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エディスの微笑みが一瞬揺らいだが、すぐにその表情を取り戻した。
彼女は背筋をさらに伸ばし、静寂に満ちた教室に鋭い声を響かせた。
それはまるで刃のように明確で容赦がなかった。
「伝統の外から聞こえる声には、しばしば深みが欠けているものですわ。その変革の意味を十分に理解しないまま、大胆さだけで語るのですから。例えば……」彼女の声がさらに冷たくなり、言葉が慎重に選ばれた鋭さを帯びた。
「『セインツ・スカラー』の称号を平民に与える――家柄もなければ貴族の繋がりもない人間に。そのような行為は称号の価値を安売りするに過ぎませんわ。それは、この学院だけでなく、この社会の根幹をも侮辱する決定ですわ。」
彼女の鋭い視線はベルに向けられた。その表情には読み取れないものが宿っていたが、明らかに無言の批判が込められていた。
「『セインツ・スカラー』の称号は、他の輝きとともに、その輝きをさらに際立たせるためにあるはずですわ。それは、人々を鼓舞し、高めるための灯台のような存在です。ですが、あなたはどうですの?」彼女の言葉はさらに緩やかだが、一層容赦ないものになった。
「あなたは輝いていませんわ。あなたは障害に過ぎない――光を遮り、本来照らされるべき場所に影を落とす存在なのです。」
エディスの声はさらに冷たさを増し、その姿勢は冷徹で揺るぎないものへと変わった。
「進歩というものも、無謀に追求されれば愚行に変わりますわ。ただの大胆さは虚栄心に過ぎません。確かに、伝統は変化を免れるものではありませんわ。それは目的を持って進化するべきであり、性急に歪められるものではありません。もし伝統があまりに硬直すれば、自らの重みに耐えきれずに砕け散るでしょう。でも、もしそれが過度に曲げられれば、形を失い、無意味なものとなるのですわ。」
彼女はさらに姿勢を正し、その声には重みのある冷静さが宿っていた。そして、最後の一撃を加えるように話を締めくくった。
「以前のことをお考えになってみてはいかがですか?『セインツ・スカラー』の称号――本当に卓越した者を讃えるために作られたもの――が、ドロテア様に与えられなかったことを。彼女は類まれなる知性と気品を持ち、その称号が体現する理想そのものでしたわ。しかし教会は、優遇や偏見の声を恐れて慎重になり、適切な時期を逃しました。そして今、その称号はどうなりましたの?」彼女の唇には冷笑が浮かんだ。
「その栄誉が無名の平民に与えられましたわ。その結果、この称号がかつて象徴していた卓越性は、今や崖っぷちに追い込まれているのですの。」
ベルの指はスカートの裾を掴み、血の気が引いた指先が白くなる。
微かに息を飲む音が漏れ、彼女の肩がかすかに震えた。
視線を下に落とし、膝元に固定する。
やがて、張り詰めた声が彼女の唇から漏れた。
その声は弱々しく、まるで今にも切れそうな糸のようだった。
「たぶん……あなたの言う通りなのかもしれません。」彼女は絞り出すように呟いた。
その目は自分の手元に釘付けになったまま。
「私は、この称号にふさわしくないのかも……しれません。」
ピシャリと音を立てて、メイの扇子が閉じられた。
その音は雷鳴のように教室の緊張を引き裂いた。
彼女はゆっくりと立ち上がる。
その動きは一分の隙もなく優雅でありながら、一瞬で場の全員の注目を奪い取る力強さがあった。
漆黒の瞳が教室を見渡し、まるでエディスだけでなく、そこにいる全ての者へ語りかけるようだった。
「それまでじゃ。」メイは静かだが、その声には確かな威厳が込められていた。
彼女の視線がエディスに向き直り、発せられる言葉は冷静だが鋭い。
「エディス様、そなたは伝統をまるで一人の平民の存在で崩れてしまうかのように語っておるが、本当の伝統とはそう脆いものではないのじゃ。新しい声を受け入れることでこそ、それは耐え抜き、さらに強くなるのじゃ。真の強さとは、硬直した姿勢ではなく、適応する知恵から生まれるものなのじゃ。」
そして、彼女はちらりとベルに目を向けた。その口調が少しだけ柔らかくなる。
「そして、そなたもじゃ。そんな侮辱に同意することで、自らに与えられた可能性を貶めているだけじゃぞ。その称号に価値があると信じておるなら、それに相応しい行動を取るべきじゃ。そうでないなら――その価値を証明してみせるのじゃ。」
教室内の空気が凍り付いたように静まり返る。メイは席に戻りながら、軽やかに扇子を再び開いた。その仕草はあまりにも自然で、先ほどの鋭い言葉とは対照的に見えた。
エディスの微笑みが一瞬だけ揺らぐ。メイの介入が、彼女の流れを止めたのだ。
一方で、ベルは席に座ったまま、エディスの批判の重みとメイの予想外の助言の間で、進むべき道を見つけられずにいた。




