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エドワードは少しの間その場に立ち尽くし、腕を組んで静かにため息をついた。
180センチを少し超える身長と、しなやかながら筋肉質な体型が、
彼に威圧感のある存在感を与えていた。
仕立ての良いスーツの鋭いラインが、その印象をさらに引き立てている。
彼は決して大柄ではないが、衣服の下に隠れた力強さは明白で、
静かに立ち尽くすその姿が徐々に注目を集め始めた。
通り過ぎる生徒たちは、彼の存在を警戒するようにちらりと視線を向け、
道を微妙に外れることで、彼を避けて歩いた。
貴族らしき少女が少し不機嫌そうに眉をひそめたが、
騒ぎを起こすことなく、小さくつぶやいてその場を去った。
エドワードは一切動じず、訓練された鋭い目で生徒たちの流れをじっと見つめていた。
そして、静かに一歩前に進み、大講堂の入口へと向かう。
その無駄のない歩調は落ち着いており、どこか堂々としていた。
まるで彼がそこにいるのが当然であるかのような風格すら感じさせる。
「おい!」
制服をきっちりと着こなした職員が一人、彼の進路を遮るように立ち塞がった。
片手を上げて制止の合図をしながら、きっぱりとした声で言った。
「ふざけるなよ。ここから先は生徒だけだ。」
エドワードは足を止め、軽く首を傾げるようにして返答を考える素振りを見せた。
「今年から私も、高校レベルの教育を始めました。」
彼は滑らかな口調で答えた。
「自宅で。」
職員の眉がピクリと動き、表情に苛立ちが浮かんだ。
「そんなこと、誰が気にするか?」
職員はあからさまに呆れた様子で言い放ち、
腕を組んで冷たい口調を続けた。
「他の場所で待つんだな。さもないと出入り禁止リストに載せるぞ。」
その態度は交渉の余地を一切感じさせなかった。
エドワードの冷静な表情は崩れることなく、
鋭い視線が入口へと向けられた。
彼は状況を冷静に見極めるように、次の一手を計算しているようだった。
だが、出入り禁止のリスクは取れない。
それではベアトリスに付き添う機会を完全に失ってしまうからだ。
彼は無言のまま踵を返し、正確で無駄のない動きでその場を離れた。
入口から離れるにつれ、彼の顔にごくわずかな苛立ちの色が浮かんだ。
今は従うしかないが、彼の頭の中では次なる策がすでに練られ始めていた。
彼は静かに歩きながら、今後の行動計画を練る決意を新たにした。




