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お嬢様には絶対に言わないで  作者: renten
ACT 1
31/176

1-11-3


ブリジットの構えが微妙に変わり、その筋肉が目的を持ったように緊張感を帯びた。

その顔に浮かんでいた余裕の笑みは消え、鋭い集中力が宿る。彼女は足元をわずかに調整しながら、体勢を整えた。床がかすかにきしむ音を立てると、彼女の身体は一瞬で動き出した。


爆発的な力を解き放つように、ブリジットはエドワードに向かって突進した。

その身体は空中でひねられ、右拳が鋭い一撃を伴って彼に向かう。

その攻撃の速度はあまりに速く、一瞬エドワードの反応が遅れた。

本能的に腕を交差させ、顔の左側を守るようにしっかりとガードを構築する。


彼女の拳がエドワードの前腕に激しく衝突した瞬間、鋭い衝撃が彼の腕全体に伝わった。

左手が衝撃の大部分を吸収し、右手が左手首を支える形で圧力を補強する。

ブリジットが放つ膨大な力に抗うため、エドワードはわずかに右足に重心を移し、地面をしっかり踏みしめた。


ブリジットの拳はわずかに止まり、彼女の目が細められる。

そのパンチはエドワードの即席のガードにさらに圧力を加え続けたが、彼女はすぐに次の一撃に移るべく身を引いた。


再び右拳を振り下ろすブリジットの攻撃は、彼の交差した腕に再び炸裂した。

空気を切り裂くような音と共に、その衝撃がエドワードの体全体に波及する。

エドワードは低くうめき声を漏らしたが、左腕が再びその衝撃を受け止め、右手がしっかりと支え続けた。


だが、エドワードはここで終わらなかった。


一瞬の隙をつかみ、彼は腰を鋭くひねった。ばねのように身体を巻き上げ、右足を素早く正確な弧を描いて振り上げる。その攻撃は、ブリジットの無防備な左脇腹を狙っていた。


鈍い音と共に衝撃が彼女の脇腹に食い込み、ブリジットの空中での軌道がずれる。


ブリジットの目が一瞬見開かれ、その笑みがわずかに揺らぐ。

予想外の反撃が彼女を横に吹き飛ばし、石造りの壁に叩きつけられる。

静寂の中、その衝撃音が響き渡った。


それでもブリジットは見事に足を着地させ、制御された音と共に立ち直る。

彼女の激しい笑みが瞬く間に戻り、その目には挑戦の光が燃えていた。


エドワードは体勢を整えながら、次の展開に備えるように構えを取った。


ブリジットは肩を軽く回しながら、関節が鳴る音を響かせた。

その拳をぎゅっと握りしめ、ナックルがきしむ音が微かに聞こえる。

彼女はエドワードを挑発するように、首を左右に軽く傾け筋肉をほぐす。

その笑みはさらに獰猛なものへと変わりつつあった。



「みんな……」

ブリジットは落ち着いた声で言ったが、その中には挑戦的な響きが込められていた。

「この扉を守ってたのも、無駄じゃなかったみたいね。ご主人様たちのために、止めるべき厄介者を見つけたわ。」


エドワードの目が細まり、その表情は暗く鋭いものへと変わる。

彼は一歩も引かず、冷たく鋭い声が空気を切り裂いた。


「お前たちのご主人様なんか、どうでもいい。勝手に朽ち果てればいい。」

彼の声は軽蔑に満ちていた。

「俺には関係ない。ただ、俺はお嬢様の側にいる。それだけだ。」


「ほほう、それこそ悪役のセリフってやつね。」

ブリジットは嘲笑を浮かべながら構えを取り直し、再び動き出す準備をした。

「みんな……準備はいい?この男を拘束するわよ。」


セシリアは指先で眼鏡を軽く押し上げ、唇に知的な笑みを浮かべる。

何も言わず、彼女は優雅な動きでメイド服の胸元へ手を差し入れた。

その手はすぐに何かを掴み、鋭く引き出す。


目に飛び込んできたのは、鮮やかな赤いロープ。直径はおよそ1センチほどで、磨かれたような滑らかな質感が光を反射して微かに輝いていた。


ロープの両端には小さな鋼製のフックが取り付けられており、その曲がった先端が鏡のように光を放っていた。フックはロープが解かれるたびにわずかに揺れ、金属同士が触れ合うかすかな音が規則的に響く。


ロープは尽きることなく、まるでメイド服の胸元――彼女の谷間から底なしの収納が隠されているかのように次々と現れる。

その動きは滑らかで計算されたもので、赤いロープと輝くフックが彼女の暗いメイド服とのコントラストを生み出し、異様な光景をさらに強調していた。


ロープがすべて引き出され、手元で整然と巻かれる頃には、セシリアの表情には何気ない勝利の余裕が漂っていた。

フックは不気味に揺れながら光を反射し、彼女がロープを軽く一振りすると、金属の音が小さく響いた。


「私のお嬢様を脅かそうなんてね?」

セシリアはウインクをひとつしながら、ロープの片端を軽々と回し始めた。そのフックが踊るように不吉な軌跡を描き、彼女の笑みはさらに深まる。

「さて、どんな縛り方が似合うかしら?」

その声には軽やかさと不穏さが混じり、まるで捕食者が獲物を弄んでいるかのようだった。


同時に、フェリシティはわずかに身体を反らせ、どこか飄々とした表情を浮かべながらスカートの裾に手を伸ばした。その動きには全く躊躇がなく、黒いパンストが光を受けて微かに輝き、太ももにしっかり固定された革のホルスターが露わになる。


薄いストッキング越しに、青と白のストライプの下着がわずかに見え隠れし、場に図らずも大胆な雰囲気を醸し出していた。しかし、フェリシティ本人は全く意に介さず、靴紐を結ぶかのように自然な態度を保っていた。


ホルスターには折りたたみ式のバトンが収められており、その磨かれた表面が一瞬の光を反射する。フェリシティは慣れた手つきでそれを掴むと、ホルスターからカチリと取り外した。一瞬の滑らかな動作で、バトンが心地よい金属音を立てながら展開される。


「はぁ、今日はゆっくりできると思ってたのになぁ。」

フェリシティはスカートを無造作に元に戻しながら溜め息をつき、軽く首を傾げた。その声には冗談めいた諦めのトーンが漂っていた。

「まあ、マスターの礼儀作法講座を聞くよりはマシだけどね。」


エドワードの視線が鋭くなる。眉間にわずかな皺を寄せながらも、その表情はすぐに冷静さと計算の色を浮かべた硬い眼差しへと変わっていった。


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