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お嬢様には絶対に言わないで  作者: renten
ACT 1
54/176

1-19-2

『The Miraculous Beginning』全体を改訂しました。もしすでに第一部をお読みの方は、この部分を読み進める前に、もう一度第一部をお読みいただけますようお願いいたします。

ベアトリスはもう一度書類を確認し始め、今度は左から順番に見ていった。先ほど茶髪の少女の隣の席に達したとき、軽くその方を見やり、

「失礼します」

と礼儀正しく声をかけてから、再び紙に目を落とした。

茶髪の少女は自分の紙に夢中なふりをしていたが、ベアトリスが進んでいくのをちらりと見ていた。


3列目でも結果は見つからず、次に進んだのは最上段の席だった。

そこには9席のうち6席だけが埋まっており、そのうちの一つは既に誰かが座っていた。

ベアトリスは冷静な表情を保ちながらも、最後の階段を登りながら、心の中で緊張と期待を感じていた。


残りの紙は五枚。ベアトリスは右側の二枚を確認したが、どちらも自分の名前は書かれていなかった。中央のセクションに、扇子を手に持ちながら優雅に座っている少女がいた。

彼女はまるで自分を涼ませるかのように、扇子を軽くあおいでいた。ベアトリスはその姿を講堂で見かけており、落ち着いた自信に満ちた姿が印象に残っていた。


ベアトリスが彼女の隣の紙を見ようと近づいたその時、突然、少女が低く整った声で話し始めた。その声には、間違いなく権威を感じさせる響きがあった。


「それは男の名前と書かれているのじゃ。そなたのものではあるまい。」


少女は扇子に夢中なふりをしていたが、ベアトリスが動くたびにその視線はしっかりと追っており、言葉の中には、落ち着いた好奇心が隠れているのが感じ取れた。


予想外の言葉にベアトリスは思わず動揺し、焦点を失った。彼女、私に言っているのか?ベアトリスは一瞬、その言葉に戸惑いながらも、少女の方へと顔を向けた。鋭い視線と冷静な口調が印象的だったが、彼女の言葉には悪意はなく、むしろ静かな楽しさがにじんでいた。


ベアトリスはすぐに気を取り直し、礼儀正しい笑顔を浮かべて答えた。


「ありがとうございます。」


その言葉に対し、少女は軽く頷きながら、穏やかに「ふむ。」と一声を漏らした。彼女の声には、少しの興味を隠しながらも、相変わらずの落ち着きと権威が漂っていた。


ベアトリスは最後の二枚の紙に目を向け、心臓が速く鼓動するのを感じた。それは単なる緊張ではなく、どこか奇妙なやり取りが心に残ったせいだった。


ベアトリスは次の紙に目を落とし、再び集中を取り戻した。そこには「ベル」と書かれていた。思わず息を呑み、しばらくその場で固まった。ベル?胸の中で小さな興奮が芽生え、それが瞬く間に明るく膨らんでいく。ベルが彼女の隣に座るのだ!


心臓が高鳴り、ベアトリスは最後の紙に目を向けた。確信が湧き上がり、彼女の頭の中はその思いでいっぱいになった—これが彼女の名前に違いない。そうに決まっている。


その紙に辿り着くと、目を見開いた。ベアトリス。


喜びが胸の中で湧き上がり、あまりにも溢れそうになったので、座らなければならなかった。自分の名前、ベルのすぐ隣に。まるで信じられない瞬間、予想もしなかった小さな奇跡が、初日から起こったかのようだった。


その瞬間、ベアトリスの顔に輝く笑顔が広がった。それは優しく、そして無防備な笑顔だった。彼女は穏やかに席に座り、胸の中で溢れる喜びを感じながら、心が満たされるのを感じた。ベルの隣に座るという考えだけで、今日一日がすでに特別なものに変わったような気がした。それは、彼女が望んでいた以上のものだった。


扇子の裏からその様子を見守っていた少女は、ほのかに微笑みを浮かべたものの、それを隠すように静かにしていた。下の列、前方に座る別の少女が、ベアトリスの幸せそうな表情に興味を引かれたように、ちらりと振り返った。


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