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お嬢様には絶対に言わないで  作者: renten
ACT 1
81/176

1-29-2

その一撃で暗殺者はよろめき、痛みで顔を歪めながら顎を押さえる。薄ら笑いが消え、苦悶の表情が浮かんだ。


エドワードが追撃しようとした瞬間、暗殺者は低く身を沈め、地面を転がるようにして二撃目を避ける。彼の動きは明らかに焦りを帯びている。


逃れた暗殺者は再びベルに狙いを定め、横っ飛びに距離を詰める。


しかし、エドワードは即座にその進路に割り込み、棒の先端を突き出す。暗殺者は前腕で受け止めるが、鈍い衝撃で一瞬足をすくわれる。


その瞬間、パキリと鋭い音が響き、棒に亀裂が走った。


エドワードは折れた棒を見下ろし、ため息をつく。「ああ、折れたか。気に入ってたんだがな。」


暗殺者は苦痛と苛立ちを滲ませながら、歯を食いしばりつつ嘲笑した。「どうして……棒一本で……こんな戦いができる……?」


エドワードはまるで深刻そうな顔で答える。「あれはただの棒じゃない。エクスカリバーだったのさ。」

その冗談めいた台詞に、一瞬暗殺者は困惑の色を見せる。


エドワードは折れた木片を軽く放り捨て、「まあ、もう壊れたけどな。」と付け足す。


同時に前へ踏み込み、ブーツを振り下ろす。鋭いドロップキックが暗殺者を襲う。


暗殺者は腕で防御し、後退しつつ体勢を立て直す。転がるようにして二撃目を避け、再びベルへ向かおうとするが、エドワードが先回りして足払いをかける。暗殺者は地面に叩きつけられ、エドワードは即座に拳を振り下ろす。


しかし暗殺者は間一髪で転がり、エドワードの拳は石畳を打つ。鈍い衝撃音が響いた。


暗殺者は息を整えつつ、エドワードとベルを交互に見やる。汗ばむ呼吸が重く、その動きは慎重さを増している。


「片付けたいなら選べ。」エドワードは低く静かな声で言い、構えを崩さない。「まず俺を倒してから行くか、全力で彼女を狙うか。忠告してやるが……両方同時は愚策だ。」


暗殺者は唸りを上げ、短剣を鋭い軌跡でエドワードの腹部へ向ける。しかし、エドワードは軽やかにステップをずらし、腕で刃筋を逸らす。続く素早い一撃が暗殺者の肩に入り、彼は苦悶で足をよろめかせる。


体勢を整えた暗殺者はベルトから投げナイフを抜き、倒れたままのベルへ放つ。しかし、エドワードは蹴りでその刃をはじき、草むらへと弾き飛ばした。


「手口が読めてきたな。」エドワードは冷静な声で告げる。その口調には嘲りさえ滲む。


暗殺者は唸り、フェイントをかけながら低く斬り込むが、エドワードは難なく跳ね退く。即座に反撃の蹴りが暗殺者の胸を捉え、彼を木製ベンチに叩きつけた。ベンチは粉々に砕け散り、暗殺者は苦悶の声を上げる。


再度ナイフが投げ放たれるが、エドワードは軽く手の甲で弾き飛ばし、一瞬で距離を詰める。強烈な打撃が暗殺者の前腕を捉え、短剣は無力に地面へと落ちた。


「もう手は残ってないんじゃないか?」エドワードは冷えた声で言う。


暗殺者は息を荒げ、後ずさる。焦燥と苦痛が入り混じる目で、ローブの内側に手を伸ばし、怪しげな青い液体が揺れる小型の注射器を取り出す。


「では貴様の助言に従おう。」暗殺者は唾を吐くように言い、その唇に狂気じみた笑みを浮かべた。「まずはお前を始末してやる。」

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