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お嬢様には絶対に言わないで  作者: renten
ACT 1
32/176

1-11-4

エドワードの筋肉が緊張し、目の前の三人が一斉に動き出した。

彼らの意図は明白だった。

フェリシティが最初に動いた。

彼女のバトンが低く狙いを定め、エドワードの脚を目指して鋭く突き出される。

同時に、セシリアのロープが空中をうねりながらフックの端をきらめかせ、広い弧を描いて彼の横腹を狙う。そして、ブリジットは一瞬動きを止め、冷静な視線をエドワードに固定したまま、ばねのように身構えていた。


エドワードは即座に反応した。

彼はフェリシティの素早い突進をかわし、バトンが金属的な音を立てて床を打つのを横目に見た。

次に踵を軸に体を回し、セシリアのロープを紙一重でかわした。

そのフックが彼の肋骨の位置をかすめ、空気を切り裂く音を残す。

しかし完全に立て直す間もなく、ブリジットが前方に突進してきた。


ブリジットの拳が彼に向かって激しく叩き込まれる。

それはまるで破城槌のような強烈な右ストレートだった。

エドワードは咄嗟に腕を交差させ、ガードを固めてその一撃を受け止めた。

拳が直撃した瞬間、衝撃が彼の体全体に響き渡り、足元が地面に食い込むほどの力を吸収することを強いられた。

その力で腕が震えたが、彼はなんとか持ちこたえた。


反撃に転じる隙を見つける前に、セシリアのロープが再び襲いかかる。

エドワードは体をひねり、かろうじてかわそうとしたが、フックの一つが袖の端を引っかけ、彼のバランスを一瞬崩した。

その瞬間を逃さず、フェリシティがバトンを振り抜き、彼の無防備な肋骨を狙う。


エドワードは寸前で身を低くし、回転しながら間一髪でその場を抜け出す。

バトンが空を切り、彼の頭上をすり抜けた。


転がりながら立て直すと同時に、再びブリジットが突進してきた。

今度は拳が大きな弧を描きながら連続で振り下ろされる。

エドワードはその猛攻をかわすために身をかがめ、素早く体を左右に動かして次々と攻撃を避けていく。しかし、彼女の拳が床に叩きつけられるたびに石造りの地面にひびが入り、もし一撃でも直撃すればどれほど危険かを思い知らされる。


セシリアのロープがまるで毒蛇のように巻き付き、エドワードを狙って一閃する。

その動きに反応した彼は、素早く後方へ飛び退き、捕らえられるのを回避した。

フックが微かな音を立てながら彼の横をかすめ、その鋭い先端がジャケットの表面を掠める。

エドワードは近くにあった木製の椅子を掴み、ロープの進路に叩きつけることで一瞬絡ませた。

しかし、セシリアは鋭くロープを引き、その力で椅子を粉々にする。

だが、その一瞬の遅延がエドワードには十分な時間となり、再び体勢を整えることができた。


フェリシティが再び突進してくる。

その小柄な身体はぼやけるほどの速さで動き、エドワードの膝と胴体を狙った素早い連撃を繰り出す。


エドワードは一本の打撃を前腕で受け止めたが、その瞬間、バトンに蓄積されたエネルギーが衝撃とともに放出された。強烈な振動が腕全体に走り、思わず息を飲む。

「何だ……このバトン……ただの棒じゃない。」

彼の表情が険しく変わり、その瞳に警戒の色が浮かぶ。


強い痛みに腕が痺れる中で、彼は即座に状況を理解した。この武器は単なる打撃用ではなく、内部に仕掛けられた何らかの機構がその威力を何倍にも増幅させている。


一瞬だけ顔を歪ませながらも、エドワードは冷静さを取り戻した。そして苛立ちの色をかすめながらも、素早く反撃に転じた。鋭い蹴りで次の打撃を弾き返し、間合いを取り直す。


三人の攻撃者たちは勢いを緩めることなくエドワードに迫る。

動きは混沌としているようでいて、絶妙な連携が彼を守勢に追い込んでいた。

ブリジットが再び拳を振るう。

その一撃は凄まじい勢いで空気を震わせるほどだった。

エドワードは横に避け、その勢いを利用してブリジットの体勢をセシリアの方向に向けさせる。

だが、セシリアは優雅に身体をひねり、衝突を避けながら再び正確なロープ攻撃を繰り出した。


エドワードは身を屈め、近くのテーブルの端を掴むと、それをブリジットの進路に振り回した。

しかし、ブリジットの次の拳が木製のテーブルを粉々に砕き、破片が飛び散る。

その光景は彼女の攻撃の凄まじさを物語っていた。


エドワードの周囲を囲む三人の猛攻は激しさを増していく。

彼は一瞬の間、周囲を見渡しながら考える――このままでは持ちこたえられない。

三人のリズムを崩さなければならない、と。

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