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「芝生を歩くのはやめてほしい、というだけだったんですが……」執事はわずかに眉を寄せながら付け加えた。
エドワードは一瞬驚いた様子を見せたが、すぐに平静を取り戻し、無表情で言った。「芝生を歩くなという看板は見当たらないぞ。」
「それでも、召使いとしては、もっと高い規範を守るべきです。」執事は毅然とした声で答えた。
エドワードはため息をつき、その発言を軽く手で払う仕草をした。
「わかったよ。じゃあ、芝生を歩くのはやめてやる。建物を登った後にな。」彼は冷静に言い放ち、にやりと笑みを浮かべた。
執事の黒い瞳はわずかに鋭くなり、その声に鋭さが増した。
「それはもっと悪いです。それを阻止せざるを得ませんね。」
その場にしばし緊張が漂ったが、さらに動こうとした瞬間、どこからか女中たちのおしゃべりが微かに聞こえてきた。
静かだったこの庭の一角は、徐々に人々で賑わい始めていた。
エドワードは舌打ちをし、小さく苛立ちを表した。
何も言わず、彼はその場を立ち去り、芝生の上を歩きながら建物の周囲を巡る動作を再開した。
「おい!」執事は声を上げ、その声にはわずかに平静を欠いた様子があった。「無視するな!せめて小道を歩きなさい!」
エドワードは返事をせず、集中したまま建物の周囲を歩き続けた。
数分間、エドワードは計算された足取りで動きながら、建物の構造を注意深く観察していた。
一方で、あの中性的な執事は石畳の小道から彼を追い続け、その存在は粘り強い影のようだった。
「本当に真剣ですからね!」執事は再び声を上げた。
その声には苛立ちが混じりつつも、根気強さが感じられた。
「何を企んでいようが関係ありませんが、さっさと道に戻りなさい!」
エドワードの沈黙は、執事の繰り返しの主張にさらに拍車をかけるようだった。
しかしついに、エドワードは足を止め、振り返らずに低い声で言った。
「おい、少し黙ってくれないか。」
執事は一瞬ひるみ、エドワードの声の変化に戸惑ったようだった。
その瞬間、エドワードの視線は新たに展開される場面に固定された。
目の前には、建物の閉ざされた側面の入口と思われる短い階段があり、そこに三人の女中が腰を下ろしていた。
彼らは二人の執事が彼女たちを観察していることには気づいていない様子だった。
一人目の女中はエドワードと同じくらい背が高く、筋肉質な体つきだった。
彼女はウイスキーボトルを傾け、大きなため息をついて満足そうに言った。
「ふぁあああ!これは効くね。」その声には大胆な自信が感じられた。
二人目の女中は、その隣に座り、小さなフラスコにウイスキーを注ぎながら、何か不明なスナックを食べていた。
彼女の動作は素早く、熟練しており、その行動全体がその場の状況とは不釣り合いだった。
三人目の女中はグラスでウイスキーを優雅にすすりながら、落ち着いた雰囲気を漂わせていた。
彼女は眼鏡を直しながら、小声で、だがあまりにもカジュアルに言った。
「この上品な飲み物を、私のお嬢様の立派な胸を眺めながら楽しめたら、最高なんだけどね。」
エドワードは瞬きをして、無表情でその場面をじっと見つめた。
近くで規則に固執する執事とは対照的に、この三人の女中は全く別の種類の厄介者のようだった。
「まったく、どうしてこんな連中ばかりなんだ。」エドワードは小声でつぶやいた。




