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小学生みたいな先輩

「もう、私達別れましょ……」

「どうしたの?急に」

「好きな人ができたの……。ごめんなさい。」

「そっか。」

「そんだけ?」

「まぁ、君がそれで幸せなら俺は何も言わないよ……。」

「そういう冷めたところも嫌いだった。でも今は助かるわ。」

「うん、それじゃお幸せに。」

「うん、今までありがとう。バイバイ」

「ああ、じぁな。」


⿴⿻⿸


「はぁあ〜……」


ダメだ、全くもってやる気が出ない。

やる気を出そうとしても口からため息となって出ていってしまう。

あー、もう早く家に帰って布団で三日くらい不貞寝したいよ。

だが、いつまで経っても振られたくらいで落ち込んでちゃダメだよな。

よし、始業時間はまだだが仕事の準備くらいは初めておくか……。


「おう!どうしたよ直哉!朝から辛気臭い顔してっておい、ほんとに大丈夫か?」

「おはよ、今日も元気だな健太は。暑苦しいから早く席に座って大人しくしてくれない?」

「心配してんのに冷たくない!?」


と、隣りの席に座り「いつもより冷たい……」とか戯言を抜かす同僚、三吉健太はいつも朝から騒がしい。

なんだよいつもより冷たいって、それ俺がいつも冷たいみたいな言い方で釈然としない。


「まぁ、直哉、今日も香音ちゃんに押し付けられた仕事を済ませてきたんだろ?ピリピリするのも分かるわけど俺に当たるのはイクナイゾ♥」

「死ねばいいのに。」

「ヤッパ冷た!!お茶目だなー。とか反応出来ねーのかよ?」

「あと、香音先輩(・・・・)もうご到着してるぞ?」


俺の目線を辿った健太は顔を青ざめる。

しまったなー、動画撮っときゃ良かった。今の顔は最高だったのに……。


「おおお、おはようございます!香音先輩!!今日もロリロリしく頑張っていきまあぁぁぁ!!!」


気が動転したのか俺の同僚は先輩の容姿を馬鹿にして、そのまま平手打ちをされて動かなくなっていた。

健太よ。お前のことは忘れない。安らかに眠っていてくれ。そしてどうか起きずにそのまま寝てろ。


俺は健太がこんな馬鹿な事を抜かすのもしょうがないかなと思いながら平手打ちの主を見る。


身長134センチ

体重33キロ

Aカップ

童顔


そう、この先輩、平峰香音(27)は小学生にしか見えないのだ。なのに武闘派。容姿を馬鹿にしたやつは、そこに倒れてる健太(ばか)みたいにハッ倒される羽目になる。


「おはようございます。先輩、これ頼まれてたやつ出来ました。」


俺は友の屍を超えて行く漢。健太と同じ失敗はせん。


「ありがとうございます。いつもすみませんね!」

「いえいえ、別に気にしなくていいですよ。」

「いえ、そういう訳にもいかないです!そうだ!今日飲みに行きません?もちろん先輩として私が出しますよ?」

「あ、いえ飲み会は─────」


そっか、俺にはもう断る理由(彼女)はもう居ないんだった。


「いいですね。たまには行きましょうか。」

「おや?悲しい顔してどうしたんですか?何かありました?良ければ話を聞きますよ。」

「っ!やだな、悲しい顔なんてしてないじゃないですか!!ほら、先輩!朝礼始まりますって!早く行かないと!」

「え?でも……、っ!飲みに行った時絶対話して貰いますからね?絶対ですよ?キャンセルなんてさせませんからね?」

「分かりましたから……。」


先輩は自分の席に移動しようとし、もう一度振り返り「絶対の絶対ですよ!?」と念押し、そんな姿もまるで小学生だ。

と、いつの間にやら復活したらしい健太が話しかけてくる。


「お前が飲み行くのって珍しいな。何かあったの?」

「い、いや、何も無いけど。」

「うわ!その反応わかりやすっ!昼飯の時に話して貰うからな!?絶対だぞ?絶対の絶対だからな!?」


お前もか!!

と心の中で叫んだ俺に笑いかける健太


「今の香音ちゃんの真似!似てなかった?」


そんな健太は知らない。後ろで鋭い目付きでお前を睨むロリがいることに。

この後健太は折檻された。

もう一生この会社で口を開かない方がいいと思う。

新作です。自殺しようとしたら先に飛び降りようとしていた後輩を助けてしまって、後輩のために生きる約束をしました。もよろしくお願いします。

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