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お嬢様には絶対に言わないで  作者: renten
ACT 1
20/176

1-8-1【Butler Meets Butler】

エドワードは大講堂の正面入口から歩き去り、その足取りはゆっくりとしながらも目的を持ったものであった。


建物の外観は壮麗そのもので、広がるアーチと細やかな彫刻が朝陽を浴びて輝いていた。


手入れの行き届いた芝生が柔らかな緑の波となり、周囲を取り囲む花壇は精巧に配置された花々で彩られている。


庭園を貫く小道は広く、太陽の下で滑らかな石畳がきらめいていた。


しかし、エドワードはその芸術的な景観にほとんど目を向けず、道から外れて芝生へと足を踏み入れた。


近くのベンチに座る使用人たちからの好奇の目線を無視しながら、規則を無視するかのような落ち着いた動作で進んでいく。


彼らにとって、このような振る舞いは不適切に映ったが、エドワードはあたかも礼儀のルールが自分には無関係であるかのように動いていた。


建物は彼の頭上にそびえ立ち、その壮大な外観は窓、アーチ、装飾的な浮彫りの迷路のようであった。


エドワードはその構造をじっくりと観察し、裏口や開いた窓、さらには緩んだパネルなど、何か利用できるものを探していた。


しかし、何も見つけられなかった。


最後に彼が到達したのは、建物の静かな一角であり、そこでは生徒や職員の賑やかな声が背景に薄れていた。


エドワードは立ち止まり、そのそびえる壁を傾げた頭で見上げた。


その高さは普通の人であれば怯むほどであったが、エドワードにとってはむしろ挑戦的に見えた。


石造りの壁には十分な手掛かりがあり、建物のデザインは登るための自然な経路を提供していた。


彼は計画を練るように微笑みを浮かべ、そのルートを冷静に計算していた。


深呼吸を一つし、エドワードは足を踏みしめ、身をかがめて準備を整えた。


右手を高く伸ばし、指先を石の表面に向けて力を込めるように置き、左足を曲げて跳び上がる態勢を取った。


「失礼しますが、それはおやめになったほうがいいですよ。」柔らかくも低く、しかし断固とした声が集中を遮った。


エドワードはその声に鋭く反応し、頭を声の方へ向けた。


花壇の小道に立っていたのは、華奢な体つきをした一人の人物だった。


最初、エドワードはその人物を若い女性だと思い込んだ。


その繊細な体型と洗練された容姿がそう思わせたのだ。


しかし、よく見ると、そこには高貴な雰囲気をまとった男性が立っていた。


黒い瞳は鋭くも落ち着いており、長い睫毛に縁取られて神秘的な魅力を漂わせていた。


その陶器のように滑らかで傷一つない肌は、日の光を受けてほのかに輝いていた。


やや乱れた黒髪は柔らかい層を描きながら顔を縁取り、その左右対称で優美な顔立ちは、彼が仕えるであろう高貴な主にも匹敵する美しさを持っていた。


彼の制服は、青いシャツに黒いベストを合わせたもので、整ったネクタイがその装いを引き締めていた。


エドワードは片眉を上げ、その計算された視線を執事の揺るぎない瞳と交わらせた。


「すまない、お嬢さん。」エドワードは丁寧ながらも軽くあしらうような口調で言った。「少しの間、見なかったことにしてくれないか?」


執事の唇は小さく上品な微笑を描いた。


「高貴な主人に仕える者として、不適切な行為で名誉を汚すべきではありません。」彼は冷静ながらも芯のある声で返答した。


エドワードは軽く鼻で笑い、その表情を崩さないままだった。


「不適切?建物を登ることは不適切じゃないだろう――俺のご主人様に知られなければ。」彼の声は少し低くなり、静かな威圧感を帯びていた。


執事は怯むことなく、わずかに姿勢を変えた。


その足元は安定した立ち位置を取り、まるで対峙する準備を整えているかのようだった。


両手は自然体で脇に垂れていたが、そのフレームには武術の訓練を受けた者特有の準備と均衡が見て取れた。


「ご主人様は、そんな無謀な行為を喜ばれないでしょう。」執事は言った。



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