表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】愛され公爵令嬢は穏やかに微笑む  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/79

60.それはお披露目のための色

 用意されたドレスは、とても綺麗な白でした。絹の光沢が目を引くドレスは、社交界お披露目の令嬢と同じ白。ですが僅かに青く光る生地です。高級感がありますね。


「白、ですか?」


 この国で白を纏うのは、社交界でお披露目されるご令嬢のみ。お葬式は紺色、結婚式は銀と決まっています。そのため、白、銀、紺は滅多に身につけない色のドレスでした。ワンピースなどの普段着は別にして、正式な社交の場にそれらの色を選ぶ人はいません。


 私はすでにお披露目を終えていますので、今後は白いドレスに袖を通すことはなかったでしょう。


「ええ、そうよ。この国が新しく始まるお披露目には、この白がふさわしいと思わない?」


 お母様がそう言って笑います。一緒に仮縫いを終えた衣装の調整をするため、白いドレスを着たお母様を初めて見ました。お母様はマーメイドラインで、腰のくびれや豊かな胸を強調します。ベアトップで、肩に紐がないため、ショールを掛けるそうです。


 私はプリンセスラインです。ぐるりと周囲に広がったスカートが華やかで、未婚女性らしいからと選んでくださったとか。お母様のロング丈と違い、足首までの丈で靴が見えるドレスでした。網紐のつま先が開いた靴を合わせると聞きました。襟元がレースできっちり隠されているので、派手な首飾りは不要ですね。


 お飾りはパートナーの色を入れる予定でしたが、金剛石に統一されました。ティアラから耳飾りまで、金の細工が美しい一式が並べられます。ですが、遠くからパレードを見る民は、誰が誰なのか区別がつかないのでは?


「こちらをどうぞ」


 サッシュと呼ばれる太くて長い帯を肩から腰へ斜めに掛けました。この色が違うのですね。お母様は赤、お父様も赤になさるそうです。私とカスト様が青、ダヴィードは緑でした。この色で区別をつけるのなら、ドレスをカラーにしても同じだと思います。


 お母様に疑問をぶつけると、微調整の終わったドレスを着替えながら答えてくださいました。


「これは決意表明なの。以前のように不正を犯す王家ではなく、透明性がある政を行う約束の証よ。新しい王族は潔白であると示すの」


「わかりました」


 そういった意味があるのですね。貴族院からの提案だそうです。それでドレスは白が選ばれたのでしょう。潔白であり、これから社交に出ていく若い乙女のように、純粋であると示す行為でした。


 お父様達の衣装も、白を基調とするそうです。王冠も豪華なものは作らない。国民に寄り添った王家を目指すと聞きました。私もその考えには賛成です。民の生活からかけ離れた豪華で贅沢な暮らしは、王家の退廃を招く一因になりますから。


「お母様、ご相談があります」


「わかりました。着替え終えたら、庭でお茶にしましょうか」


 私は私のやり方で、民を守りたい。そのために、王家は盤石な一枚岩であると示すことが重要です。私の提案は、最良の策だと思いますわ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ