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美咲ちゃんは恋がしたい! ♡1 美咲の恋の行方

こんな真冬に夏休みの高校生ラブコメっておかしくね~?


1話1000文字制限7話完結、短篇短期連載の始まりでっす(笑)


全話挿絵入り。

貴志たかし! あたし、恋がしたいの!!」


 突然、ホントに突然美咲(みさき)が卓袱台を叩いて主張しだす。夏休みの課題を出したままウンウン唸ってたのはコレ?


 俺は課題など最初の三日で終わらせ、昔に流行ったという「クラゲデウス」なるシューティングゲームを攻略中。嫌いな物をサッサと始末して好きな物をゆっくり味わい倒すのが俺の流儀。


 ゲームのコントローラーを握りポーズをかけ、美咲に目を向ける。

 焦げ茶色の長い髪をポニーテールにして白地のTシャツを着たお隣さん、葛西美咲かさい みさき。かわいい顔立ちで快活、ちょっと抜けてるところが男女問わず人気だ。


 恋はするものじゃなく墜ちるものというからな。美咲こいつの場合、恋の落とし穴とか飛び越えちまうんだろ。


 中学になる時期に隣に引っ越してきた。よくある、窓を開けたら向かい側がコイツの部屋だった。学校も同じ、歳も学年も一緒なので仲良くなるのは早かった。


 あれから三年。


 高校も同じで夏休みの課題をやるからとやって来て、30分後の発言がこれだ。


「すれば?」

「何それ!こんなかわいい美咲ちゃんが恋したい! って言ってるのにそんなのが返事? 貴志アンタ、にぶチン?」

「なんか文句ありますか〜〜」

「イイ男紹介するとかないんかい!」

「ええ〜! 美咲さんにですか〜?」


挿絵(By みてみん)


ぐ〜〜〜〜〜〜♪


「貴志、お腹空いた」


 乙女の恥じらいとかいうモノは持ち合わせていないのかね? キミは!


「隣なんだから家帰って喰えよ」

「お母さんも仕事で居ないから」

「ウチだってそうだよ。自分で作れ」

「いや、だから葛西家かさいけの女が包丁持つとご先祖様が封じた悪龍が」

「・・・・ああ、分かった分かった、ったく」

「さすが枝川家えだがわけの料理人」

「しょうがねぇな、金払えよ」

「身体で払う?」


 クイッと胸を持ち上げる仕草。クッ、最近また女の子らしい体型になってきやがって! 出るとこ出てくびれるところはくびれ。


「ばっ、そんなこと俺以外に言うなよ。マジで襲われるぞ」


 そう言い捨てると台所へと向かう。まったく若い男の妄想力、ナメんな!!



「ほらよ」

「わーい、貴志愛してる!」

「こういう時だけ発生する愛など不要!!」


 ω(オメガ)口になり興味津々に皿を見詰める。


「これは?」

「ナポリタソ」

「ナポリタ・そ?」

「そ、スパゲッティを焼そば麺に換えて『ナポリタソ』」


 もうすでに喰っている! 話しを聴け~い!


「貴志、アンタあたしのお嫁になりなさい!!」


 またか!


 ところで「恋がしたい」という話は何処行った?



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