1-10-1【Crouching Maids, Hidden Butler】
ブリジットは片膝を立て、その上に肘を乗せてゆったりとした姿勢で腰を下ろしていた。手にしたウィスキーボトルを軽く回し、琥珀色の液体がゆっくりと揺れる。彼女は広い笑みを浮かべ、その姿勢には気まぐれな権威と無礼さが混ざり合っていた。
「どうしたんだ、そのしかめっ面?」
彼女は軽く挑発するような声で問いかけた。楽しんでいるのが明らかだった。
エドワードはほとんど彼女を一瞥することもなく、鋭い表情のまま冷たく答えた。
「不快な光景を見てしまったからだ。」
その声は短く、挑戦的でさえあった。彼の目はブリジットを見つめることなく、その背後にあるドアにしっかりと焦点を合わせていた。それこそが、彼が探していた場所だった。
土の小道に片膝を曲げて座り、フラスコからウィスキーを飲んでいた小柄なメイドが興味深げに顔を上げた。
「ねえ、ブリジット。この失礼な人誰?」
フラスコを緩やかにエドワードの方向に向けながら尋ねた。
ブリジットは深く、楽しげな笑い声を響かせた。その声はどこか嘲るようでもあった。彼女はウィスキーボトルの側面を軽く叩きながら付け加える。
「ほら、前に話したアメリアって覚えてるか?この男、同じ屋敷で働いてたんだよ。」
彼女はニヤリと笑みを浮かべ、ボトルから長い一口を飲み込んで満足そうに息をついた。その話題は彼女にとってただの余談のようだった。
「で、」
彼女はさらに興味深そうに顔を傾け、もう一人のしなやかな執事に視線を移した。
「そっちの可愛い子ちゃんは誰なんだ?」
声には遊び心が込められていたが、その目には鋭い好奇心が宿っていた。
エドワードの注意は揺るがないままだった。彼の視線はドアに固定され、彼の鋭い特徴は集中し、次の動きを考えているようだった。彼の答えは無関心で、ほぼ機械的だった。
「おお、この可愛い子か?こいつは俺の親友で、男だ。」
彼は視線をドアからそらさず、隣にいる中性的な執事を指しながら言った。
ブリジットは驚きの表情を浮かべ、眉を上げた。エドワードの発言にさらに笑みを深め、今度は中性的な執事に注意を向ける。
「この可愛い子が親友だって?」
彼女は楽しげな声で繰り返した。
「へえ、エド坊がこんな美しい友達を持ってるなんてね。」
レンは一瞬だけ優雅な態度を崩した。エドワードの言葉を聞いてその意味が理解されると、彼の鋭い目はエドワードに向けられ、混乱と困惑の色が交じった。彼の姿勢は硬直し、唇が一瞬だけ開きかけたが、すぐに自分を抑えた。目がわずかに細まり、肩を緊張させる。その反応は言葉にしなくても明らかだった。
階段の途中で優雅に座っていたセシリアが、ゆっくりとウィスキーのグラスを持ち上げた。その動きは流れるようで、すべてが計算されたような優雅さを帯びていた。彼女はゆっくりと一口飲み、唇に楽しげな笑みを浮かべながら、二人を見据えた。
「あらまあ。」
彼女は楽しげな声でつぶやいた。
「逞しい男と美しい少年。なかなか悪くないわね。」
彼女はグラスの縁を舐めるように撫で、重みのある挑発的な動作で付け加えた。
レンは一歩前に出て、刀が鞘に戻るようにその優雅さを再びまとった。彼は上品な笑みを浮かべ、まるで洗練そのものだった。
「皆様、失礼いたしました。」
彼は穏やかで正確な声で始めた。右拳を握りしめ、左手をその上に置いて胸元にかざし、完璧な礼を伴って続けた。
「我が家名は簡、純潔を意味します。名は蓮、忍耐と優美を象徴する蓮の花です。華夏から参りました、尤美萱様に仕える忠実な執事でございます。どうぞ、レンとお呼びください。」
エドワードは大きな音を立てて鼻を鳴らし、不満げな表情を浮かべた。その刺すような目は一瞬だけレンに向けられ、そこには明らかな失望がにじんでいた。
「『皆様』だって?こいつらにか?」
彼は低くつぶやき、その言葉が彼をさらに不愉快にさせるかのようだった。




