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ベアトリスの前方の列では、様々な反応が見受けられた。
鋭い目つきのブルネットの少女は表情を硬くし、スピーチの内容に脅かされたかのように感じられた。
「彼女の言葉は何を暗示しているの……?」
その内心が表情から静かに滲み出ているようだった。
一方、通路を挟んで座っていた短髪の少女は、皮肉げな笑みを浮かべながらリラックスした様子で腕を組んでいた。
「まぁ、少なくとも面白いことを言うわね。」
その表情には、どこか好奇心と懐疑的な視線が混ざり合っていた。
さらに視線を横切ると、別の少年の姿が目に入った。
短髪の少年はまるで舞台に釘付けになったかのように前屈みになり、その鋭い目はベルに鋭く焦点を合わせていた。
乱雑に刈られた髪と無造作な雰囲気は、彼の心に宿る反逆的なエネルギーをほのめかしていた。
彼の唇の端にはわずかな笑みが浮かび、それは楽しむためのものではなく、彼女の言葉に共感を示すかのようなものだった。
指が軽く椅子の端を叩く音が聞こえ、それはまるで彼の内面の焦燥感が具現化しているようだった。
通路を挟んで反対側の席では、黒髪の長い髪を持つ少女が優雅な動きで扇子を閉じ、その扇子の縁を手のひらで軽く叩いていた。
彼女は微笑むことなく表情を保ちつつも、目元にわずかな興味の光を宿していた。
「実に興味深い観点ね。」と、心の中で独り言をつぶやきながらも、その視線には慎重さが漂っていた。
その動きは、彼女がスピーチを面白いと思いながらも、何か深く考え込んでいる様子を示していた。
それとは対照的に、会場の一角では、上級貴族の女性が、ベルの言葉を無視するかのように手袋をはめた手で口元を隠して笑い、その隣に座る同伴者もまた、肩をすくめながら楽しそうに微笑んでいた。
しかし、ドロテアは異なる反応を見せていた。
彼女は教師たちの隣に立ちながら、スピーチに耳を傾けつつ、顔に感情を表さず、ただ冷静にため息をついていた。
彼女の内心は決して読み取れないが、その沈黙には重みがあった。
ベルのスピーチが最高潮に達するにつれ、彼女の声は高まり、その情熱的な響きが観衆に浸透していった。
「これまでずっと、生まれで立場が決まると言われてきた。
でもそれは真実じゃない。
私たちの強さは血筋ではなく、意志の中にある。
意志があるなら、私たちは上昇できる――彼らが想像すらできないほど高く。」
その瞬間、ホール全体がざわめきに包まれた。
低位の貴族たちは互いに不安げな視線を交わし、中位の学生たちは耳を寄せ合い、急いで囁き合っていた。
教師たちの中には真剣な面持ちで頷く者がいれば、露骨に眉をひそめ、不快感を隠さない者もいた。
ベアトリスは椅子の背もたれに身を預けながら、ベルの言葉が放つ余韻に包まれ、その場を動けないままでいた。
ベルの舞台での姿勢は時にぎこちなく、不器用だった。
だが、彼女の言葉は驚くほど深く心に響き、その感情の余波が観衆全体に広がっていった。
「彼女は……違う。」
ベアトリスは内心でそう呟いた。
その日、初めて彼女の中に一筋の希望が生まれた。
「もしかしたら……彼女こそ……私が友達になれる人かもしれない。」




