚くほど何もなく獣避けの何かでもしているんじゃないかと思うほどのものだった。
獣がいないことに救われつつも、体力の限界という問題に苦しめられるノバスに希望の光が降りてきた。
「光だ…」
体力の限界の時タイミングを見計らったのように洞窟の出口は現れた。
残りの体力を振り絞り出口へ走り光の下へ戻ってきた。
そして…たどり着いた。
「見つけた。ここが書庫……なのか?」
見つけたことに思考が追い付かず立ち尽くしたまま目の前にそびえたつ書庫に目を奪われる。
そして思考を取り戻すと同時に一気に興奮が沸き上がってきた。
今、俺の目の前に大量の宝が待っている。
それを考えるだけで興奮が抑えられない。
俺は興奮をすこし抑えつつ書庫の扉を開ける。
「大昔って割には扉も全然開くんだな。」
扉を開いた先にあった自分の想像を優に超える本の量にノバスの口は塞がらなくなった。
「す、す、す、すげぇー!
何だこの本の数おもってた何倍も本があるぞ。
この中にどれくらいの英雄譚が
あるんだ!」
急いで大量の本を漁る。だか決して荒らさないこの量の本一度荒らせば二度と戻らないだろう。
「とりあえず、気になる本は全部読んでみるか」
かなりの数の本を読んだ。というよりも読めない言語があったりよくわからない本だったりと読んだと言うよりは見たほうが正しい。
だが、俺の予想通り英雄譚はあった!これほどの本があるのなら俺の基地にでもして読みに来るのがいいだろう。
「今日はここで夜を越すか、脆くもなってないし問題ないだろ」
読んでいた本を閉じ一度周りにためていた本を片付けようと立ち上がった時後ろから何かが落ちる音がしたので恐る恐る振り向くとそこにはただの本があった。
「なんだ本が落ちたのかびっくりした〜にしも何も触ってないのに何で落ちたんだこの本?」
置いてあった机に手すら当たっていないのに落ちてきた本に疑問を浮かべながらなぜか強く惹かれる思いを感じ本を開いた。
「おっ読める言語だ。題名は〜忘れられた世界の歴史…とりあえず読むか」
『これを読んでいる君へ、この本の内容に入る前にこの言葉を口に出してから読んでほしい』
なぜか音読を要求してくる本に若干のおかしさを感じながらも本をより楽しむため著者の支持に従うことにする。
「なんだそれ?まぁいっか。
忘れられし世界の記憶よ、汝が向かったその軌跡を今我に明かせ。
次代の英雄の為に」
その瞬間本が突然光だし天井と床に何かの陣が描かれ始め本から文字が飛び出してきた。
サァイコウコノホンノカキシメスモノガタリヲミニ
今から始まる物語はただ一つの英雄譚。
一人の少年が人の美しさ、醜さを知りながらも進みつづけたお話。