春眠…?
「こんな夢を見た。」からはじまる400文字以内のショートショートストーリー(公募:「こんな夢を見た。」vol.3|short short story/主催:ツカノマレーベル運営事務局)応募作品
こんな夢を見た。
列車に揺られ、どこかへ向かっている。
空いている車内、春の日差しで座席もポカポカと暖かく、車輌の揺れも一定で、心地いい。睡魔さえもゆっくりやってきて、抗うことなくウトウトしてしまう。
今どこに居るのだろうと思うことさえ忘れ、のんびりと時間が進んでいく。
どれくらい眠っていたのか、ふと車輌の扉が閉まる音で目が覚める。
あれ?今の駅に用があったような。
まぁいいか、と再び目を閉じた途端、周囲がざわつく様な感覚が訪れ、はっと気付くといつもの通学列車内。朝のラッシュでも空いている下り電車、暖かな車内で居眠りしていたようだ。次の駅が目的の駅。ちょうど良く目が覚め、気分良く電車を降りる。
という夢を見ていたようで、目が覚めると目的の駅で車輌の扉が閉まったところ。たった今、遅刻が確定した。暖かな車内で、ゆっくり次の駅へ向かう。今度は眠ってしまわぬよう、扉の側に立っていようか。
「こんな夢を見た。」vol.3|short short story
主催:ツカノマレーベル運営事務局
https://tsukanomalabel.com/news/5e8176cc9df16320a34048da