表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お嬢様には絶対に言わないで  作者: renten
ACT 1
14/176

1-6-1【Belle, the Saint’s Scholar】

アカデミーの壮大な講堂は、まるで夢の舞台のようにベアトリスの目の前に広がっていた。


豪華なオペラハウスを思わせるその空間は、壁沿いに優雅な曲線を描く金箔が施されたバルコニーや、磨き上げられた木製の手すりが並ぶ広々としたメザニンで飾られていた。


頭上には巨大なシャンデリアが吊るされており、青石エネルギーによって照らされた無数のクリスタルが温かな光を反射していた。


講堂全体がきらびやかな装飾で彩られ、学生たちがそれぞれの指定席に着きながら、期待に満ちたざわめきが空気を包み込んでいた。


ベアトリスは、クラス専用に割り当てられたセクションの一番後ろの席に一人で座っていた。


その椅子は深いベルベットで覆われ、精緻な彫刻が施されたマホガニーの肘掛け付きで、


一般人、いや、低位の貴族ですら居心地悪く感じるほど豪華なものであった。


だが、ベアトリスは背筋をピンと伸ばし、手を軽く膝の上に置きながら、自然な優雅さでそこに座っていた。


彼女の緑の瞳は、柔らかな光を受けて金色の輝きを浮かべ、一瞬閉じられると、その場の雰囲気を吸収するかのようだった。


彼女の表情は穏やかだったが、その孤独さは混雑した講堂の中でひときわ目立っていた。


彼女の周囲の席は、細い通路で分けられた三席の列で構成されていたが、


両側にある席は目立つほど空いており、まるで彼女と他の学生たちの間に目に見えない壁が立てられているかのようだった。


最寄りの学生たちははるか前方に座り、彼女に背を向けていた。


数歩前に進んで距離を縮めることもできたが、その考えだけで胃がきゅっと締めつけられるようだった。


彼女はまるでその椅子を聖域のように抱きしめるかのごとく座り続けていた。


彼女の育ちから来る隔絶された年月の重みを感じながら。


「どうやって話しかければいいのかしら?」


そう考えながら、唇をかすかに引き結び、不安げな線を浮かべた。


会話を始めることは不可能に思えた。


沈黙と孤独によって築かれた越えられない壁のように。


彼女は視線を周囲に巡らせ、この壮大な空間に包まれていることに目を向けた。


そのとき、突然、ホールに響く音が彼女の注意をステージに引き寄せた。


フォーマルなアカデミーローブに身を包んだ女性が、中央のマイクを調整していた。


彼女が話し始めると、かすかな青い光がその装置から波紋のように広がり、


座席の下に消えるように複雑なエネルギーラインを描いた。


観客のざわめきが静まり、アナウンサーの声が響いた。


その音は椅子の下に隠された小さな装置から直接流れ出し、まるで彼女がベアトリスのすぐ隣で話しているかのようにクリアだった。


「新入生の皆さん、ようこそ。」


彼女は安定した威厳ある口調で始めた。


「今年度の学びの始まりにあたり、名誉ある生徒会長により開会の挨拶をいただきます。どうぞお迎えください。


ドロテア・アレクサンドラ・エヴァンジェリン・カエルウィスグ殿下です。」


講堂全体が名前の響きに揺れた。


完璧な音響が響き渡る中、ざわめきが広がり、驚きと好奇心が入り混じった声が交錯した。


ベアトリスの手は膝の上でわずかに固くなり、緑の瞳がステージへと向けられた。


彼女は誰が登場するのか、すでに知っていた。


ドロテアの無表情は変わらず、彼女の視線はスピーチへと戻った。その短い瞬間が現実だったのか、それともただの想像だったのか、ベアトリスは疑問を抱いたまま立ち尽くしていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ